きょうの悪の組織部
天照学園のどっかにある悪の組織部の秘密基地。
内装もそれっぽいちょっと薄暗い司令室で金髪の美少年天村 志郎と黒髪の男の娘、倉崎 稜がいました。
「こう言う時って普通、ヒーロー部サイドから物語が始まるんじゃないですか?」
「作者曰く、「どうせ真面目に書いてもヒットしないし読まれないだろうし、じゃあ好きに書くわ」と言うスタンスだそうです。ぶっちゃけヒットしたいなら転生とか異世界とか流行のジャンルに乗っかって書けばいいですしね」
「時代は変わりましたね~」
「ヒーローロードが誕生したのはウェブ小説からの書籍化デビューなんて夢物語だった時代ですからね。ある意味あの頃が一番ウェブ小説に勢いがあった時代だったでしょうか」
などと天村 志郎、高校生は21世紀初頭の時代を懐かしみます。
「まあそれはともかく、倉崎君や。何か話があるとか言ってましたが」
「悪の組織部は世界征服ですよね」
「ええ」
「具体的にどうするんですか?」
「・・・・・・」
「・・・・・・?」
「どうしましょう?」
「考えてなかったんですか?」
倉崎 稜は表情を変えずに首を捻ります。
「ぶっちゃけこの作品の元ネタになったティンクル●イバーみたいなシステムにしてもいいんですけどね~だけど中途半端に差別化するとストーリー的に収拾がつかなさそうですし。まあ一応経済戦争ルートならワンチャンいけますでしょうか?」
「悪の組織部の意味ないですかそれ?」
天村 志郎君は天村財閥の御曹司設定であると同時に天才科学者で特許とかもメチャクチャ持って個人資産とかもヤバイです。
経済戦争ルートに行けば本当にやれそうです。
「だけど日曜朝の特撮番組で経済云々の生々しい戦いとかみたくないでしょうし、これは却下の方針で。紛争地帯に武力介入とかも考えましたけど正直めんどくさいですね」
「結局は元ネタになったティンクル●イバーみたいな感じで?」
「いや、あの方式だと迷惑掛かりますからサン●ッドのフ●シャイムみたいに対決の日時とか方法とかセッティングする方式で行くのがベターですね」
「何と言うか律儀な悪役ですね」
「悪役だからこそ暗黙了解とかそう言うのを守らなくてはならないのですよ。変身前は攻撃しないとかもそうですね。ぶっちゃけ殺すだけなら毒ガスとか爆弾で自宅爆破とか狙撃とか基地襲撃とか色々手はありますし、そんなのやったら子供達は泣きますから。特撮番組成り立ちませんよ」
「特撮番組って大変なんですね」
「そうなんですよ。暗黙了解を破れても出来るのは変身前攻撃ぐらいでしょうね」
「その線引き中々わかんないです」
「まあ部活続けて行けば分かるようになりますよ」
と、天村 志郎は優しく語りかけるのでした。
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