4. 初めての依頼?(報酬は貰ってないけど)
「お願いです!うちの娘を助けてください!」
ギルドに入ってきた女性は、セイラさんに
そういってきた。
顔も真っ青で、明らかにただ事ではないようだ。
セイラさんは、
「落ち着いてください。まずは一体
何があったのか教えてください。」
女性は少し息を整えて、
「うちの娘が、少し野原を散歩していて、
少し目を離した途端、いなくなっていて
しばらく探したら、ゴーグの森の入り口に、
娘の髪飾りが・・・」
「ゴーグの森ですって!?」
ゴーグの森と言う単語を聞いた途端、
セイラさんの顔色も悪くなっていた。
気になって私は聞いてみた。
「ゴーグの森って何ですか?」
「このあたりにある森の事で、
そこにはゴブリンが大量に住み着いているらしく、
この町では立ち入ってはいけない場所です。」
ゴブリンは単体では、それほど強くも無いのだが、
仲間との連携がうまく団体でこられると
並の冒険者でも、やられてしまうと言う。
「お願いします、今すぐ娘を助けてください!」
「しかし、ゴーグの森に入るとなると、それなりの
パーティーを組まないと行けません。
その準備に少なくとも、10分はかかります。」
「そんな、どうにか今すぐに・・・」
そんなやり取りを見ている私は、
とある気持ちが渦巻いていた。
前世でも感じることはなかった感情を、
そうして私は、
「ちなみに、そのゴーグの森はどこにありますか?」
「この町の東側に位置していますが・・」
「分かりました、ありがとうございます。」
「ち、ちょっと、どこにいくんですか?」
私はセイラさんと女性に向かって、
いたずらぎみに微笑んで、
「少し、散歩に」
そうして私はギルドを後にした、
後ろでラナが、
「お姉ちゃん、一体どうするつもり?」
「さあね。」
そうして、私達はゴーグの森に着いた。
森に入るな否や、ゴブリンに襲われると言う。
しかし、意図も容易く撃退し、
どんどん森の奥に進んでいく。
一見適当に歩いてるように見えるが、
実際には生命探知と言う魔法を使いながら
進んでいた、すると、
「お姉ちゃん。」
「えぇ、この洞窟から人の反応があるわね、
ここかしら?」
生命探知はある程度近づけば、魂の種類が
分かるものである。
そうして私達は、人の反応があった洞窟を
進んでいった。
途中ゴブリンに遭遇していたが、明らかに
遭遇率がこちらの方が多かった。
ここがゴブリンの拠点のようなものだと
分かった。しばらくは一本道が続いたが、
「お姉ちゃん、そろそろ抜けるよ。」
そこはゴブリンの溜まり場とも言えるような光景だった。
あり得ない数のゴブリンたちが、酒や食べ物を
ほうばっていたりした。
その中で一際サイズのデカイゴブリンがいた。
恐らくあいつがこいつらのボスだろう、
その傍らには、小さな少女が捕まっていた。
どう攻めるか考えてラナと話そうかと思ったら
いつの間にか隣にいなくなっていて、
「はぁ~い♪ゴブリンの皆さん♪」
あ、駄目だ・・・あれ完全にスイッチ入っちゃた目だ
駄目なパティーンだ・・・・
このまま全部任せようかな、
そう思いながら眺めていたら、
あっさり雑魚は片付いた、ちなみに
どんなやり方をしたのかは言えない。
そうしてゴブリンのボスに、
少女を返して貰うように
優しくやさ~しく♪実力行使と言うなのお願いをしました。
そうして町に戻り、少女は母親の女性へ帰しました。
母親は安心した様子で、
「ありがとうございます。あの、お礼はどうすれば」
「お礼はいりませんよ、私達はたまたま
助け出しただけなんですから。ただし、
これからは目を離さないようにしてくださいね。」
そう言い、私達は今日泊まろうとした宿へ向かった
宿へ向かう途中、ラナが、
「珍しいね、お姉ちゃんがあんなことするなんて。」
「別に、ただ暇だっただけだから。」
けど、たまにはこう言うのも良いかなと
思いながら向かっていった。
・・・・・・・・が、
「申し訳ありません、本日は満室でして。」
マジか・・・・まさか満室だったとは、
不味い、今日の泊まる所がない、
この調子だと、他も満室だろう、どうすれば・・
そんなことを考えつつ、大通りを
ぶらぶらしていると、
「あの、どうかされましたか?」
声をかけられたらしく、後ろを見ると
昼間に道を教えてくれた、少女だった。
泊まる場所に困っていることを話したら。
「それでしたら、私の所に来ませんか?
うちも宿をやっているので。」
神だ・・・と思いながらお言葉に甘えることに、
泊まる所があってよかった。
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