VSフレトラマンシーラ 3

飴を拾いながらどんどん薄暗い森の中を突き進むパフィン。少しすると、石の床が敷き詰められた円形の広場に出る。


飴はそこで途切れており、最後の一つを拾い終えたパフィンはゆっくりと顔を上げる。すると、そこには姿が見えなくなっていたシーラが一人立ち尽くしているではないか。


「あ、シーラさん!だいじょぶですか!?」


大量の飴を抱えたパフィンがシーラに駆け寄ろうとする。しかし、シーラはそれを遮るかのように右手を真横に突き出す。

その手には、何やら赤い取っ手のような四角い物が握られている。


「……シーラさん……?」


不気味な雰囲気を滲み出させるシーラに、思わずパフィンは足を止める。それを見計らったかのように、シーラは突如声高らかに叫び出した。


「ジーッとしてても……ドーにもならねえ!!」


呆然とするパフィンを尻目に、シーラは懐から小さな何かを取り出しては四角い物へとはめ込む。


「ユー・ゴー!」

\ッシュァ!!/


四角い物から無駄に力のこもった声が響くと、さらにもう一つ何かを取り出してはそれにはめ込む。


「アイ・ゴー!」

\フンゲェ!!/


「ヒア・ウィー・ゴー!」

“フレンズライズ!!”


「決めるぜ、覚悟!」

“フレトラマン!フレトラマンセリアル!セルリティブ!”


そして、シーラの全身が奇妙な光に包まれて叫び声をあげんとする今まさにその時だった。


「ジイイイイィィィ____」

「ドゥオルァアアア!!!!」

「ぷぃいーーーー!?」

「げぶぉ!?」


突如視界がめちゃくちゃになったパフィン。その身体は宙を勢い良く飛んでいき、シーラに体当たりをぶちかましては彼女が今やろうとしていた何かを完全に阻止してしまった。


「ぐううぅ……変身バンク中に攻撃をするなど言語道断!ルール違反なんだぞぉ!」

「うっさいでち特撮オタク!!」


パフィンを勢い良く投げ飛ばしたのは、茂みから飛び出しては鬼気迫る表情でシーラに怒鳴りつけるジョフだった。


「ジョフさんひどいでーす……」

「パフィン!!そいつを変身させちゃダメでち!!変身したら色々とヤバイ事になるでち!!」

「色々って?」

「確実に怒られるような事になるって言ってるんでち!!こんな所で終わらせたくないでち!!」


何やら訳の分からない事メタ発言を叫ぶジョフにパフィンは首を傾げながらも、めげずに立ち上がるシーラに目を向ける。

そこには先程と同じように赤い何かに細長い何かをはめ込むシーラが。


「ユー・ゴー!」

\ハワァ!!/


「アイ・ゴー!」

\ヤギィ!!/


「ヒア・ウィー・ゴー!」

“フレンズライズ!!”


「燃やすぜ、頭脳!」

“フレトラマンホワイトレオ!フレトラマンジラフ!フレイムディティクティブ!”


そして、シーラの全身が奇妙な光に包まれて叫び声をあげんとす


「ジイイイイィィィ____」

「パフィンミサイル!!」

「ぷぃいーーーー!?」

「ぐふえぇ!?」


変身バンクはジョフに投げ飛ばされたパフィンによってまたも阻止された。


「ぐううぅ……念願のフレトラマンに変身したいだけなのに、なぜ邪魔をするぅ……!」

「やめろバカァ!!死にたいでちかぁ!!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る