第7話 魔王

自らのことを「魔王」と名乗ったその男は、

「お前かぁ、王国最強の魔導師ってのは。どうだ、俺と戦ってみねぇか?」

私にこんなことを言ってきた。私は、ただの腕試しだと思ったので、断ろうとした。しかし、男が続けようとした言葉は、意外なものだった。

「ひひっ、知ってるぜ。お前、『最強』になりたいんだってな。なら、いまんとこ最強の俺を倒せばお前の望む『最強』になれるぜ。」

私は、その勝負を受けることにした。

私は、この男と戦って、この男が言っていることが嘘ではないと知った。

この男は、今まで私が出会った中で二番目に強かった。

私とこの男の戦いは三日三晩に及んだ。山が二つ消え、谷が三つ吹き飛び、丘が四つ消し飛んだ。

そして、勝敗は決まった。

なんのことはない、私が少しだけこの男より強かったということだ。

だが、この男は私が思いもよらなかった方法で、この結果を歪めてしまおうとした。

この男は、時間を操る禁呪を使った。

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