第8話 浅海 結 Ⅳ
何となく分かってはいた。もともと自分の気持ちを整理するために雫君の学校に行ったが、見られていたとは思わなかった。
後日に雫君が来ないであろう時間帯に砂浜に行ったが結局彼には見つかってしまった。そこまではよかったが、午前中に学校に行ったせいで雫君に感づかれてしまった。私は全てを隠さず話した。
でもまぁ、正直これでいいと思っている。一方的だけれどもきちんと別れの挨拶もできてよかった。よかった……
我慢は限界だった。必死に抑え込んでいた声は喉から漏れ、涙があふれ出した。それでも私は砂浜に戻ることはない。もう別れは告げた。
病室に帰るまでに涙は止まったが、私の腫れた目を見てお母さんは心配してくれたけど私はすぐにベッドに潜り込んだ。
それでも布団越しにお母さんは今日お医者さんに言われたことを私に伝えた。
今の状態が続くならあと三週間後に手術に向けて海外へ行く予定らしい。
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