三回目の手紙
次の日、ポムリエにそれを渡すと喜んで部屋に持っていった。アルスに読んでもらい、そこに書かれていた文字を真似て紙に書いていった。
その日の夜、3回目の手紙を受け取った。
部屋で手紙を開くとセディは笑ってベッドに寝転んだ。上手とは言えないが、解読の用紙が無くても読めるようになっていた。
「大好きなお兄ちゃんへ。お兄ちゃんの字が上手なのでポムリエも上手になりました。お庭のお花が綺麗です。今日は積み木をして遊びました」
セディはまたノートを破ってそれに簡単な手紙を書いた。
「ポムリエの字はとても上手で、可愛いね。来週にはまた新しい花が咲くよ。今日は学校から帰ったら、公園に遊びに行こう。セディより」
それだけ書いて折り畳んで本棚の本の隙間に挟んだ。明日の朝また渡そう。
セディはポムリエから貰った手紙は本棚の缶の中に入れた。この缶が一杯になる頃にはポムリエの字はきっときれいになっているだろう。それまでにポムリエが手紙に飽きてしまうかもしれないけど。
セディは机に向かい、宿題の教科書とノートを開いた。
「あ、寮にプリント忘れた」
セディは慌てて部屋を出た。
ポムリエの手紙 須天一哉 @suamakazuya
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