第3話 抗うもの
「何か」は、焦っていた。
早く、早くあの少女を殺さなければ!
そうしなければ、「あいつ」が来る!
「何か」は、記憶を失っていた。
「何か」が覚えているのはただ一つ。
あの少女を殺さなければいけない。
そうしなければ、自分が死ぬ。
あいつに殺される!
そして、「何か」は見つけた。
花畑で無邪気に遊ぶ少女の姿を。
自分が殺さなければいけない相手のことを。
「何か」は、剣を構えて少女に突き刺そうとした。
少女は、ただぼうっと見ていた。
自分の目の前に迫ってくる刃を。
その先にある自分の「死」を。
少女は、死ぬということに対して何も感じなかった。
――ただ、誰かの声が聞こえた。
刃が少女に突き刺さる寸前、誰かが少女と刃の間に割り込んだ。
それは、少女の死を認めないものだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます