アカリ、気付く 2
「何これ……サンドスターの影響……?でも、こんな事……」
次第に思考処理が追いつかなくなるアカリが唖然としたまま立ち尽くしていると、突如背後から不気味な声が聞こえてきた。
「いけないネ?いけなイよ?ここはあなたの来る場所じゃない」
「ッ!?」
思わず後ろを振り返るアカリ。しかし、そこには誰もいない。
得体の知れない状況による恐怖から心臓の鼓動はさらに高まり、辺りがいつの間にか残像も消え去っている事にすら気付かない。
同時に「この気味の悪い空間にたった一人」という孤独がこみ上げてきて、マイナスの感情ばかりが心を蝕んでいく。
アカリの脳裏によぎったのは、つい先程まで一緒に楽しく行動していたはずの二人の姿。
そして、無邪気に笑うパフィンと、どこか寂れた雰囲気ながらも安堵感のある笑みの__
「あナた、あの小鳥ちゃんのお友だちdeathか?」
「……?」
ふと、不気味な声が耳元で囁く。
小鳥。その言葉に思わず反応し、再び後ろを振り返る。
そこにいたのは、目にギラギラとおぞましい光を宿し、飛び出さんばかりに見開かれた目の中で左右が別々の方向にギョロつく黄色い瞳に真っ黒な眼球でこちらを見据え、口は耳まで裂けていると見紛う程に口角を吊り上げてニヤつく異形の化け物だった。
「ひっ……!」
小さな悲鳴をあげ、アカリは思わず後ずさる。
それを見た化け物は不可解な笑い声をあげながら宙をふわふわと漂い始める。
「いーっひ火っひヒ!びっくりしたね?びっくり死たよ!」
呆気にとられ、恐怖で顔が強張りながらも化け物に目を奪われるアカリ。
それに構う事なく、化け物はふわふわと彼女の周囲を漂いながら言葉を続ける。
「きさま、小鳥ちゃんのお知り合いだね?そうだロうさ、そウだろうさ!そんなソナタにEこと教えたげヨうね!」
「いい事……?」
「パークのモンスター、倒す方法教えたげる」
〜〜〜〜
場所は変わり、パフィン達のいるジャングル。
「……ゲホッ」
「……ひどいでず……」
「なんでちか、これ……」
化け物タビーが最後に起こした大爆発に巻き込まれた三人は全身黒焦げになり、頭もアフロヘアーと化していた。
「な゛ん゛て゛ち゛か゛こ゛れ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!!!!!!」
そして、やり場のない怒りをぶちまけるかのごとくジョフの叫び声がジャングル中に虚しくこだまするのであった。
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