この質問をされるのが苦手って、やっぱり私は変人でしょうか。
生きていると、説明に困る感覚としばしば出会う。
一番困るのが、好きなものについて。
「どうしてそれが好きなの?」と訊かれるのが、一番苦手。
私はそんな事、余り考えた事が無い。
出会ったその瞬間に、バチンと雷に打たれたような気分になったから。
大抵のものは、それで片付いてしまう。
何にでも例外はあって、それらしい理由のようなものがある場合もあるけれど、本当に好きなものに限って、当てはまる言葉が見つからない。
皆そんなに、自分の感覚を疑って暮らしているのだろうか。
私には、サッパリ分からない。
頭が動く前に、心が動いたのだ。言葉が浮かばないなんて、当たり前。
だから気付いたら、小説だって書いていた。
相手が物体でも、現象でも、人でも同じ。
言葉が出る前に気に入ったものは、まず嫌いにならないし、捨てもしない。
どうにもそう話すと、揃って不思議そうな顔をされてしまう。
よくそんな理由で、飽きが回ってこないものだと。
さあ。
こっちからすれば、どこがいいからだとか、ああだからとか、いかにもそれらしい言葉を付けておきながらぽいぽい切り替えていくそっちの方が、いい加減で、胡散臭くてしょうがないが。
一目惚れみたいなものだと言えば、ちょっとは伝わるのだろうか。
恋だと言えば、この理屈の無い愚直さも、少しは分かって貰える形になるのかもしれない。
そうだとするなら私とは、相当惚れっぽい人間だが。
何を下らない事を考えているのかと、今日も書く。
うん。やっぱり理屈は無いけれど、飽きずに続けられているし、意味不明な文章も書いていない。
いつかこの奇妙な感覚も、きっちり文章にする事が出来るようになりたいものである。
理由の無い感情を。
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