第十一話 やはり仲間も普通ではなかったよ

いま、僕達は魔法の洞窟の2階にいる


マシュ「もう少ししたらアイスエレメンタルがいるフロアにつくよ」


優輝「わかった」




少し進むといかにもボスがいますって感じの大きなフロアに出た


目の前に現れたのは恐ろしいボス……じゃなくて霧に覆われたなにか。しかもモンスターとは思えない別の力を感じる。

あれ?これってモンスターじゃない気が。


優輝「マシュさん、これって」


マシュ「そう、精霊よ。あれ?言ってなかった?」


優輝「初耳です」


まあ、なにかとんでもない強大な力とかも感じないしましてやどこかのラノベみたいに幼女の姿をしているわけでもない。微精霊?ってとこかな。でもラノベとかアニメで見る精霊ってあんまり悪いイメージがない、というかいいイメージを持ってたりする。だから相手が精霊だと少しやりづらい。って言ってもいまは現実であり命のやりとりをするわけだからそんなこと言ってられる場合じゃないかな。


精霊は氷の魔法弾を放ってきた。魔法弾は魔力を使っているが魔法ではない。つまりリフレクトでは反射できない。そんなことは知らなかったが魔方陣がなかったのでリフレクトを使うのはやめて避けた。そして勢いで斬りかかった。すると精霊から広範囲に冷気が出てきた。僕はその冷気を受け吹き飛ばされた。


マシュ「優、大丈夫?」


優輝「うん、大丈夫」


クーのおかげで魔法の耐性があるためさほどダメージにはならなかった。しかし、これでは接近戦はできそうにない。あの冷気をどうにかするか魔法で戦うしかない。


優輝「マシュ、魔法で戦うよ!」


マシュ「えっ、う、うん」


僕はウィンドアローで精霊を攻撃するもかわされてしまう。


優輝「マシュもなにか魔法を」


マシュ「えっ、あっ、えい!」


そう言われて反射的に投げたのは魔法…ではなく石。正確には爆炎石という爆発する石だ。そしてそれは放物線を描いて精霊の目の前に飛び、爆発した。

煙がなくなるとそこには精霊はいなく、目的の物が落ちていた。


優輝「あ~、マシュってさ魔法が」


マシュ「魔法が使えないです、はい」シュン


いや、まだ途中までしか言ってないんだけど。というか普通にばらしちゃった。


マシュ「うぅ~、お願いだから捨てないで!」ウルウル


優輝「捨てないって」


マシュ「よかったぁ」ホッ


ここまで言うっていままで何があったの?って魔法が使えない魔法使いだからいらないって言われちゃうのか。一応戦えるんだから使えないもの扱いはやめてあげてよ


優輝「とりあえず目的のものは手に入れたから帰ろっか」


マシュ「うん、そうね!」


すごいテンション上がってる、そんなにうれしいのか。

僕達は町に戻りクエスト完了の報告をした。今日は色々なことがあった。転生して、森に放り出されて、この世界の主人公であろう勇者が殺されていて、森をさまよって、餓死しそうになって、運よく生き延びれて、町に入って情報を収集して、ギルドに行ったらマシュとパーティを組むことになって、魔法の洞窟に入ったら2手にわかれることになって、マジックバットに殺されそうになったら落し穴に落ちて、レインボードラゴンに殺されそうになって、クーと出会って、転生召喚士さんの研究記録でクーがすごい神獣だってことがわかって、クーと絆の契約をして、脱出して、マシュを助けて、アイスエレメンタルを倒して、マシュが魔法を使えないことがわかった。もちろんマシュを見捨てる気はない。誰かが悲しむ姿は見たくない。悲しい気持ちは誰よりもわかっているつもりだから…

というか今日だけで3回も死にかけてるけど僕生き延びれるかなぁ?

僕は一日を振り返りつつ宿屋のベッドで眠りについた。

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