空に走る飛行機雲というヒビ

たっぷりと蒼に満たされた空


その真ん中に飛行機雲という名のヒビが刻まれた。


ご覧、向こう側へと蒼が漏れていくよ。


徐々に白くモヤとなって色が抜けていく


白く、白く、それも過ぎれば薄汚れて灰色になり、やがてはどす黒く穢れる


隙間を埋める為に溶接の光と火花がゴロゴロと音を立てて世界に響く


洗い流す為に大量の水が流されて、空から漏れて私達に降り注ぐ。


そしていつかはまた真っさらな青空へと戻るんだ。


でも僕はまた見たいんだ。


何も無い一色の世界になぞるようにひび割れたあの空を。








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