涼宮ハルヒシリーズはその人気に比例した形で膨大な数の二次創作物が存在しますが、その中で一、二を争う名作であるこの「涼宮ハルヒの微笑」。その完成度はこの作品の作者を偽称する者が出たり、ボイスドラマ(三次創作)が作られたりするほど。考えられません。
この作品発表当時までの原作の伏線を余すところなく回収し、ラストまで着実に、かつ動きをもたせて進めていく様は圧巻です。やはりこのレベルとなると原作への相当な「愛」がないと辿り着けないと思われます。尊敬します。
涼宮ハルヒシリーズのファンは必見ですし、原作未見の方もわざわざ原作を読んででもこの作品を見る価値はあります。
涼宮ハルヒシリーズは完結しておらず、だからこそどっぷりハマれる感じもします。続きが未知の世界だから。
それを文字で表すエネルギーは相当のものだったはずです。敬意を表します。
原作涼宮ハルヒシリーズには未回収の伏線や謎が多数あり、これがいまだに多くの読者がシリーズ復活を望む理由となっています。
ハルヒ二次作品の中で至高の名作と誉れ高いこの作品、伏線回収とエンディングのまとめ方には往年のファンはもちろん未読の読者もニヤリとすることでしょう。(予め、原作シリーズの再読を推奨)
旧作を某所からダウンロードして時折読み返していますが、今作は旧作対比して読みやすさが増加し、全般的にブラッシュアップされています。
が、あえて作者様は今風の文体に修正することもなく、意図的に若書きのところも若干残されているように見受けられます。
その年齢、時代だから書ける内容がある。そこのところを作者様はよくわかっておられるのだな、と感心するところしきりです。
作品を未読の方には伝えられないこともあり隔靴掻痒ですが、この小説にはライトノベルの魂がある。少年の夢をパンパンに詰め込んで、読者をひっつかんで突っ走ります。
この疾走感がたまらない。それにしてもキョンはかっこよすぎ、モテすぎ……そこがまたいい。
原作のあらゆる伏線がバッサバッサと快刀乱麻のごとく解けていく。読みながら「ああ、それもありだな」と思わせるところはさすが。
ハルヒファンには全力でおすすめです。