9. お金はありすぎると困るもの
気がついたときには、ベットにいた。
どうやら力尽きて意識を失い、部屋に運ばれたようだ。
辺りを見回すと、椅子に座って本を読んでるラナと
山賊たちから助けだし、ついてきたエルフが寄りかかって寝ていた。
ラナが目覚めたことに気がつき、
「良かった、目が覚めた大丈夫?痛いとことか無い?」
私はあちこち動かして異常がないか確認し、
「大丈夫みたい。」
「良かった、一日中寝てたから、そんなに疲れてた?」
そんなに寝ていたか、でもそんなに疲れていたかな?
そんなことを考えていてあることを思い付いた、
「多分ここ数週間の疲れが一気に来たのでしょうね。
取り合えず、お腹空いたから何か食べたいわ。」
「確かテスラちゃんが用意してるって言ってた。」
なら取り合えず下に降りようとしたら、
エルフの子に目がいった。
「そう言えばこの子は…どうしよう……起こそうかな?………取り合えずそっとしておこうか。」
そうして私達が降りてきて、テスラが気づくと
すごく慌てた様子で、
「だ、大丈夫?痛いとこと無い?本当に大丈夫?」
随分と慌てているな、ラナも慌てなかったのに、
取り合えず食事をしているときに、テスラから、
「そう言えばギルドの方がさっき来て、
ルナが起きたらギルドに来てくださいって。」
何?ギルドが?何だろうか………新たに依頼とか
言われても、こっちも少しは休みたいんですけどねぇ。
取り合えず行くことにしよう、まだ依頼と決まった訳じゃないし。
食事が終わり準備の為に部屋へと戻る。
エルフの子はまだ起きない。
薄汚れた布を体と頭を覆っている見た目だ、
顔は結構整っているがあざが多かった。
恐らく奴隷として捕まったのだろう、
年もそんなに離れていないようで
「こんな子が奴隷に……可哀想に……」
そうして頭を少し撫でると、
「……………!!」
エルフの子が起きて、自分が撫でられていたのか
気づいたのか知らないが、ビクッと身を引いた。
「あ…ご、ごめんね驚かせて……」
「……………………。」
だいぶ驚かせてしまったようで、瞳の奥には
恐怖の感情が見えた。少し戸惑いながらも、
「えっと……これからギルドに呼ばれて行くことに
なってるの、ついてくる気があるなら行きましょう。」
エルフは一息おいて頷きたちだした
そうして私達は宿を後にしてギルドへ向かった。
その道中で、後ろからついてきているエルフに、
「ねぇあなた、出来れば名前を教えてほしいんだけど。」
「………………。」
無理かなと思い前を向き直そうとしたら、
「……………エルファ。」
まさか口を開いてくれるとは思っていなかったので、
少々驚いたが、
「エルファ………ね、年はいくつかな?」
「…………62」
………………まじか。いやでもエルフは長生きで
老いにくいって本で読んだ。だったら不思議でもないか、
「そっかよろしくね。」
そうしてギルドに着き、受付のセイラさんに、
「こんにちはセイラさん、今日はどのような事ですか?」
「お待ちしていました、昨日は直ぐに帰られてしまったので、渡せませんでしたがこちらを。」
そうすると大きな袋を取り出した、
その中を見ると大量の金貨があった。
「セイラさん、この金貨は一体?」
少々戸惑いながらで、一体何故こんな大量の金貨が、
「それはお二人に送られるものです。
お二人が山賊たちを捕まえてくれた報酬金です。」
なるほどだからと言ってこんなに多いものなのか?
「あの山賊たちはギルド本部も長年問題視されていた
ものでしたので、こちら1000万ゴールドでございます。」
いくら何でもこんなに多いか?流石に多いな。
そこであることを思い付いた。
「そう言えば、山賊たちが潜伏していた屋敷、
売買してるんですか?」
「いえ、売買はしていませんが、どうするんですか?」
初めて見たとき外見も中々綺麗だったし、
内装もそこそこ綺麗だった。
崩れているところなどを修理すれば十分住める。
「ならその屋敷は私達が貰っても良いですよね?
修理すれば十分住めそうだったので、」
「別に構いませんけど……」
これでようやく住居が確保出来そうだ、
そしてもうひとつ、あることを相談する。
「それとこの部分、報酬金で所有権とか取得出来ますか?」
「えぇ、問題ありません。」
よし!それなら助かる、そうして後は
家具を揃えればよさそうだ。
ならば明日から作業開始だ。
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