会議のつもりが…OHANASHIになってる
「で、なんで私が参加させられてるの?」
沈黙だった状況を破ったのは金髪の少々ギャルよりの見た目の少女、ベータこと香山 祈(かやま いのり)だった。
目標1近くに存在する廃墟風の拠点、s-e-05と呼ばれる場所に存在する会議室にて、祈の他にアルファこと俺、有明 楼、アルファ1こと有明 ロナ、アルファ3こと有明 セイ、そして、人物Aこと日下部 裕太がそれぞれ座っていた。
「一応、現在部隊長…というのかな?まぁ、一つグループにて実働指揮が完結してるらその直近の…班長クラス…まぁ、俺の直轄に現状なってる人間を会議に参加させるのは普通だろ?」
「いや、そうだけども…アルファ2は?」
「戦力的バランスを考えた結果だ。代理になってるベータ10は優秀だが総合戦力に現状不安だ」
「…認めたくはないけど確かにそうね」
「助かる。まぁあいつの場合はそれ以外にも…」
俺はボソッと本音を漏らそうと思うが現状、それは不安を与えるだけだ考えて途中で止める。
「それで現状確認として私が書記を…」
「いや、書記はセイ…アルファ3に頼む。ベータは一応1隊を持つものだ積極的に意見を出して欲しい」
「はいはい、わかりました。あと、部外者もいるし、私はともかく身バレしてるから無理してコードネーム使わなくていいわよ」
「助かる」
俺はそう言うとセイが所定の位置に着くのを待ってから話し始める。
「では、まずは現状の確認から行う。書記はこれより発せられた言葉を文書に、会議の際に必要な事項をホワイトボードに書き留めること。それでは裕太の主観でいいから状況の説明を頼む」
「あ、あぁお、俺に急に振るな」
「肩の力を抜け。別に言葉遣いはなんだっていい」
「分かった。現状、俺が確認してるのは…日本の至る所に凶悪な化物を封印してるって話が前提になるのだが…」
「安心しろ。細かい分布等は知らないが、関東に鬼、関西に狐、北海道に熊とかくらいは全員共通で知っている。そこから俺たちがお前達を知ったキッカケだしな」
「話が早すぎて困るな」
困った様子の裕太。
おそらく、色々と説明しようと思った部分があったのだろう。
「問題は化物の封印方法で、相互循環干渉結界で分かるか?」
「名前は初めて聞いたが、全員手許の資料に詳細は書かれてるから読め」
「本当に用意が良すぎるってか結構機密関係書かれてるのだが…」
「相手が悪いとも言えるがこれは高度な技術に慢心して、解析対策等をしなかったお前ら側にも問題がある」
「た、確かに…ん?え?解析したのか?あれを…」
「さ、次だ」
「いや、それどころじゃ、いやまぁ仕方ない」
予想外の言葉に動揺する裕太だが、話は続けてくれる。
ちなみにかの結界だが、他地域と連携して行う結界みたいで、互いに干渉してより強固な結界に変えてるようだ。
詳しく説明するとよく分からん専門用語を作ったりしないといけなくなるから非常に高度な結界であることは間違いない。
「まぁ、その結界は結構長持ちはするけど…せいぜい100年とちょっとくらいでな、今、その結界の張り直しを行われようとしているんだ」
「100年確かにそれくらい保つようになってたな」
改めて俺は話を聞くと不思議に思う。
通常、封印用とはいえでも結界が100年保つことは無い。
あり得ないと言うレベルでは無いが普通に考えて無い話である。
それはセイとロナも疑問に思ったらしく、首を傾げているが今、話の腰を折る訳にはいかないと察して何も言わない。
「その今100年の張り直しで椎菜が生贄にされる訳だ」
「なるほどな。まだ、言いたいことがありそうだが…」
「…ほんと、どこまで見透かしてるんだ?」
「さぁな」
「…あいつに今回のは役不足なんだ」
なるほど。
心の中で納得の思いを止める。
理由はなんとなく分かっている。
「村上 リチ」
俺の一言で裕太驚いた様子で俺を見る。
「本来の役割だろ?」
「なんでお前がリチについて知ってる!」
「兄貴!」
「ロウ君!」
襟首を掴まれて壁まで叩きつけられる。
すげぇ目をしてるな。
とりあえず二人にはって、ベータお前まで心配そうにすんなよ。
「落ち着け、裕太」
「落ち着いてられるか!リチに何をした!!」
「俺は何もしてねぇよ」
「そんな訳ない!リチが自分の意志で何処か行くわけがない!」
「それを知ってるのは佐藤 乃絵(さとう のえ)だろ?」
「なんで、なんでお前はその名前を知っている!お前が二人に何かしたのか!?」
「ちげーよ!てか、その時、俺は小学生だろ」
思いっきり取り乱してるなぁ。
てか、ベータが止めに入ろうとしてるのを二人が止めてくれて助かる。
介入があって相手が落ち着くだろうが、俺はこいつに1発殴られなくてはいけない。
と、思ったのだが
「…」
「お、おい、裕太?」
「なぁ、リチと会ったのはいつだ?」
「なんで急に?」
「お前のその顔を見れば嫌でも冷静になるさ。俺をわざと煽っただろ?」
「…」
気付かれてたか。
いや、顔に出ていたのか。
「兄貴、謝罪したい償いたいとかは俺も見て見ぬふりをするけどさ。流石にその顔は殴れないぜ」
「セイまでそう言うか…てことは俺の顔はアイツを思い出した時と同じくらい酷い顔ってことだ」
自重気味俺は笑う。
「はぁ、なぁ裕太俺はお前に殴られなくてはいけないと思っている」
「なんとなく理由はわかってきたがそもそもリチといつどこであったんだ?」
「アイツと初めて会ったのは…7年くらい前…かな?」
「ん?おか…」
「あー年齢とかその辺の話はちょっと置いておいて欲しい。会ったのは異世界でだから」
「は?」
呆けた顔をする裕太。
まぁ、流石に異世界と言われてもピンと来ないか。
と思っていると
「はっはっは…マジかよそりゃぁ突然いなくなるわけだ。ぶははは!」
腹を抱えて笑う裕太。
「そっか…ようやく納得がいった。だからお前にもあいつの面影があるわけか」
「はぁ!?俺はあんな破天荒な人間じゃねぇよ!第一あんなお人好しじゃ
「いや、あんたは間違いなくお人好しだよ。俺は今、お前のお陰で一つ前に進めた気がする」
「あぁ、わかったよ!それで話の続きなんだが
「いや、今はいい」
俺が続きを話そうとするが裕太は静止する。
「…いいのか?」
「知りたいのは山々だ。でも、まだ椎菜もいない。それに、俺も心の準備ができていない。だから、いつかまた教えてくれ」
「これは俺の義務だ。いつだって話してやる。アイツの話をな」
「だから、お前を殴るかどうかもそれまでお預けだ」
「俺としては早く精算したい問題だがな」
少し俺の心に靄が残る。
しかし、これでよかったと思う。
アイツ…いや、あのアホについて伝えることができた。
ん?
そういえばアイツって…てことは…
「そういうことか!」
「ど、どうしたんだよ…」
突然声を出す俺に驚く、裕太達。
俺は裕太の方を向く。
「なぁ、リー…リチの適正ってもしかして巫女としてか?」
「それって結界関係だよな?」
「あぁ」
「あぁ、あの結界は巫女としての才能が無いと長く強力な結界ができないらしいな」
「なるほど、だから異様な結界なわけだ」
「ど、どういうことだ?」
納得が言ってるのは俺だけ…いや、もう一人納得してるようだが、ベータは話についていけずに必至に理解しようと頭を抱えていた。
「裕太、結界ってのは通常100年もなんの供給もなしに維持なんてできやしないんだ」
「え?でも、現に…」
「あぁ、100年続いている。セイ、この結界の特性について説明してくれ、お前の意見も交えてな」
「おう!この結界は確かに強力な結界にすることが可能。でも、持続時間とかは普通の結界と変わらないんだよ。そして、供給なしで最も長い結界の維持時間は10年が限度。例外等もあるが今回の結界の構造を見る限りその例外に当てはまることは無い。
なのに100年続く。
その原因が巫女と言う…巫女?」
急に説明の手を止めてセイが俺の方を見てくる。
どうかしたのだろうか?
「なぁ、兄貴…もしかして椎菜って人は巫女だったりしないよな?」
「それは…俺も気になっていた」
俺とセイは答えを知っていそうな裕太をみる。
「一応、巫女としての才能はあるらしいが…」
その瞬間、なぜか悪寒がした。
「兄貴、すまねぇ…ルナねぇ呼ぶわ」
俺はその言葉を理解できていなかった。
しかし、よく考えてみる…。
「…もしかして俺…やらかした?」
「「うん」」
二人からの返事に俺は頭を抱えるのだった。
少し時間が経ち、今は大体夜の10時くらいだろうか。
現在、目標1の状況が落ち着いた為、アルファ2ことルナが会議室に来て俺の向かい側に座っていた。
「それで、兄さんは共鳴したのですか?」
「…えぇ、共鳴かどうか分からないのですが…」
「…」
「あ、はいそれならしました。はい」
ルナの無言の圧力に屈した訳ではない。
共鳴という行為によって互いの感情を無言で伝達し合ったのだ。
まぁ、正確には色々と違うのだが…
「なるほど、話してる時に本来聞こえない声をよく聞き取った程度で共鳴か判断つかなかったのですか」
「何も言ってないのですが…」
「言い訳じみた思いなら聞き取れました」
あ、なんか不機嫌そう。
ルナがこう冷たい時はほとんど無い…無いのだが、ルナにはルナなりの許容ラインというものが存在しており、俺は多分それを犯した。
「別に兄さんが他の巫女さんを作っても別にいいです。しかし、共鳴等を僅かでも感じていたんですよね?」
「は、はい」
「言い訳はいいです。情状酌量の余地はありますけど、それでリチさんの時にも問題が起きかけたことは忘れてはいませんよね?」
「すいません。油断してました」
素直に謝るとルナは怒りの様相を引っ込めて、ため息を吐く。
ようやく終わりかと安堵する。
「兄さん、正座」
「へ、お叱りは終わったのでは」
「えぇ、お叱りは終えましたよ。巫女としての。ここからは私個人としてのお叱りです」
ニッコリと笑うルナ。
うん、まぁ、俺のやらかしだ。
諦めてこの状況を受け入れ…られはしなかったが…
セイとロナは巻き込むな言わんばかりに首を振り、ベータは自分でどうにかしろとそっぽ向く、頼みの綱の友人である裕太は何か考えている。
この場に俺の味方はおらず、1時間ほどルナに叱られるのだった。
そして、11時半。
儀式の初動まであと30分になる。
俺たちは会議を終えてそれぞれの場所に着く、俺と裕太以外は。
「裕太、今回の一件俺たちだけでどうにかなる問題だ」
「…そうだろうな」
「お前はここで待っていろ」
会議の際の作戦時に裕太は入っていなかった。
それは部外者ということを表しており、俺達から突き放す。
「待ってくれ、俺だって何か…」
「邪魔だ。正直、慣れている俺たちだけの方がスムーズに終わる」
「でも…それでも、これは俺の問題だ!それなら俺がいなくちゃ何にも始まらないだろ!?」
「だとしてもだ。お前は見て見ぬ振りだっていくらでもできるだろ?」
「できる訳ないだろ!何がなんでも、俺は行くぞお前がダメと言ってもそんなの無視して俺も戦いに行く」
「…」
無茶苦茶言い出した。
でも、まぁ、それが…
「似てるな、リーちゃん…じゃなくてリチに」
「って、お前なぁあんな、残念でうるさくて、融通が効かなくて、馬鹿なのと一緒にするな」
「俺より酷いこと言ってるな。でも、似てるよ。特に融通が効かない点とか中々に」
「う、うるさいな!」
「すまんすまん、でも、今のお前はどちらにしろ連れて行かないぞ」
「いや…でも…」
言い淀む、裕太。
全くこれだからアイツ関係の人間は…
「別に連れて行かないとは言っていない。言っただろ今のお前ではと」
「…何が必要なんだ?」
「組織に入ることと言いたいが今のお前を組織に入れることはできない」
「勿体ぶるなよあるんだろ?前提となる壁を全部壊せるものが」
まぁ、ここまでヒントを言えば分かるか。
なら俺も覚悟を決めるか。
まさか、戻ってきてからこれを行うとは思わなかった。
「裕太、俺のものにならないか?」
「お前、そっちの趣味だったのか!?」
「ちげぇよ!」
**
23:50
アルファベータ混合部隊は現在、作戦開始の際の指定の位置にそれぞれ着いていた。
『こちらアルファ、作戦開始まで残り5分準備はいいか?』
『こちらベータ、ベータ0異常なし』
『こちらアルファ1、アルファ0異常なし』
「え、えーアルファ4異常なし」
『こらこら、アルファ4、アルファ1が言っているから言わなくていいぞ。緊張するな、まだ4分あるから肩の力を抜いておけ』
「お、おう」
アルファ4と呼ばれた少年、日下部 裕太は息を呑む。
そうしてるうちに通信機から声が聞こえてくる。
『さて、本作戦は当初の予定通りアルファ4の支援にある。故に揺動が基本であり、また我々の現在の敵もまた世界に役に立つ人材であることを忘れなようよく心に刻むよう努めよ。残り3分』
裕太はアルファの注意事項にふと、気づく。
彼の中では敵は倒すべきもの、それは手段等は問わず勝つことが目的であるという考えてがあり、理不尽な戦場での殺し合いを考えていた。
しかし…違った。
「そうか、手段は違えど目的は同じ…か」
手段が違えば、それが争いになる。
そういう理屈を通してる世界を見てきた裕太にとってはとても不思議な戦いに思えてきた。
『総員の作戦内容は当初の予定の通りアルファ4の支援。そのため、3分後の23:55にて現在いる目標1の危険度1エリアから所定の危険度3〜4のエリアに前進。アルファ4は危険度5エリアまで行く覚悟をしろ』
『『了解』』
「りょ、了解」
まだ、この雰囲気に慣れない裕太は遅れながらも返事をする。
危険度というのは彼らが独自に作ったエリアであり、1〜5に分けて死亡率や交戦率をもとその目標地点に振り分け、作戦の要にしているものである。
基本的に彼らは危険度1エリア、一番安全な場所に待機しており、作戦開始の直前に危険度エリア3以上に侵入する。
『さて、スタンバイフェイズの時間は5分、決して長くはないが焦らず絶対に時間をめい一杯使って目標地点に迎え、少しでも一点に留まる時間を作って自身の存在を暴露する可能性は極力避けろ』
注意事項をつらつらを並べるアルファ。
そして、
『さて、いつもの文句は終了だ。残り30秒!』
瞬間、部隊の雰囲気そのものが変わる。
『…5…4…3…2…1全員スタンバイフェイズに移行!邪魔するものは全員黙らせろ!』
『了解!』
「…」
それについていけない裕太は一歩遅れて飛び出す。
裕太の向かう場所は危険度5エリア。
裕太の場合、たどり着くことを目的としており、他の隊員と違い到着時間等は初めから設定されていない。
「こちらアルファ4、現在危険度3…道中に敵が一人」
『こちらベータ2、誘眠魔法によって無力化』
「了解」
道中の相手は静かに他の隊員が無力化していき、裕太の道が確保されていく。
その手際は恐ろしいほど良くほとんど止まることなく裕太目的の地点に着いた。
「アルファ4到着」
『了解、その場で待機せよ、メインフェイズ突入まで残り2分半』
アルファの冷静な声に裕太は安心して待機することができる。
『殘り1分、アルファ4反撃の合図の準備はいいか?』
「あぁ、いつでもできる」
『それでは0時ちょうどになると共に頼む』
アルファの言葉共に裕太は笑う。
彼がどこまで見通してるのかそして、裕太に配慮してるのかは彼には分からない。
しかし、異様に自分を立てるように動いている。
この作戦はおそらく、最初からそうつもりだったと分かるレベルにまで考えられていた。
『残り30秒』
「なぁ、アルファ」
『どうした?アルファ4…残り20秒』
「…いや、なんというか。俺だけじゃきっと失敗してた。ありがとな」
『…最後に言え。5』
「冷たいな」
裕太…いや、アルファ4の右脚が光る。
その膝には紋様が浮かぶ。
『4』
別の場所、目標1の入り口付近にあるベータは増援を断つ為に部下数人を控えさせて、入口に続く道のど真ん中に立っていた。
「何奴!?」
「誰だっていいわよね?あなた達はここでおねんねするだけなのだから」
『3』
「あ、あれはなんだ!?」
本殿の屋根の上に月と被る存在。
影ができ、警戒していた陰陽師の一人はそれに気づき指を指す。
その先には綺麗でありえないほどに銀色に煌めく月と同化しそうな銀色の髪を持つ少女の姿があった。
『2』
「貴様らどこから来た!?」
「どこから?だってよ姉貴」
「それはまぁ、空から?」
庭の中心にて今まさに降り立つ存在に気づく陰陽師達はその存在に圧倒されていた。
夜の闇を照らすような金色の髪を振り乱す少女、妖しく光るその紅瞳はまるで一睨みすればそのものを魅了して魂を抜いてしまうような不思議な魅力があった。
そして、もう一人の少年はまるで髪の延長かのような長く青いストールを巻き、その立ち振る舞いは荒れ狂う波のように激しく見える。
『1』
全体を見通せる…否、彼のいる場所は違った。
その地にいる男は見た。
まるで初めからその男のために用意された祭壇なのかと思ってしまうほどに堂々として封印の地の中心で数を数える存在に息を呑む。
『0』
裕太の振り上げられた足は急速落下して屋根をぶち破る。
その音はこの作戦にいた隊員全てに響き渡る。
それが
メインフェイズ開始の合図
全員が動き出す。
ベータと対峙した援軍はなす術もなく倒れ伏し。
「口ほどにも…いいえ、まだ来るわね。全員、徹底的に潰すわよ」
一方、屋根の上の存在を確認した陰陽師は唐突に気絶する。
仲間を心配して駆け寄る陰陽師がいる。
「大丈夫か!?何が」
屋根の上を見る。しかし、その時には先ほどの少女はいなかった。
それを知るとすぐに仲間を確認しようとする。
「余所見はいけないですよ」
後ろから迫り来る存在、アルファ2に気付かずに。
外から降り立ったアルファ1、アルファ3を確認した陰陽師達はすぐに動かなかったを後悔した。
しかし、例えどれだけ早く動けたとしてこの未来を変えられた怪しい。
目の前に映るのは理不尽な暴力。
赤黒い魔力が全員を拘束するために伸びる。
それによってほぼ全員捕らえられているが僅かに抜け出し一矢報いようと動ける陰陽師もいた。
しかし、
「洒落くせぇ!」
どんな力もアルファ3の拳の前では無力なものと化しその衝撃により残ったものたちの意識は刈り取られる。
それと共に赤黒い魔力に囚われて拘束される。
そして、アルファのいる封印空間。
アルファを目撃した男は土御門 隆。
この封印空間の管理を担うものであり老齢の男だった。
「来ると思ったよ」
「ここはお主のような部外者が立ち入って良い場所ではない」
「君も部外者だろ?夕刻ぶりだな、勇者霧島」
「戯言…無駄か…どうやって俺の変化に気づいたんだ、君は本人を知らないはずだろう?」
土御門 隆…否、霧島は土御門 隆の顔が煙のように変わっていき、夕刻に会った男のものに変わる。
そして、
屋根を破壊してアルファ4が辿り着いた先は…
「助けに来たぞ親友」
椎菜の元だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます