8. 最悪の組み合わせ

まさか、妨害系魔法の最上位「干渉不可」が

使えるなんて……厄介極まりないわ。


「さぁ、どうするんだ?」


いきなり打つ手が無くなった。

干渉不可は相手に一切のデバフ効果を与えられなくなる。

拘束や精神支配などが効かなくなるものだ、

探知魔法にも反応しないものである。


拘束などの小細工が通用しなくなった今とる手段は、


「決まってるでしょ!小細工が通用しないなら」


私とラナは同時に突っ込んだ、

あいつの剣と私たちの剣がつばぜり合いが

起こった時に、


「突っ込むのよ!」


そうして弾かれ距離を取られても直ぐに突っ込む

ヒット&ヒットを繰り返していた。

しかし、どうにもらちが明かないので、

賭けに出た。


「こうなったら、崩壊魔法で奴の剣を消すしか…」


ただし崩壊魔法で消せるようになったのは、魔法が

最近やっとだった。無機物を崩壊させるのは

まだなれていない、けれどこの状況を打開できるのは、

これしかない、私は意識を集中させそして突っ込む。


「はああああああああ!」


「無駄だよ!」


軽々と弾かれた、様子を見ると剣は崩壊しなかった、

もう一度気を込めて次も降りおろしたが…


「無駄だっつってんだよ!」


私の鉈は弾かれ遠くで地面に刺さった。

そうして私は反動でのけぞり、一気に戦況が

悪くなった。


「これで………チェックメイトだな」


そうして刃を降り下ろしやられる…………………

とは思わなかった。何故なら、


「な、何だ!?どういうことだ!」


相手が驚いた表情を隠しきれなかった、

何故なら奴の「干渉不可」の影響で

拘束魔法や精神支配などは範囲内では使えない筈なのにも関わらず、ラナの拘束魔法が乗ったワイヤーで

拘束されていたのだ。なら何故拘束魔法が使えているのか、

干渉不可の魔法を解除できる方法だと、

私達なら一つだけ、崩壊魔法だ。


私が魔法などを練習していたとき、

崩壊魔法で色々試していたとき、あることに気がついた、

魔法自体を様々な残留効果を持たせられる事に気がついた、


例えば粒子状にして辺りに振り撒いたりできるらしい、

そうして今回のせた効果は「侵食」

今私の鉈は地面に刺さっている、そして侵食は

刃に接している物に崩壊魔法の効果を持たせることが出来る。本来ならば魔力を送り続けなければならない。

ただし今回は鉈が私の手から離れてしまったので

鉈自体に残っている魔力で広がるので魔法ぐらいしか消せない。


そうして地面に広がりきった崩壊魔法の効果で

干渉不可を解除したのだ。

私は自分の鉈を回収して、笑顔で、


「それじゃあ、少し眠っていて下さいね。」


そうして山賊たちを引っ捕らえた。

何人か逃げたようだが放っておくことにした。

その後屋敷を探索していると、人影が何人か見えた。

とっさに身構えたがよく見ると縄に捕まった

エルフのような人達が数名、


その人たちも救出しギルドに戻った。

ギルドに戻ると、冒険者もセイラさんも驚いた様子だった。

私達は山賊たちと捕まっていたエルフも明け渡した、

ただし一人だけどうしても私達から離れない子がいて。

その子はまるで死んでいるかのような目で、瞳の奥には

怯えの表情をしていた。それなのにどうして

離れないかは謎だ。


仕方ないので連れていくことにした。

宿に戻るとテスラがいて私達を見るなり

泣き出し私達に抱きつき、


「良かった……無事で………本当に良かった……」


その顔を見るなり私には一気に疲れが押し寄せた、

ぐったりしテスラに倒れかかった、

テスラは慌てた様子で、


「る、ルナ!?どうしたの?」


「ごめん………少し…………疲れて………悪いけど…寝る」


その後は完全に意識が無くなった。

しばらくはゆっくりしたいな。

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