第十二話 盗賊、というより漫才師?

ここは?


周りを見ると辺り一面火の海だった。


「お前が生まれてきたせいだ!」


「お前は奇跡なんかじゃない!悪魔だ!」


やめてくれ


「てめえがここにいるから俺の家族が殺されたんだ!」


違う!それは僕のせいじゃない!


「どっかいけ!お前の居場所はここにはない!お前がここにいるとまたあいつらが来るんだよ!」


僕は関係ない!というかあいつらって?


「君はこの世界にいるべきじゃないんだ、“松……平”」


誰に言っているんだ?












僕…………なのか?









~~~





あれ?ここは……そうか、転生したのか。なんか久しぶりに嫌な夢を見た気がする。


マシュ「優、起きてる~?」


優輝「ああ、起きてる。着替えたら行くから先に外で待ってて」


マシュ「わかった~」


さて、今日は何をしよう。といっても旅人は旅人らしく色んな町を巡っていくか。


マシュ「優、おはよう!」


優輝「ああ、おはよう」


マシュ「今日はなにするの?」


優輝「僕が決めるの?」


マシュ「だって優はこのパーティのリーダーじゃない」


優輝「パーティって2人しかいないじゃないか」


作者(大丈夫ですよ、もっと増やしますから)キリッ


優輝(作者うるさい出てこないで)


作者(ひどいなぁ)


というかなんでたまに作者出てくるの?


優輝「そうだな~、まあ旅人は旅人らしく色んな町を巡っていくよ」


マシュ「そう、ここから近い町ならボックの町ね」


優輝「ボックの町っていったら図書館があるところだったっけ」


マシュ「そう!大きな図書館があって魔導書とかもたくさんあるの!」


優輝「なるほど、旅に役立つ本とかも欲しいな」


マシュ「そうとなれば出発よ」


優輝「そうだね」


僕達は町をあとにした。




優輝「そういえばボックの町って図書館以外にはなにがあるの?」


マシュ「そうね~、ボックの町っていえば図書館が一番有名なんだけどその図書館の本は世界の色んなところから仕入れてきてるから情報もたくさん集まるし、なんといってもあそこは大魔導士ブラン・マーシェントが生まれたとされる町なのよ」


優輝「大魔導士ね~、そういえばマシュも魔法使いだよね、やっぱりそうゆう人に憧れてたりするの?」


マシュ「うん、憧れてる。私の親も凄い魔法使いだったっておばあちゃんが言ってたんだけどわたし昔の記憶がないの。お母さんはリリィっていう名前らしいんだけどお父さんの名前は知らないしずっとおばあちゃんに育ててもらったから。でも、お父さんやお母さんにも、大魔導士ブランにも負けない魔法使いになりたいの。まあ、魔法使えないんだけどね」


優輝「ごめん、嫌なこと言わせちゃったかな」


マシュ「ううん、全然。わたしが旅に出た理由の半分はわたしの親のことを知りたかったからだもん、おばあちゃんはわたしの親のこと話してくれなかったしわたしがどこで産まれたとかもわからないからそんな疑問はわたしの親のことを知れば全部わかる気がするの」


優輝「そっか」


一言で説明すれば自分の親のことを知るために旅をしているということだね。よく考えれば親が凄い魔法使いだったのにその子孫がまったく魔法の才能がないなんてことはないと思う。つまりなにかしらマシュの親のことは隠蔽されていると考えたほうがいいのかもしれない。もしかしたら親のことじゃなくてマシュが産まれた場所が隠蔽されているなんていう可能性もあるだろう。


優輝「わかった、僕も協力するよ」


マシュ「ありがとう!じつは一人だと心細かったりするからほんとにうれしい!」


優輝「それは良かった」








?「おい!そこのやつら!」


優輝「はい?」


?「ここから先に行きたかったら金目のものを置いていってもらおうか」


?2「そうだ~痛い目にあいたくなかったら金目のものを置いていけ~」


なんだ、ただの盗賊か


優輝「えっと、どちら様?」


?「よくぞ聞いてくれた!俺こそ世界一の大盗賊ワンダ様だ!」


?2「そして僕がこのばか親分の子分(仮)のフールです」


二人合わせてワンダフルと


ワンダ「誰がばか親分だ誰が!」


フール「おっとつい本心が」


ワンダ「お前は毎回心で思ってることを正直に言ってんじゃねぇって言ってるだろうが、あと(仮)ってなんだよ!」


フール「だって僕親分についていくとは言いましたけど子分になるとは言ってないですよ~」


ワンダ「意味は同じだろうが!」


フール「上下関係があるかないかで比べれば大きく違いますよ」


ワンダ「俺がリーダーなんだから細かいことは気にしないでいいんだよ!」


ギャーギャーワイワイ


マシュ「仲いいわね~」


優輝「そうだね~」


ワンダ「おいこらお前ら温かい目線でこっちを見てくんじゃねぇ!」


フール「そうですよ僕までばかみたいじゃないですか」


ワンダ「俺もばかじゃねぇよ!」


フール「うるさいです、耳もとでギャーギャー騒がないでください」


ワンダ「お前が悪いんだろうが!もういい、とりあえずお前ら金目のものを置いていけ!」


優輝「そんなにお金に困ってるの?」


ワンダ「俺達はなこの世界中の伝説のお宝を手に入れるためにな準備がいるんだ、そのための小遣い稼ぎさ」


フール「というのは表向きでご飯を買うのも辛い状況なので恵んでくれると嬉しいんだよね」


ワンダ「おいこら、人がかっこいいセリフを言ってんのに台無しにすんなや」


フール「いやいや、嘘をつくのはよくありませんて。それに全然かっこよくないです」


マシュ「そうよ、嘘はついちゃダメ!」


ワンダ「うっせえいい子かお前は!というか地味に入ってくんな!」


マシュ「え~、だってみんなでお話ししたほうが楽しいじゃない」


優輝(マシュって純粋だなぁ)


ワンダ「うっせえよ!これはお話しじゃねぇよ!れっきとした交渉だ!」


フール「いや、一方的な脅迫ですよ親分、交渉の意味調べて頭の中に入れてから使ってくださいよ」


ワンダ「俺の扱いひどすぎだろ」


フール「いや、思っていることを言ってるだけであってそんなつもりは」


ワンダ「だからそれをやめろっての!とりあえず金さえ置いていけばなにもせずに通してやるから」


優輝「じゃあ50000ゼルとかでいいですか?」


ワンダ「えっ?まじで、そんなにくれんの?」


フール「いままでそれだけのお金を手に入れるならちょっと大金持ちの人から力ずくで奪いとるしかなかったのに自分からあげるなんて神みたいなこといってきた人あなたが初めてですよ」


優輝「いやだってお金に困ってるって言うから」


ワンダ「ふ、ふん、我々の恐ろしさに屈したか。そこまで言うなら通してやろう」


フール「いや、完全に可哀想な人を見る目ですよ、屈するどころかなめられてますよ親分」


ワンダ「何!」


優輝(なんか後ろで言ってる)


僕達はスルーして先に進んだ









マシュ「優って意外とお金持ちなのね」


優輝「いや、そうでもないよ」


優輝(この世界の50000ゼルって前の世界の500円なんだよね。ワンコイン、銀貨が大金に変わる世界、まさかこんな大金持ちになるとは思ってなかったよ。つまり親の遺産が三千万、僕の銀行に二百万、他にもちょくちょくあるけどこれだけで計算してもいまの所持金って32億ってことになるんだよね。自分でも驚きだよ。)








マシュ「ついたわ!ここがボックの町よ」

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