Arnold, hurry up
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※この話のセリフは英語もしくは日本語吹き替えボイスで喋っていると思ってください。
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緊急避難エリアの一角、職員用スペース。
そこでは一人の男がハクトウワシのフレンズと共に忙しなく動き回っていた。
「アーノルド!ラッキービーストから財団の現状が送られてきたわ!」
「内容は!」
「ミーム汚染で財団が騒動自体を認識できていないみたい……最悪……!」
「くそっ!動きがなさ過ぎると思ったらやっぱりか!ミーム汚染の対処ぐらいしやがれってんだ!」
悪態を吐くアーノルドにハクトウワシは苦い表情を浮かべると、近くのテーブルに設置されていたラッキービーストの目が淡い緑色の光を帯び始める。
「電波ガ復旧シタヨ。電波ヲ受信デキルヨ」
「……あ、通信がつながるようになったわ!」
「貸してくれ。こちらアーノルド!誰かいるか!」
“こちらクリス!アーノルド!これ一体何が起きてんだよ!?何で財団動いてないの!?アホなの!?”
「同感だが落ち着け!逃げ遅れた奴はもういないか!?」
“今まさに目の前にいるんだよ!アフロが三人と寝てるおチビが一人!”
「パークの中にディスコを建てたのはどこのバカ野郎だ!とにかく至急そっちに向かう!そのまま現状報告を続けろ!通信は絶対に切るな!」
“了解!応急処置は済んでるから早く来てくれよ!”
アーノルドはラッキービーストを小脇に抱えると、大きなバッグやポーチを装着して職員用スペースから飛び出さんばかりの勢いで出て行こうとする。
しかし、ハクトウワシはアーノルドの手を握り外へ出すまいとそれを阻止する。
「一人で行くつもり!?」
「財団の連中の汚染処理には時間がかかる。逃げ遅れた奴は少ししかいないから担いで戻ってくる!」
「フレンズ絡みになると無鉄砲になるの直しなさいよ!私も行くわ!」
「
「
「一人でも欠けたら連携が取れないだろ!いいから残れ!」
「あなたの身に何かあったらどうするのよ!そんなの絶対に耐えられない!」
ヒステリックに叫ぶハクトウワシがアーノルドの手を握る力を強める。すると、アーノルドはハクトウワシを引き寄せて強く抱擁する。
「俺を誰だと思ってる?パークの人気ガイドアリスちゃんだぞ。そう簡単にくたばってたまるかってんだ」
「イヤよ……離さないで……!」
「約束する。絶対に生きて帰ってきてやる。全部済んだら嫌って言っても離さないでいてやるさ」
「…………」
しばし無言の時間が訪れた後、ハクトウワシは静かにアーノルドを抱きしめる力を弱めてゆっくりと離れていく。
「……破ったら許さない。地獄まで付きまとってやるから」
不安げに見上げる彼女に、アーノルドは笑みを浮かべながら肩に手を置く。
そして、彼女に背を向けて外への扉を開き__
「フレンズなら、地獄からでも愛してやるさ」
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