哀れみを忘れた生物


鳥は木々や岩山に閉ざされて自由に飛ぶこともできない地上の獣を哀れみ


獣は隠れることもできずにただ逃げるしかない空を飛ぶ鳥を哀れみ


魚は様々な生き物が居るこの海を誇りながら孤独に生きて潜む水面の向こう側を哀れむ


人は


人だけが


ああ人だけが同属すら哀れむことなく、生きるためでもなくただ殺しあっていく


鳥も獣も魚達だけがそれを哀れむことを


哀れむことすら忘れた生き物が過去にしていく

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