5. 偶然が重なり嵐がふく

泊まるはずだった宿が満室だったときは、

どうなることかと思ったけど、

まさかこんな偶然が起きるなんて、


「私の名前はテスラ、同い年だったのねよろしく。

うちの宿はそれなりに良くはしているのだけれど

道がいり組んでたりして、あんまり知られてなくて。」


確かに歩いていると、結構道が要り組んでたりした

これ案内無しじゃ迷うレベルに、

そうしてようやくたどり着いたそこは、外見はそこそこ良い。

中にはいると、そこそこ人はいた。

内装もそれなりに良かった。


「お母さん~!お客さんだよ。」


すると奥から女将さんが出てきて…て見覚えのある顔が、


「あらお二人は、まぁまぁようこそ。

娘の件は本当にありがとうございました。」


「あれ?お母さん知ってたの?」


「このお二人がサーヤを助けてくれたのよ。」


するとテスラは驚いた顔で、


「二人が妹を助けてくれたの?ありがとう。」


驚いているのは私達の方だった。

まさかこんなに偶然が重なるなんて、

たまたま出会った子の親が宿を経営していて、

その経営している親が依頼主だったこと、

重なりすぎて逆に怖い、まさか…あの天使の娘の

仕業…そんなことないか。


とにかく私達はここに泊まらせてくれた、

ただ食事とかが若干豪華だったような、

とりあえず、今日は疲れたからもうツッコまないことにした。

それ以外でも部屋とかは良かった。


その日は余程疲れたのか、ラナはベットに入った途端

グッスリ寝静まった。

私はと言うと、何故か眠れなかった。

ラナと同じくらい疲れているはずなのに、

全然眠れなかった。


仕方なく宿のロビーで夜風に当たりにいこうとすると、

テスラがロビーで座っていた。


「テスラ?」


「あれ?ルナ?まだ起きてたの?」


「それはあなたも言えるんじゃなくて?」


そう言うと図星ねって言う感じで微笑して、


「私は宿の手伝いで寝るのが遅くなるのは多いんだけど、

今日は何故か眠くなくてね。ラナも?」


「そんな感じね、それにしても驚いたわ、

まさかテスラがサーヤのお姉ちゃんだったなんて。」


自分でも分かるくらい、今日の私は声が弾んでいた。

こんなことは、ラナと話す時振りだ、

自分と同い年の子と話すことがそんなに無かったからだろうか。


「私に似てなくてね、わんぱくで困ってるの。」


そうしてテスラは苦笑いした。


「そうね、でもテスラも少しは行動とか起こさないと、

いい人とか見つけられないよ。」


と半分意地悪ぎみに言って微笑んだ。

テスラはムッとして、


「感じ悪ーい、ルナの妹はどうなのよ、

たしか…ラナちゃんだっけ?」


「まぁ、ラナもサーヤとあんまり変わらないから、

テスラの気持ちも分かるわ。」


ラナは悪い子ではない、ただちょっと突っ走りすぎる

部分がある、そこら辺に苦労がある。


「お互いに似たような妹がいると、苦労するね」


そうしてその晩は二人で語り明かした、

翌日私は、寝不足で頭が働かなかった。


しばらく私達は、テスラの宿を拠点にして

この町で生活していた、時々宿の手伝いなどをしたり

女将さんは大丈夫だと言ってくれているが、

そうは言ってもしばらくは泊めてもらうのだから、

これくらいはしないといけない、


そうして所持金が心もとない時は、依頼をこなしたり、

モンスターを倒したりしてしばらくはそんな

生活を続けていたが、数週間後ある問題が出た。


「不味い…お金が少ない。」


最近は依頼があんまりなかった、

しかも、周りのモンスターを倒して稼ぐにも、

道具やら、宿代やらであんまり残らない。


どうしたものかと思いながらギルドに行き、

依頼を確認しようとギルドに入ると、

何故かギルドには負傷した冒険者達が多かった。


セイラさんが手当てにあたっているとき、

私たちに気づき、


「お待ちしていました、ルナさん、ラナさん、

お二人に頼みたいことがあります!」


顔からしてただ事じゃないような…

前にもこんなことがあったような…

どうしてこう言うことに巻き込まれるのか、

私達の、のんびりスローライフはいつくるのか?

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