ヨモギくんとバビルサ 1
しかし、入ったはいいがどうする?パークの職員を探すか?
普通じゃない状況なのは間違いないし、絶対に職員が動いてると思うんだけどな……
「……お?」
これは……仮面フレンズホワイト?しかもRXじゃん。見た感じけっこう昔のソフビみたいだけど……
ん?こっちにも何か落ちてるな。なになに……“じゃぱりかじのけんせつばしょ”?
おいおいおい、動物園にカジノはいかんだろ。てか手書き感満載な企画書だな。それ以前に企画書なのかこれ?俺でもこんなきったねぇ字にはならんぞ。
なんか他にもちょくちょく落ちてるけど……
「おや?」
……うん?
「そこに誰かいるのかな?」
人の声……それも女の子の?
「おー、いるいる!ここ、ここ!」
「……ようやく誰かに会えたか。ひとまず安心したよ」
お互いに近付いてみたけど……髪が変な跳ね方してるな、この子。しかも白衣を上から着込んで……研究員か何か?
「私はバビルサ。ドクター・バビルサと呼ばれているよ」
「お、おぉ……俺はヨモギ。荷物運びで来たんだけど、ゲートが開かなくてさ。乗り越えちゃったんだけど、警報も作動しないし……」
「……なるほど。やはりパークの機能は全て停止しているか。しかし……」
あ、自分の世界に入り始めてるな、この子。
でも、ここで立ち止まってるのもアレだし……
「ねえねえ、立ち話も何だからどっかで休憩しない?話はそれからまとめようよ」
「ん?ああ、すまないね。なら、こっちに来てくれ。稚拙だが拠点を用意しているんだ」
拠点か。とりあえず付いて行__
“ズッ……ズンッ……”
……ん?何だこの音?
「チッ……ここにもいるか」
え?なになに?何かヤバイのいるの?
「急ぎたまえ。ここは危険だ」
「……何がいるの?」
「恐らくは……いや、変異体と言うべきか……とにかく話は後だ」
しゃあない。とにかくここはヤバイみたいだし移動するか。
〜〜〜〜
てな訳で来てみたんだけど……
「パーク内の施設はどこもダメでね。この辺一帯が霧が薄くなっていたから、こうやって至急こしらえたんだよ」
テントだ。赤と青と黄色の三つの。上手いことキレイに並べられてるな。
「これ一人で全部?」
「フレンズも職員も客も、私以外に無事な者は見つからなくてね。なに、こんな事もあろうかとすぐに組み立てられるようにしておいたんだ」
こんな事もあろうかと理論を実践しちゃう子、俺以外にもいるんだな……
「……さて、どこから話そうか?」
「うん。そうだな……じゃあ____」
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