10. 屋敷の修理はお手のもの
大方修理をするのに必要な道具を揃えて、
屋敷へと向かった。エルファちゃんも荷物を
持ってくれているので、協力的ではあると思える。
ただ、中々口を開いてくれないので、
まだ打ち明けれてないようだ。なんとかできないものか。
そう思いながら歩いてると屋敷に着いた。
ちなみにここまで色々準備するのに報酬金の
ほとんどを使った。
その大半をあるものを手に入れるために使った。
「それじゃあ、始めましょうか。」
そうして私達は屋敷の周りの木を切り倒していった。
私が報酬金の大半を使って手に入れたのは、
「まさかお姉ちゃん、報酬金を使って土地を買って
材料費浮かせるなんてすごいこと考えるね。」
そう屋敷の周りの土地を買うことによって、
修理をするための木材を調達できる。
まぁ、自給自足のための畑を作るための
土地も欲しかったから、一石二鳥だった。
そうして森から木材を調達して少し加工して
どんどん修理していった。
「……あの……私は…何を………」
木材を加工していると、後ろからエルファちゃんが
聞いてきた。私は少し微笑んで、
「そうね、木材の加工が出来るのであれば、
道具があるから自分でやって壊れている所を
直してくれないかな?」
そう言うとエルファちゃんは無言で始めた、
なんかこう言うの慣れないなぁと思いながら
もくもくと修理をしていき、日がくれそうな頃には、
修理は大半終わっていた。
一旦宿に戻ろうかとしたら、
「あれ?エルファちゃんは?」
ラナがエルファちゃんがいないことに気がつき、
私達は探していると、屋敷の奥で修理していた姿を見つけた、
「ねぇ、もう今日は終わりにしよう。続きは
また明日にしようよ。」
「………いえ……私はまだ……出来ますので…
一晩すれば………終わると………思いま……」
「そんなのダメ!」
私はエルファちゃんの言葉を遮るように言った。
きつく言い過ぎてしまったみたいで少し怯えてしまった。
そして、近寄り優しく頭をなでながら、
「私は別に無理にしろなんて言ってないし
無理をしてほしくない。信用なら無いかもしれないけど
これだけは、無理だけはしないで、分かった?」
私は無理をして何かを成し遂げようとする人を見たくない、それは単なる事故犠牲に過ぎない。
私はそれが一番嫌いだ、だから止める。
エルファちゃんは少し目に涙を浮かべて、
「ありがとう……………ございます………」
そうして私達は宿へ戻った。
余程疲れていたのかエルファちゃんは、
着いた直後に眠ってしまった。
翌日起きたときに、エルファちゃんの姿がなかった。
下に降りたら、エルファちゃんがテスラの
手伝いをしていた。
後からラナがゆらゆら起きてた。
「それでどう?修理は。」
食事をとっているときに、テスラが聞いてきた。
「そうね、あと残っている箇所も
ちょっとした所だから、午前中には終わると思うわ。」
そうして食事をとったあと修理に戻った。
残りは意外にあっという間に終わった、
そうして最後に仕上げとして…
「それじゃあ頼んだわよ、ラナ。」
「オッケー!任せて!」
そうして屋敷内の床に手を置き、
「構築!」
そうラナが言うと、屋敷全体が光に包まれる、
しばらく光に包まれていると修理した箇所が
綺麗に目立たなくなった。
ラナの持っている「構築」は色々なものを作り出せる。
その気になれば土から金を作ることも出来る。
ただし魔力や体力を大量に消費するための
容易にはつかえない。
しかし、もとある物体などに手を加えたり修正が
簡単に出来るの。
そうしてラナの魔法で修正を加えられた屋敷は
まるで新築のように綺麗になった。
「相変わらず私達の魔法はすごいわね。」
「さて、早めに終わったことだし、別の用事を
済ませましょう。」
私達は町に戻るなりあるお店へ向かった。
「…………………?」
着いたお店を見るなり、エルファちゃんが
首を傾げた、何故ならそこは
服屋だった。きっと何故ここに来るのだろうと
思っているに違いない、私は意地悪ぎみに、
「貴女の服を選ぶのよ。」
「…………………!」
自分の服を選ぶとは思っていなかった様子、
自分には服はいらないと言う意思表示として
首をブンブン横に振っている。
そんなことを気にせず、私達は服を選んだ。
しばらくはエルファちゃんを着せ替え人形のように
色んな服を着せた。
大分気疲れした様子でいたので、
「いい加減に諦めて欲しいと思った服見つけてきたら?
かわいくした方が良いよ。」
しばらく考えたようだが、腹を決めて服を探し始めた、
少したった後にエルファちゃんが服を持ってきた。
「これがいいの?」
少し間はあったが、
「これが…………良いです……」
エルファちゃんが選んだのはメイド服に近いものだった。
その後、私達が選んだ服もいくつか買って行った。
私達が選んだのはほとんど趣味だったが、
まぁ良いだろう。
その後は、家具や道具、植物の種等を買い漁った。
屋敷に戻り家具など置いたりした、
種は自給自足のために買っておいた。
「ふあぁ~、眠い……今日はもう寝ましょう。
エルファちゃんも好きな部屋で寝ていいからね。」
そうして私達は同じ部屋で、エルファちゃんは
隣の部屋で寝ることにしたらしい。
その日も私は直ぐに寝静まった。
コンコンッ
翌日、朦朧とする意識のなかで聞こえる
ドアのノック音、
「ふぁ~い……どうぞ……」
「し、失礼します!」
そうして入ってきた人物は、
「……エルファ………ちゃん……?」
そこにいたのは、エルファちゃんのようだが
何かが違うようだった。
まだ眠気があるからかもしれないが、
顔はエルファちゃんだった。
「えっと……お茶をお持ちしました。ルナお嬢様。」
そのエルファちゃんの姿は昨日買った服を着て
いかにもメイドって感じだった。
一体何がどうなっているんだろうか?
殺人姉妹ののんびりほのぼの異世界生活 @RUSIN
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