第8話:蘆屋家
「陰陽師は、今もなおこの日本に存在しています。通常の人間よりも多く、または強力な霊力を巧みに使うことで発動できる〝術〃と呼ばれるものを駆使して、妖怪から人々を守ることを使命に、日々活動をしています」
和也さんの口から発せられたのは、現実ではちょっと考えにくい真実だった。でも、和也さんの真剣そのものとも言える表情から、冗談ではないのだと自然と悟る。
「かくして、僕もその陰陽師の1人です。驚かせてしまってすみません」
「・・・い、いえ」
「陰陽師は日本各地に散らばっています。全国の陰陽師を統括している「本家」と呼ばれる家系がいまして、その本家を中心にして陰陽師の世界は成り立っているんです。そんな中で、本家の次に権限を持つ「御四家」と呼ばれる家々がありまして、僕の姓、「蘆屋家」はその御四家の1つで、群馬県の陰陽頭であるのと同時に、東日本に散らばる陰陽師の統括を任されている家なんですよ」
な、なんか難しい話になっていませんか?
つまり、まとめると。
「和也さんって・・・すごい人なんですよね?」
「すごいかどうかは分かりませんが、一応蘆屋家の次期当主なのでそれなりの仕事はしているつもりです」
次期当主っ?!それって当主になるっていう人だよね?!
でも、どうもしっくりこないんだよね。あまりにも現実離れしていて。
「確かに現実離れしていると、思われてもおかしくない話だと思いますよ」
「っ!?」
また心の中を読まれたのっ?
「それも陰陽師の術なんですか?」
「いえ、これは術とは関係ありませんよ」
それもすごいことのような・・・。
「それもそうですね。では、これから出かけましょう」
「で、出かけるって、どこへ?」
「妖怪の元にですよ。そこで、どうしてあなたに陰陽師についてお話ししたのかも、お話ししますね」
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