第十三話 ボックの町

マシュ「ついたわ!ここがボックの町よ」


優輝「ほう」


目の前に広がるのはファティの町に負けないくらい大きな町で本の町って言われるのが納得できるレベルに大きな図書館が目立っている、例えればデパートより少し小さいくらいの大きさだ、その周りに本がいくらか浮いているのは異世界ならではだろう。日本では本を浮かせる技術はないからね。その次に目立っているのは情報屋。世界から色んな情報が来ているだけあってファティの町の情報屋が小さくみえるくらいには大きい。武器屋は魔導書に合わせて魔法使いが使うような杖がたくさん置いてある。防具屋も魔法耐性の高そうなものが多い。本の町であり魔法の町とも言える町だろう。


優輝「とりあえず自由行動でいいかな」


マシュ「そうね、じゃあ私は図書館に行ってくる。6時に宿屋集合ね~」


優輝「了解」




優輝(さて、どうするか)


正直やることがない。装備は魔法の洞窟でいいものがいくらか手に入っているので買い物も必要ない。


優輝(いや、食糧を調達する必要があったか。じゃあやることは決まりだな)


僕は食糧を調達しつつ町を歩くことにした。



~~~


?「よし、今からあの町を襲うぞ、いいな?」


?「やはり転生者様は頭が冴えますな」


?「危険人物を殺す前に情報源を絶とうとは」


?「ま、勇者は殺したからなある程度の情報を消せば誰も魔王には近づけんさ」


?「お前ら!あの町を崩壊させろ!」


「「「ガァァァァァァァァァ!!!」」」


~~~


優輝「買いすぎたな」


気がつけばストレージには大量の食糧やポーションで埋まっていた。もちろんまだストレージに余裕がある。


優輝「それにしてもここのお店っていいものがたくさんあるな、お陰でいっぱい買っちゃったよ。主に薬とか魔導具とか。」


右手には魔方陣のようなマークのある饅頭がある


優輝「うまい。このうまさで魔力も回復できるって最高だなぁ(もぐもぐ)」


優輝「そろそろ図書館にも「大変だ~~~!」ん?」


声のしたほうに向かった




優輝「どうしました?」


町人「そ、それが…魔物の大群がこの町に押し寄せてきてるんです!」


優輝「本当ですか!?」


町人「はい、東門のほうです!」


優輝(急いで行こう!)


僕は急いで東門へ向かった。







優輝「なんだこれ…」


目の前に広がっていたのは魔物の大群


優輝(しかし大群といってもこれは多すぎるだろ)


町にいた戦士や魔法使いなどが応戦しているが魔物の量が多すぎるためか防ぎきれてない。そのなかに自分の仲間の姿もあった。


優輝「マシュ!」


マシュ「優!無事だったんだ。」


優輝「ああ、状況は?」


マシュ「やばい、なんかやばいの!敵がいっぱいいっぱい襲ってきてそれからそれからなんか魔法もたまに効かないみたいだしまあそこは魔法が使えないからわたしは問題ないけどとにかく敵がいっぱいいてそれからえ~と」アセアセ


優輝「マシュ落ち着いて!ほら、深呼吸」


マシュは深呼吸をした。メンタルポイントが回復した。・・・メンタルポイントって何?


優輝(やってる場合じゃないね)


マシュ「とりあえず敵がいっぱいいるの!ここの町の人達も応戦してるけど防ぎきれないの!」


優輝「僕もやるしかないか」


マシュ「優!」










マシュ「敵の指揮官は私達と同じ人間よ!気を付けてね!」


優輝「・・・ああ!」


優輝(敵の指揮官が人間!?どういうこと?)












優輝「こうやって近くで見るととんでもない数だな」


複数のウィンドウルフが襲いかかってきた。飛びついてきたのをしゃがんでかわしその体制のまま真上にいるウィンドウルフを斬る、一体はしゃがんでもかわせないのでウィンドアローで倒す。

次はドラゴン。


優輝「このドラゴンはいける!」


ドラゴンが炎を吐いた。それに会わせて風を剣に込める。


優輝「輝流剣術その3ー“風三日月”!」


僕が放った衝撃波は炎を切り裂きドラゴンに大きな傷をつけた。


優輝「輝流剣術その1ー“風魔”!」


続けて風のような動きでドラゴンを何度も斬りつける。斬る場所は風三日月でつけた傷の場所。レインボードラゴンに比べてもろいとはいえドラゴンなのでそれ相応には堅い。なので鱗がほとんどなくなっている傷の部分を重点的に狙う。


優輝「最後だ!輝流剣術その2ー“氷花”(ひょうか)!」


傷口をなぞるように斬り、傷口から花が咲くかのように氷が飛び出した。そして、ドラゴンが倒れた。しかし、同時に剣も折れてしまった。やはりドラゴンの鱗は鋼の剣をも簡単に折ってしまうほどに堅かったようだ。


優輝(うーん、出し惜しみはしてられないか)


僕はストレージから一つの剣を出した。


優輝(まあ、これくらいでいいよね)


優輝「輝流剣術その4ー“火炎輪”」


剣に炎を纏い円を描くようになぎはらった。炎を放出しながら描かれた円からは炎がどんどん広がっていき、近くのモンスター達を呑み込んでいく。


優輝「すごい…」


その威力には自分でも驚いた。もう少し弱いと思っていた炎が周りにいたモンスター達をほとんど焼きつくしたのだ。それもこの剣のおかげ。この剣はオーロラブレード、レインボードラゴンとの戦いでドロップしたものだ(倒してないのだがなぜか)。刀身はオーロラのように輝いていて多色の魔石が組み込まれている。その魔石は特殊なもので複数の魔法効果が上がる。この魔石に炎の適性はないがそれでもこれだけの威力が出るほどに魔力が上がっている。


優輝「よし、このまま指揮者のところまで…」


しかし、またすぐに敵が一斉に集まってきた。



優輝「くっ、これじゃあ行けないなぁ。本当は無視して叩きに行きたいところだけどそれだと町が落とされる可能性が大きいんだよね~」


ボックの町で戦える人間の大半は魔法使いや僧侶などなので接近戦ができる人間が少ない。接近戦兼敵の引きつけは優輝とマシュ、あとは数少ない魔法剣士ともっと少ない戦士だけなので持ちこたえれているのが奇跡なくらいだ。戦士が少ないのは、ボックの町に集まる大抵の人間が魔法使いであるからだ。魔法を反射できる優輝はこの戦いの中で一番の戦力となっているのでここで優輝が指揮者を倒しに行ってしまうと一斉に攻め込まれるだろう。


優輝「どうにか出来ないかなぁ?」


ここでまた、ゴブリンメイジの群れが走ってきた。


優輝「また援軍か」


優輝(どうしよう?このままだと確実にこっちがやられる)


そう思いながら再度剣を構えた。その瞬間、横から無数のナイフや針が飛んできてゴブリンメイジ達を一体残らず倒していった。


?「助けに来てやったぜ」


?「親分~、味方に当てないでくださいよ~」


?「そんなドジ踏まねえよ!」


優輝「あ、あなたは」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る