17翽▶再演
















その昔のこと。

さいしょのドールとニンゲンはしあわせにくらしていた。

小鳥遊バイオテクノロジーがうみだしたドールという新しい道具は、ヒトの暮らしを豊かにした。どうやって作っているのか詳しくはわからない、製造方法がトップシークレットとされたその道具達には、心がなかった。極稀に心をもったまま世に出るドール達もいたが、そういったドールは心があるとわかり次第不良品として破棄される。

先進国のニンゲンひとりにつき、一体はドールを持っているような、そんな世の中。

持ち主が成長を望めば大人の男の姿になり、持ち主が成長を拒めば愛らしい子供の姿のまま。つくりもので、美しいドール達の中でもより美しいドールを傍にはべらせることが流行となり、ドールとは最早アクセサリーのようなもので、一種のステータスのような扱いとなった。

ニンゲンがやらなくてもいいことは全てドールがやった。疲労を訴えず、残飯を与えればエネルギーはそれで十分。ニンゲンと同じ体躯、能力で従順な上、人件費は不要。ニンゲンの暮らしはあっという間に豊かになった。


ニンゲンがやらなくてもいいことは、全てドールが。


戦争が始まると、戦争にドールが使われるようになるのもすぐだった。

ドールを作る時に出る“ 副産物 ”としてドール自身に付与される特殊能力、アビリティがあったが、今まで世に出回っていたそれは、後に第1期、第2期と呼ばれる攻撃性の低いものばかり。

小鳥遊バイオテクノロジーは、戦争が始まり戦場に迎えるドールの需要が高まったことを受け、ドールのアビリティを操作。第3期、第4期、第5期と呼ばれるドールが登場した。

これはあくまでも、ドール同士を使った戦争の話。西の国と東の国がドールの軍同士を戦わせ、勝った方の国に軍杯が上がる。人命が失われることはほとんど無い。ニンゲン達は人民から死者を出さずに済むと理解した途端、戦争や土地の奪取に積極的になっていった。

勿論ニンゲンの死者がゼロという訳ではなく、戦士としての死者はなくとも、戦火に巻き添えられての死者はあり、その流れで戦争孤児はあっという間に増える。そしてその孤児は小鳥遊バイオテクノロジーによってドールへと変えられ、戦争へ。

そうして戦争は激化し、ドール同士の戦争だけでは飽き足らなくなったのか、次にニンゲンたちが求めたものは確たる制圧能力。


戦争用ドール。


今までニンゲンへの攻撃を許可されていなかったドール達だったが、彼等だけは特別だった。西の大国が大金を叩いて小鳥遊バイオテクノロジーに作らせた30体の特別なドール。

今までのドール達に付与されていたアビリティとは比べ物にならない性能を持ったドール達。第5期ドール2体を軸に作られた、人を殺す為の群れ。



「俺は最後に造られた」



調整が完了した28体のドールの統率を取るために用意された、29番目に完成した01番。

兵士として動けるドールとして訓練されていた時、誤って実験室に入ったニンゲンを、研究の第一人者を、テストプレイ中だったドール達は殺してしまった。室内の生き物を全て殺すよう命令を受けての実験だったから、ニンゲンだってその対象だ。幸いだったのは、トドメをさしたのは自分だったから、自分以外の仲間達がひと殺しにならなかったことくらいだろうとそう零す。

青い目はどこか遠くを見ていた。



「ドールが死んだらどこ行くか知ってるか?ヴォルガ」



その目よりも青い鎖の主であるヴォルガには理解し難いのだろう、師の話は到底理解できないとでも言うように首を横に振って怪訝な顔をしてみせる。



「マザーのところに行くんだ」



鳥は、うまれてはじめて見た動くものを母親だと思い込む。ドールもそうだった。

根本的な部分においては、絶対とされていたはずのニンゲンよりも重視されやすかった“ マザー ”。よく知りもしない他種のいきものと、母だと刷り込まれているもののどちらの命令を優先するだろう?ホルホルたちの読んでいたファイルにおいて、コアを複数個得たドールがニンゲンよりもマザーを優先するようになったのは、これこそが原因だった。コアを複数個有することによって絶対性が揺らぎ、その個体が従った方がいいと判断した方を優先するようになったから。ニンゲンはこれを“ 反抗期 ”と呼んだ。



「俺達が死んだらバックアップのデータがマザーんところに行く」



絶命信号。

ドールの運用において、最もニンゲンが欲しがったものはドールに関するさらに詳しい情報だった。ドールが死んだ時、そのドールが得ていた全ての情報、即ち人生の記録が全てマザーの元へ送られ、バックアップが形成される。そのバックアップを元にまたコアを作り出し、黄金へ核として挿入しては作り直す。バックアップをベースとした新形成であるのだから、前回と全く同じになるとは言いきれないのがネックだった。けれどもそれが目的でもあったから。


例えば、雷を落とすアビリティを付与したドールを作りたい。

ニンゲンと適当な鳥を黄金に変え、コアの形成時、三原則、雷に関する情報、情動神経回路のアンチシステムを付与してAというドールを作ったが、そのドールのアビリティは指先にほんの少し電流が流れるだけだった。望みのアビリティではない。

望みのアビリティでなければ壊し、バックアップを取って、そのAのバックアップデータをベースにBを作り直す。酷似した容姿にこそなるが、作り直される内に造形からニンゲンらしさは失われ、つくりものらしく、どんどんと整った顔立ちに変わっていく。

作り直したドールのアビリティが納得いかなければまた壊してバックアップを。そのバックアップをベースにまた作り、納得いかなければまたバックアップを____大量生産のドール達はともかく、戦争用ドール達はこれを何度も何度も繰り返された。



「俺はリュンヌが死んだあとな、バックアップのデータ、思い出したんだ」


「……ではそれを思い出していなかったら外を目指さなかったんですか」


「いや?それはないな、俺が外に出たいのはいくつか目的が混じってるから、思い出さなくても結局外は目指してた」



そうですか。憎々しげな声に、クレイルがからから、乾いていながらも木管楽器が弾むみたいな明るさをもった調べで笑って見せた。



「もう居ないやつに縛られるなって、ヴォルガ、言ったよな」



それ、ドール全員のことも言うんじゃないか?

ここに来てようやっと、あからさまな不快感を訴える表情を出したクレイルに、ほんの少しだけ驚いた。幼い頃から共に居たけれど、怒った顔だったり、本気で何かを蔑むような師匠の表情を見たことがなかったから。



「もういないニンゲンに、こんな、籠の中に閉じ込められてうんざりなんだよ」



外を望みたい。されど、それこそが本望なのではない。ニンゲンの呪縛からドールという存在そのものが解き放たれることこそ、この命を費やしてでも、また次に作り直されるだろう自分に委ねてでも成し遂げたい本懐だった。

みしり、足元の金網が微かに悲鳴を上げる音。ドールの体重は、動物でいうなれば筋肉質と称するべきだろう程に黄金の密度が高い鳥の翼のパーツのせいもあって、ニンゲンよりもかなり重い。その上ヴォルガは改造ドールだ、アイアン程ではないにしろ、他のドールよりも遥かに重量がある。

金網に開いた穴の上でクレイルの首元からこの手を離してしまえば、後は自分がこの場を離れて。それだけで、それで全て済んでしまうのだから。

下から吹き上げる風に全てを急かされているようで、酷く居心地が悪かった。



「どうしてそれを私に話すんです?」



貴方の番を殺した私に。

12年前、ヴォルガはここ、浄化扇の真下でアビリティを発現させた。その時にはもう空を飛べない身体になっていたから、愛した親鳥に我儘を言って、ヴォルガの知る内一番大きな機械を見に行きたいと抱き上げてもらってのことだった。

高度700メートル近い高さから、飛行能力を失って落ちたドールの末路なんてわかりきっていることだ。幸か不幸か、ヴォルガは、下に親鳥という名のクッションがあったから生きていたけれども。

一瞬キョトンとした後にクレイルが、わっと、子供が耐えていたものを吹き出したみたいな笑い方で笑いだす。そっか、そっかと笑って、それから尾羽を大きく大きくぐるりとまわした。

ヴォルガはクレイルの番を殺した。恨まれて当然だと言うのに、同情か何故かはわからなかったがクレイルはヴォルガを罰したり責めたりだなんてしなかった。そしてその、罰されなかったという事実がヴォルガにとって何よりの重荷になって仕方なかった。あんなに仲のいい二体のドールを引き裂いて、残された方はすっかりめくらになってしまって。

お師匠様は私を見ていない。罰さなかったことこそその証拠。そも、片割れが死んだとすら思っていなかったのだと、あの後の振る舞いでなんともなしに思っていた。



「お前から見て、俺とリュンヌは仲良しの番だったか?」



嬉しそうな顔をするその人に、黙ってこくりと頷いた。みしり、足元が軋む。

革命派の通過点的な目的でもあった大型の機械__レーダーの母機が僅かに下に沈んだ。金網の上でチカチカ、赤いランプが光っている。



「そっか。ヴォルガにとってそれは……なんだろ、思い描く家族そのものだったか?」



ヴォルガの家族観念の理想絵図は、確かにクレイルとリュンヌと自分のそれだった。そちらにも頷く。それから、頷いて俯いたままに言葉を続けて。



「過去の事です」



そっか、そっか。にこにこ、照れくさそうに笑うクレイル。大きくなったなぁ、青い瞳に伏せられたヴォルガの緑がまじって、底のない沼のように色味を増した。



「じゃあ、大人になったヴォルガにネタばらしだ」



本当は。


ぎちり、ばきん。

金網が形を崩す音。

薄氷うすらいの上に丁寧に丁寧に飾られていたしあわせが落っこちるみたいに、ヴォルガとクレイルの足元が二人の支えとなるのをやめてしまった。手を離せばよかったのに、手を離すだけで全部自分の望んだ最後にできるはずだったのに、こどもはその手を離せなかった。身体が後ろに傾いて、ぶわり、吹き上げてきた風が長く伸ばした髪をかきあげる。

親鳥の片割れがもう片割れを光にせんと刻んでいた紋様を真似る見たく、ヴォルガが額に刻んでいた青い灯火が再び火を灯した。



「俺、リュンヌがいなくなってくれてよかったって思ってるんだ」



物語だとか演劇なんかではありきたりな、助けてくれてありがとうと、自分を救ったヒーローに礼を告げるこどもみたく笑ったクレイルの背後、ヴォルガの世界が過去をなぞるようにひっくり返った。


どうして?仲がよかったでしょう。

ヴォルガの前でだけ。


私の知らない言語でふたりだけの話をしていたでしょう。

あんなに見苦しいやりとりはこどもに聞かせるものじゃない。


ヴォルガの記憶にあった、ヴォルガが壊した幸せな家族像は、彼のためにクレイルがつくったものだった。

ごうごう唸る風の中、師が自分に贈ってくれた、飾り羽を模したデザインのリボンが宙でほどけて置き去りにされる。

クレイルにとってニンゲンは、ドールを道具だと認識しているようなニンゲンに近しい思想のドールは、彼の楽園に、ドール達の未来に邪魔なものでしかなかったから。ヴォルガが一体のドールとしてしあわせな未来を掴むのに、ヴォルガが愛する愛し合う親鳥達の存在が必要だと思ったからそうしたまで。

いずれにせよ、あの時ヴォルガが事故でそのドールを殺さなかったとしても、ヴォルガが巣立つと共にクレイルとソレの共存関係はどんな形であれ終了していたに違いなかった。

ドールの自由を奪って、もっと奪う為に俺にこんなアビリティを寄越したニンゲンなんか大嫌いだ。そして、目の前のドールよりももういないニンゲンを愛していたドールも。


ごうごうと耳元を殴るように上へ流れていく空気の中、すぐに手を離す様子のないヴォルガにクレイルが手を離すよう声をかけた。風の音で諭された当の本人には何も聞こえなかったが、何を言われたのかはなんともなしに理解する。地面と衝突するまで十数秒もないだろう時間の中、はやく手を離さなければヴォルガの身だって危うかった。

師の身体に巻きついた青い鎖が風に流れて上へ、上へ、ヴォルガのどうしようもない困惑とめちゃくちゃな感情に比例して大きくなったそれは、一直線に落ちる青い星のよう。ここで手を離せばヴォルガは助かるだろう、あの時とは違ってブーツがあるのだから、この手を離して、ブーツを使って速度を落としながら着地すればいいだけのこと。

ではこの人は。ヴォルガはあの赤い鳥が犯した罪を知っていて、この人もそれを知っていてそれを容認し、あまつさえ赤い鳥の死後も外の世界を目指すという文句でその意志を継いでいるものだとばかり思っていた。だかろこそクレイルの命を絶つことを重要な経過点に置いていた。でも、この人が赤い鳥の事を愛していなかったと言うなら。そもそも、この人が赤い鳥の犯した罪を知らなかったとしたら。

ヴォルガの復讐が完全な仮想敵相手だったと言うのなら、目の前のこの人は死ななくたっていいんじゃないだろうか。

迷うのも一瞬、師は追随を許さない。



「お前ができないなら、手本を見せてやるのが師匠のつとめってもんだろ」



生き延び方ってやつの手本。

仕方ないな、なんて、昔に笑って見せた顔と全く同じような表情で笑ったクレイルが、思いっきりヴォルガの腹を蹴り飛ばした。

重力も滅茶苦茶になる感覚、ブレる視界、腹部に走った強い衝撃。



「愛してるよ、俺の雛鳥」



鳥籠上空、高度、おおよそ200から100メートル地点で、一直線に落ちるばかりだったヴォルガの軌道はずれて、淡く光を孕んだ水面の方へとその身は遠くへ放られた。

見開いた目も、胸の内にあった疑心も、全部沈んで消えてしまう。

十二年前と対して変わらぬ別れだった。







ヴォルガという雛鳥と自分の話は、きっとここまで。

もうとっくにほとんど日の暮れた鳥籠の中、残り一秒も無いような状況。死ぬ気はなかった、何が何でも外へ出て、ドールに本当の自由があるこれからの世界をつくる工程はまだ終わっていないから。

コアさえ残ればいい。ボディのことは考えない、とにかくコアを守ることだけを考えて、翼をぐっと大きく開く。

どんな速度から、どんな角度からでも思った方向へこの身を導く得意技。あんな高さから落ちて無傷なんて不可能だ、自分を消耗品のように扱うのだって嫌いだったが、つべこべ言ってはいられない。この際、ボディはどうでもいい。

コアだけでも。

身を切るような術で衝突の勢いを殺そうとしたクレイルの視界、モノクロカラーの左の翼を彼に捧げた雛鳥が、泣いて駆け寄ってくるのだけがよく見えた。











​───────​───────










足元に広がる黄金を、汚いものでも避けるみたいに道を行く。

北の大通りはがらんどうだ、ひとの影なぞどこにもない。立て続けに起こった異変から身を守るため、大通りに店を構えていたりしたはずのドール達は燕の街だとかにとっくのとうに避難している。それに、時刻は夕暮れも近い頃。いい子はおうちに帰る時間だ。だがまあ、ルァンはいい子ではないから、問題ない。



「馬鹿ばっかり……これだからドールは嫌いなんだ」



落下の衝撃を左腕からの衝撃吸収動作で殺そうとしたクレイルが、何を思ったか突然身体のバランスを崩したのをルァンは見ていた。恐らく、自分の身体はどうなってもいいという考えが、シリルが駆け寄ってきていたのを見て着地直前で揺らいだからだろう。

“ 代替 ”の能力は非常に優秀で、クレイルの傷をほとんど全てシリルが請け負うことになる。それは、死も全てシリルに預けるようなものと言えるだ。どうせ2割程度に軽減されてからシリルに移されるのだから、気にしなくたって構いやしないのに、なんて冷めた瞳でぐちゃぐちゃのそれを見下ろす。

シリルが深く傷付くのを避ける為に、自身のボディのもなるべく守る方向へ急に転換しようとした。だから、失敗した。自分ならそんな真似はしない、喜んで自分のために怪我も死も請け負ってくれるという便利な道具シリルが手元にあるなら最大限利用すべき。そうは思わないだろうか?

左上半身が崩れて、直したばかりの首もとれて、めちゃくちゃになっているシリルを見下ろした。クレイルの首に行った衝撃を自身に移したときに首が取れて、中途半端な身代わりで終わってしまったのだろう。シリルの身体で滅茶苦茶になった部分が無事なクレイルの身体は、逆にシリルの身体で無事だった箇所が全部滅茶苦茶になっている。



「本当、君が羨ましいよクレイル」



こんなに慕われて、便利な雛鳥を思うがままに扱えるというのだから。ただ、クレイルはうまくその道具を使わなかった。そんなの宝の持ち腐れだろうなんて思いながら、ルァンがオレンジの髪のよく目立つジャンクドールに近付いて。

シリルが庇おうとしたことによって、あの鳥は着地を最悪な形に失敗させてしまったが、同時にシリルが庇ったことによってコアそのものは守られた。間一髪といったところだろう、しゃがみこみ、むき出しになった白い真珠のようなものを、爪紅であでやかに彩られた指先が救い上げる。

ルァンはドールが大嫌いだった。

他個体の、ドールのコアを体内に取り込むなんておぞましくって仕方がないが、こればっかりは自分のためにあるようなものだから仕方ないとその丸い白を飲み込んだ。


クレイルの設計アビリティ、“ 司隷しれい ”。

自身よりも処理能力の低い個体を中心に、意識下の機械を強化・操作するといったもの。ニンゲンの代わりに道具の統率をとるべく作られた、言わばリモートコントローラーの役割を果たす第5期ドールのアビリティ。

他個体と共にいなければ、確かに意味の無いものだ。


他のドールを思いのままに操作する。

ルァンの追い求めていたものそのものだった。

というのもこれを知ったのは偶然で、余りの内容に驚き、ホルホルだとかにはばれないようアジトの衆目から隠してこっそり私物化した戦争用ドールの設計書からわかったこと。

ルァンがセンセイをするのは、自分の手先となる愚かなドールを育てるためで、そこに愛なんて一ミリたりとも存在はしなかった。



「…………手が汚れるのは嫌いだけど、しかたないね」



シリルのアビリティは有用だが、自分が持っていたのでは意味がない。

シリルだけは修理しよう。幸い、材料はここにある。

クレイルのジャンクの黄金から、必要な分だけをとって、それ以外は万が一、コアがない事もわからないように処分した。


ルァンのアビリティ、“ 墨染 ”。

くちづけたドールの翼を真っ黒に染め上げて、それから暴走状態に陥らせるといったもの。飛行可能なドールも不可能なドールも、ジャンクも、そうでないドールも関係ない。一定時間、全てのドールから自由を奪うそのアビリティは、ふつうにくらえば一溜りもないのだから、誰もが避けたい贈り物。


誰よりドールへの自由を望み、誰より空を自在に駆けた鳥の亡骸が、誰よりドールの自由を嫌い、憎んだ相手から空を奪って嘲笑っていた鳥の口付けで殺される。

ルァンがこうしてドールの生きた証を消したのは、とうとう二度目のことだった。





















​───────​───────













道具には正しい使い方というものがある。

そしてその使い方を理解していれば、基本的にアクションを起こす人物に無駄な労力は必要ない。その無駄な労力を省く為にうまれたものこそが道具だからだ。手元にテレビのリモコンがあって、テレビのチャンネルを変えたいと思っているならば、テレビに向かってリモコンのボタンを押せばチャンネルが変わる。使い方がわかっていて、かつそれが可能な状況であるなら皆そうする。

まさか、リモコンの角でテレビの側面にあるボタンを押しに行ったりはしないだろう。

道具にはそれぞれの役割があって、それぞれ正しい使い方がある。


今のドール達はどうだろうか。


アビリティは中途半端な状態で制限をかけられ、凡そ道具とは言い難いような“ 暮らし ”を営んでいる。ニンゲンが、使い手の居なくなった道具達は正しい在り方を忘れてしまったのだとレヴォはよく回る口でそう語った。



「ねぇ、デライア」



妙な悪寒も忘れて、きらきらと光の散る幻想的な風景にぼうっとしていたデライアの意識がぐんと引き戻される。腕の内のロウが、植物園の中をふわふわと飛ぶ光の玉に気を取られて身じろいだのがよくわかった。光の玉はアルクのものだ、淡く虹色を孕んだその球にロウがふうっと息をふきかけて、遠く、遠くへ飛ばしてしまった。

意識の範囲外へ己の能力の一部が飛んでいってしまうのは困るから、アルクがそうっとそれを引き戻したけれど。



「ちょっと席を外してくれる?」


「い、いいけど……どこに……?」



あっち。指先が指し示した方向は、先程入ってきた通路の方。わかった、と渋々ロウを清潔な床に下ろして踵を返す。



「いい子で待ってたら素敵なお知らせをあげるね」



君にとってこの上なくいい話だと思うよ、たとえば、君の一等星のこととか。ゆったり、緩い言葉に身体が凍る。


かつて一体の弱いドールがいた。

“ 心 ”の育成に不適切な環境で幼少期を過ごした為に翼の発育が滞り、飛行能力を失ってしまった小さなドール。優しくて、愛らしかったけれど、それ以上に酷く臆病であったから、いつも他のドール達のストレス発散の__いじめの的にされていた可哀想な小さな雛鳥。

誰かが言った。

鳥籠が滅ぶのはデライアのような役立たずがいるからだと。

とんでもない大嘘だった。飛躍しすぎていて相手をするのも馬鹿馬鹿しい、子供の戯言。されどそれは、デライアという人格が確固たるものになる前だった柔らかな雛の心に深深と大きな傷を残す。

僕がいるから鳥籠は。僕なんか。そっか。

諦めにも似た感情が雛の心をゆるりゆるりと殺す中、その一等星が現れたのは、よく晴れて青い空の美しい日だったことをよく覚えている。彼はもう、覚えていないけれど。

スズモというドールはデライアの光その物だった。

鳥籠という狭く息苦しい、誰もが心のどこかで何かを諦めている、そんな世界の中で、デライアにとってスズモの存在は一筋の眩い光に他ならなかった。彼のように翼を広げることはできねども、ホバリング程度ならば彼とそのマネージャーの手伝いがあって成せるようになったのだ。

地に足付けぬ様でふわりと薫る風を受ける体験は、デライアの心の傷を癒す手伝いをしてくれた。

中途半端に癒された傷が、今一度抉られたその時が最も恐ろしい。

スズモとほんの少し離れた時の事。スズモと行動を共にするようになってから暫く会っていなかったはずの、デライアをいじめていたドール達と再び合間見えたその日。

スズモはデライアを守ってくれたが、二人の間に生まれた僅かなヒビは、あっという間に深い溝になってしまった。とはいえ、ヒビを作ったのも、溝をうんでしまったのも自分自身だと深く悔いる。自分の存在がスズモの枷になると強く思い込んだデライアは、彼の目の前で身を投げた。酷な事をしたと思う。時が経ってようやっと、自身のしたことの愚かさにぎゅうぎゅうと首を締められているのだ。

勿論スズモはデライアを、目の前で傷つくドールを放っておく様な性分なはずもなく、彼はデライアを庇って落ちて、そのまま頭パーツをぐちゃぐちゃの金塊に変えてしまった。たまたま、パーツの損傷に強く引き摺られてしまう性質だったのだろうスズモはデライアと過ごした全ての時間を忘れてしまって。

自分のせいで自分のことを忘れた人に縋るなんてことは、臆病なデライアにはできなかった。距離をとった。それでも離れきったりはできなくて、レーサーになった彼を、それこそ届かない星を遠くから眺めるみたく追いかけた。

僕の一等星。

いい子にしていたら。レヴォの言うことを聞いたら、スズモ、スズモの、何、何を。



「デライア」



レヴォの物とは違う声。アルクが、踵を返して全員に背を向けていたデライアのすぐ側に来て囁いた。


__________...


きっとデライア以外には誰にも聞こえなかっただろう、そんな声でそうっと囁いて、それからゆっくり身を引くアルク。

もう何もわからない。どうすればいいのか。右脚を前へ。身体が重かったけれど、その身体は確かに扉の向こうへ消えてしまった。



「……ロウ、君のアビリティってさ、見たことのあるものに変身することができるんだよね」


「そうだよ?」


「制限時間はあるの?」


「なんでそんなこと聞くの?」



デライアが出ていくと同時に、待ちきれないといった様子で声をかけてくるレヴォを少々おざなりにあしらうロウ。にこにこ見守るアルクをちらりと見遣ったレヴォが、ため息をついて屈んでいた姿勢をピンと元に戻した。



「擬態系のアビリティは貴重なんだよ、特に……ねぇ、ロウは植物にも変身できるんだよね?」


「そうだと言っていたよ」


「……アルクさん?」



いけ好かないドール相手にペラペラ喋ったりなんかしない、ロウは気難しい“ こども ”なのだから。む、と口を噤んでいたらば、好々爺と称するのがピッタリだろうとすら思えていたはずのアルクが不意に口を開いた。ロウが言わないつもりでいるのを知っていただろうに、アルクはなんのてらいもなく喋って見せる。



「植物の身体になってる内はコアをその輪郭の内側の何処にも保管できるはずがないんだ。変身中はコアすらも隠匿できる擬態系アビリティなんて、とっても凄いと思わない?」



ロウのアビリティ、“ Mimicry ”。

一度見たことのある生命体やドールに完璧な擬態をして見せる、擬態系のアビリティ。死体を見た場合は擬態ができないものの、生存している状態を見て、最低限の外殻情報を得ることによって擬態する能力を行使できるようになるアビリティ。

擬態中に元の個体との相違点を指摘されると解除されてしまうが、それさえなければ時間の制限もサイズの制限もなく半永久的に擬態ができる優れもの。



「ねぇロウ、僕、ニンゲンになりたいんだけど、君のコアさえあれば全部解決することに気が付いたんだよね」



基本、ドールはニンゲンに攻撃できない。

ドールがドールのことを、同じドールだとパッと見で認識できるのはシグナルがあるからで、翼がなくても漠然と、目の前の生き物がニンゲンなのかドールなのかの区別はつく。

ドールがニンゲンのことをニンゲンだと認識できる由来は、心臓が作り出す鼓動を媒介に、生き物が発しているオーラを感知するから。

それはつまり、コアの必要ない、コアのないニンゲンの肉体さえ手に入れて、そこに自我さえ宿っていれば、ドールだろうと、ニンゲンとして認識される元ドールだった何かになれるということ。



「……ぼくのコアをとっても、可愛いぼくにはなれないよ?」


「君になりたいなんて思ってないよ、僕はニンゲンになりたいんだ」


「なにそれ、ぼくのことばかにしてるの?」



きつく睨む。ニコニコ笑っていた顔が不機嫌そうに歪んで、ロウからそっと視線を外した。ロウの背後にすらりと佇む白い巫覡。



「……避難は終わったの?」


「あぁ、うん、時間をくれてありがとうレヴォくん、2人とも私の手元にいるよ」


「そう、じゃあ約束通りに……」


「もう少しだけいいかい?私、がんばっただろう、もう少しだけ質問させておくれ。ご褒美真相をくれないかな」



約束通りに、とロウのことを指し示したレヴォをアルクが言いとどめた。はぁ、とまたため息の後、別にいいよ、仕方ないなんて声。

アルクは味方ではない。ロウの背筋がぞわりとそばだつ。こんなに可愛いのに、可愛ければ敵なんて居ないと思っていたのに、これでも、“ ロウ ”でもダメなのだろうか、なんてやんわり焦りの滲む頭が幼い顔を曇らせた。

レヴォはニンゲンになりたい。なんの為に?



「じゃあ、まずひとつ。君は誰だい?私より年上だと言っていたね、教えてもらってもいいかな?」



ポンチョの裾をぎゅうっと掴む。ロウは、“ ロウ ”は特別な存在だ。コアを取られてしまってはいけない、それではとびきり可愛い“ ロウ ”でいられなくなってしまう。



「僕の名前はリュンヌ。1200年前、本来の代表取締役を押し退けて小鳥遊バイオテクノロジーの実質支配権を物にしたフランス人科学者……リュンヌ・ウルファリオンの息子」


「……どういうことかな、親御さんはニンゲン?名前も一緒だね、不思議だ、そういえばドールにされたのは孤児だけだって聞いたよ、なのに親……あれ、そもそも1200年前……ふふ、君はいつ、一体どうしてドールに……」


「うるさい……」


「ああ、すまない」



好奇心が抑えられないのだろうアルクが、次から次へと問いをやる。あっという間に顔色が悪くなって、酷く鬱陶しそうに首を横に振ったレヴォ相手にもニコニコ、ニコニコ。


小鳥遊バイオテクノロジーの代表取締役だった小鳥遊所長は、自身の息子を世界で一番最初にドールへと変えた後。ドールの製造方法を確立させた後、ほんの数カ月の後に研究所の実験を友人だと思っていた科学者に奪われた。

ドールの製造方法さえわかってしまえばあとは用がないとでも言うように、実権を奪ったフランス人の科学者は世界中の孤児を道具ドールへと変え始める。レヴォは、リュンヌはその科学者に引き取られた失敗作のドールだった。

心を持ってうまれてきてしまった、道具としての価値がないドール。おまけに、第3期ドールとして調整したにも関わらず、何度やっても殺傷能力のないアビリティばかりが発現していた失敗作。科学者は彼を試験的に運用、利用することを決めて、表向きは実の息子のように可愛がってソレを育てた。



「僕は1200年生きてるわけでもなんでもない、バックアップのデータ利用サイクルの排出該当期が長いこと前だっただけで……いや、もういい、これはアルクに話さない」


「残念だね。じゃあ次に……“ 黒い卵 ”って何かな?」


「さっき話した“ 賢者の石 ”そのものだよ、黒曜石とやらに良く似た特殊な鉱石……」


「どこにあるの?」


「知ってどうする気」


「どうもしないよ、私は外に出たい訳じゃないからね」



リュンヌというドールもまた、かつてはニンゲンの手によって運命をめちゃくちゃにされたひとりの子供だった。

失敗作と称されて、誰にも望まれずにうまれてきたドール。彼を歪めたのはひとりのニンゲンで、29体の特別なドール。

科学者の親の仕事の付き人として、翻訳者として小鳥遊バイオテクノロジーの本部に__“ 巣箱 ”にやってきた時に見かけた、ガラスケースの中に並べられた29体の特別なドール達。羨ましかった。ニンゲン達に、父親達に望まれてうまれてきた戦争用ドールが羨ましかった。望まれてうまれてきたドールにはなれない。なら、ニンゲンになったら、父の本当の子供になれるだろうか。

ニンゲンとドールの間にあった深い溝のそのまた奥から這い出した、手の付けられない黒い何かが、血の色に執着する化け物を生み出した。



「……カコウジョの主電源装置室」


「そう。ありがとう。じゃあ、これで最後だよ」



ロウさえいればニンゲンになれる。失敗作と称された自分の下に、望まれてうまれたはずのドール達を置くことができる。

父に、父の子に。ニンゲンになる為に今までどんなことだってやって来た。



「14年前から12年前までに頻発してたドールのコア略奪事件の犯人は、君?」


「そうだよ」



本当は元々、同じニンゲンだったと知っていたはずのドールに手を下すことだって厭わなかった。


すらり、銀に青磁せいじに鎌鼬。


壁に一閃、二閃、瞬く間に視界に咲いていたいくつもの花々が散って、閉まっていたはずの扉に開いた大穴から紫怨の装束で身を覆う鳥が飛び出した。

アルクがロウを引っ張って屈み、その場を一息に飲み込んだ竜巻のような太刀筋から淡い光が身を守る。


ガーディアンのアビリティ、“ 守護 ”。

自身と自身の付近にいるものを淡い橙色の光で包み、攻撃の初弾が着弾してから10秒間の間は全ての害なす何かから、守護者と守護対象の身を守るといったもの。

使用後10分間のクールタイムが要されるが、今のアルクの身を守るのには十分すぎる愛の傘。


真っ二つに切れて飛び散ったトリカブトの花やシロツメクサがぶわりと広がって、ロウの視界をキラキラと彩った。

問答が終わるなり飛び込んできた雄彦がその薙刀でレヴォとその周囲を断ち切ってしまって、散ったレヴォの、その身の破片は真紅の肉ではなく、他と変わらぬ煌びやかな黄金。

13年前の罪の精算が、レヴォにとって最悪な形で訪れた。

腕が、脚が飛ぶ。そのまま身体が支えを失って、キラキラ光る青い瞳がどさりと床の高さに落ちた。



「かっ、かつ、かつひこ、お前」


「10年、小鳥遊家の命に従い主君の、そなたの刃となってきた」



鳥籠の中、ドールを作った人物の姓、小鳥遊の姓を継ぐドール達。

啄木鳥の森の奥、水車のまわる日本家屋に、代々長く長く、小鳥遊という姓を継ぐドール達がいた。皆真面目で、志高く、誇りを持って生きていたドール達だったという。

ドールだったから皆血の繋がりはなかったけれど、親鳥から雛鳥へ受け継がれる強い忠誠心と志こそが、彼等を小鳥遊一族と証明するものだった。この姓は最後のニンゲンから、最初の小鳥遊家のドールが貰ったものだ。最後のニンゲンが息絶えてから長いこと、小鳥遊の姓と信念は潰えたことがない。

雄彦はその小鳥遊一族のドールだ。絶対的な忠誠心、己を磨き続ける高い志。決して主君を裏切らない。

けれども雄彦は、主君と定めたレヴォへ牙を向いた。千何年と受け継がれてきた一族の証明たる忠誠よりも、番を殺した仇への復讐をとったから。

ニンゲン伝いに語り継がれた教えを受けた雄彦ならば、たとえ真実を知っても牙を向かないだろうとタカをくくっていたレヴォの負けだった。



「某の10年はなんの為にあったというのだ」



穴の空いた扉の向こう、待たせていたはずのデライアが息を切らしてこちらを見ている。言いつけを破ったな、と憤慨じみた感情が沸きあがって、目の前が真っ赤になったような。



「デライア!どうして!?僕なら君の大切な人を君の思いどおりに直せるかもしれないのに、どうして?どうにでもできるのに、君のしたいように、望み通りにしてやれるのに!!」



デライアが雄彦を呼んできたことは明白だった。何故。アルクがそうするように導いたから。アルクは得た情報から、レヴォの行動から、14年前に自身が一度退けた赤い化け物の正体を見破って、僅かな会話の中から雄彦の最高の利用方法を閃いた。そしてそれを使うことも、厭わない。



「た、しかに、レヴォくんはものしりだったから、スズモ……スズモの記憶、直してくれるかもって……思ったよ……」


「ならなんで!!」


「でも、だからって……ロウのこと、危ない目に合わせられないし、君は……やっちゃダメなこと、したんでしょう」



泣きそうになってこそいたけれど、決してその声は揺らがない。



「他の人を傷付けてまで、スズモに僕のことを思い出して欲しいなんて……そんなことは、思わない。僕はスズモの、汚点に、二度となりたくないから……!」



取り付く島もないことは明白。ドールとは不可解だ。思い通りにならない。どうして?道具なのに。思い通りに動かないことに納得がいかない。頭がごちゃごちゃして、青い瞳が、自分が最初に手にかけた戦争用ドールのものと全く同じ顔が青ざめて、ふらふら、白い妖精みたいなドールの所に目が行った。



「可愛いぼくのコアをとったってね、可愛いぼくになれないみたいに、真似っ子したところでニンゲンにはなれないんだよ」



君も、僕も。



「…………君とデライアと遊んでた時、飲み物を出したでしょ」



誰に聞かせるでもなく口を開いたレヴォに、雄彦が薙刀を振り上げる。



「あれね、あの時にはもう君のコアをとるつもりだったから、毒を入れていたんだよ。ドールのアビリティからつくった、眠くなるやつ。すごく凄くつよいの。デライアはすぐに寝たのに、君は全然眠らなかったよね」



ロウは、擬態している間に受けた怪我は全て擬態解除後にその身に反映される。



「眠らなかったってことは、その格好、ほんとのドールの……ロウの中身の本来のものとは、違うんでしょう」



あ、と小さな唇が開いた。まずい。ロウが、“ ロウ ”がとられる。

止めようとするも、その小さな手足では大した足掻きもできやしない。



「君も偽物なん、」



首が飛ぶ。雄彦が黙らせたから、レヴォの声もすっかり止んだ。13年越しに晴れた恨みは、足元に散っていたハナニラをキラキラ光る黄金で汚して、それで終いだった。


視界が歪む。ロウのアビリティは、正体を見破られると同時に強制的に解除される。

どろり、どろどろ、白くて小さな妖精が歪んで、燃えていたロウソクが溶けて消える見たくその形を失っていく。



「あ、あ、やだ、やだ!!見ないで!!おねがいみないで!!!」



鳥籠の中はいびつだった。

いきものたちの在り方も、思想も、感情も、理想も、清いはずだったその愛も。

奈落に捨てたはずの古い贄が目を覚ます。
















​───────

Parasite Of Paradise

17翽─再演

(2022/04/03_______14:30)


修正更新

(2022/09/25_______22:00)

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る