7. 殺戮の宴
敵の不意を狙い先制攻撃、
そうして高々と謎宣言、奴等は混乱していたが、
すぐさま一人が刃を向けてきた。
「遅い。」
軽々と弾き返し、太もも辺りを切りつけた、
今回は捕まえてくれ、と言う依頼だ。
依頼の内容はちゃんとする。
「くそっ!何なんだこいつらは!」
そういい放ち他の連中も次々と襲いかかってきた。
しかし、思ったよりこいつらの剣は実に単調だ、
避けやすいし、剣に熱がこもってない。
こんなやつらに負けたのか冒険者達…
と思ったら遠くから殺気が、
すぐに回避行動を取ると、
さっきまでいた所に魔法が飛んできた。
遠くから他の連中が魔法を飛ばしてくる戦術、
その連携もかなり高く、避けながら接近してくる奴を
相手にするのは中々難しい…………が、
避けるのが無理なら消し去れば良い、
「何!?」
相手が驚いた表情をしてきた。
それもそうだろう、私がした行動は魔法を鉈で
切ると言う行動だ。
本来なら魔法を切るなどという思考はない。
何故なら普通に魔法を切ろうとしても、威力負けしてしまう。
そこら辺はすでに実証済みだ。
ならどうやって魔法を切ったのか、
いや正確には切ってはいない。
種は「崩壊魔法」だ。
崩壊魔法は魔力の量に左右されるが、触れたものを
崩壊、形を崩すことができる。
魔法を消そうとすれば魔力そんなに必要はない。
魔法というのは、魔力を原動力として魔法を動かす
と言うものらしい、なので魔力だけを消せば
魔法は簡単には消せるわけだ。
相手は何が起こったのか分からず混乱しているが、
そんなのお構いなしに突撃して、
次々と仕留めている。
なお今回は捕獲が目的なので、私の鉈や、ラナのナイフには、
少しでもかすればすぐに気を失う毒を塗りつけている。
この数週間私達は、魔法やこの世界の植物に
ついて調べていた。お陰で前世より良い道具が揃えられた。
ちなみにラナはと言うと……
「あははははははは!良いわ!もっと!もっと!」
余程久しぶりなせいで自我の制御が効いてない、
所々本気で殺しちゃっているが、結構人数が多いため
少し殺しても良いだろうと言う考えが私の頭をよぎる、
最近欲求不満だったし、私も少しくらい、
「楽しんでも良いかもね♪」
不意に笑みを浮かべたせいなのか、相手の動きが一瞬止まった。
そんなことは構わず私は突っ込んだ。
ハッとした一人が私に魔法を撃ってきたが、
崩壊魔法で意図も容易く消し去った。
そうして私も少し自我を外して次々と相手を仕留めた。
久しぶりに感じるこの快感…肉を切るごとに
全身に伝わる満足感…これが…これが…
「肉を切る喜びなのね~♪」
そうして私は鉈で接近して仕留め、ラナは
ワイヤー付きのナイフで近づかずに仕留めていった。
しばらくは少女二人の殺戮ショーが繰り広げられていた、
一人の人間が来るまでは…
「お前らか、さっきからうちの部下を可愛がってくれてるのは。」
振り向くと、明らかに他の奴等よりごつい姿をして、
それを見たとたん私は悟った。
「あなたがこの山賊の頭ってところかしら?」
「だったらどうするんだ?」
私は笑みを浮かべ、鉈を男の方へ向け、
「私達迷惑しているの、だから…」
そのあとの言葉を放つ前に突っ込み、
刃をおろした。
「くっ!」
私の刃は軽々と受け止められた、それも涼しい顔で、
「だから……どうするんだ?」
男は余裕そうに聞いてきたから答えた。
「大人しく捕まってください♪」
そして一度距離を取った、
何故なら後ろからラナが、
「もらった!」
不意打ちをするために、だが、
「そんな小細工通用するかよ!」
ナイフは避けられラナは吹っ飛ばされた、
一見すると失敗したかに思われそうだが、
吹き飛ばされたラナは器用にワイヤーでナイフを
操作して、
「何!?」
男を拘束した、魔法を使っているからすぐには
抜け出せない、その一瞬の隙を突き私は
鉈を降りおろした。勝った!と思ったが、
いきなり男の足下に魔方陣が現れ、
ラナの拘束が解けた。
「そんな!?……………くっ!」
そうして私とラナは何が起こったのか分からずに
吹っ飛ばされた。
「簡単に捕まると思うなよ。」
感触だけで分かった……こいつは妨害系魔法の
最上位………「干渉不可」が使えるんだ。
こんな厄介な魔法が使えるなんて…最悪ね。
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