巻き込まれなかったヤツ 4
“ハァ、ハァ……!お前みたいな奴には分からんだろうな。俺の成し遂げようとしている事なんて__”
自分語りイタイっすお兄さん。自己評価高過ぎ高杉くんじゃない?
「そんなんどうでもいいからさ、パークの扉開けてくんね?お前が閉めてんだろ?」
“どうでもいいだと……?お前、あれだけ言ってまだ分からないのか”
「知らん。少なくとも俺の仕事には関係ない」
“ーーーーーーッッ!!!!”
あ、またキレた。
こいつ何なの?お前には理解できないだろ的な事言った矢先にこれだよ。カルシウム足りてないんじゃない?牛乳飲めよ。
つーかさ、こいつと押し問答してても話が進展しない気がしてきたわ。とりあえずゲートよじ登ってみりゃ入れるんじゃね?
怒られちゃうかな?でもま、緊急事態だから問題ないよな。パークのシステムがハッキングされてるかもしれないってんなら尚更だよな。
てなわけで……
「お前が開けないんなら無理矢理にでも中に入るわ。んじゃ」
“黙れ!!このニセ__”
はいさよなら。おばちゃんクレーマーかっつーの。耳元でキンキンうるせえぞ。
てな事で、まずはマイ探検セットだ。こんな事もあろうかと、いつも隠し持ってんだよなぁ。
……マジで使う事になるとも思わなかったけどな。こんな特殊過ぎる状況、恐らくこれからの人生で二度と起こらんと思う。
テッテレー!鉤爪フック付きロープぅー!ゲートに引っかけて中に侵入してやる!
警報装置とか作動するかもだけど、それはそれでいいだろ。もしそうなって職員が来ても「ゲートが開かなくて中に連絡もつかなかったんだよ!おたくのシステム管理態勢どうなってんの!」って逆ギレしてやりゃいいさ。
誰一人として反応しないってのには正直ちょーっとだけイラッとはしたからな。それぐらい言ってもバチは当たらんだろ。
……なーんてちょっと考え事してる内に。
「はいとうちゃーく」
……警報、鳴らなかったな。マジでどうしたんだよジャパリパーク?世界に誇る巨大動物園がこんなザル警備なの大問題以外の何でもないぞ。なんか違う意味で不安になってきたわ。
てか、それ以外にも……何だこれ?えらい霧が立ち込めてるな。1m先も見えねえぞ。
外はそんなに霧は出てなかったし、いよいよヤバイ事になってんじゃないかこれ……?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます