VSカオスなタビー 11
「あーーっはッ8っハッ歯!!なんちゅーひでぇ悲鳴をあげるんだ!!」
空間に響き渡る、姿が消えたはずのタビーの笑い声。それはハンマーのある方__否、ハンマーそのものから聞こえてきた。
さらにハンマーはガタガタと小刻みに震え、ゆっくりと宙に浮かび上がる。
「さあて、次にかわイいお尻をひっぱたかれたいのはDAーれ?」
ハンマーはブンブンと轟音を唸らせながら素振りをしつつ、ゆっくりと二人に迫り寄る。
「ひいぃ……おしりペンペンはイヤぁ……!」
「落ち着いてパフィン」
涙目になって後ずさるパフィンの隣で、シーラは一人落ち着いた様子で迫り来るハンマーを見据えながらパフィンの耳元で囁く。
(パフィン。よく聞いて)
(ふぇ……?)
(あのね__)
「ふひヒひひ!叩き甲斐のある方ハどーっちだ?」
それから少しして二人がゆっくりと離れたのを、ハンマーの掌から覗く目がギョロリと睨みつける。
さらに周囲に浮かぶ首もゲラゲラと笑い出し、おぞましい空気が二人を包み込み始めた時だった。
「どりゃあぁあーーーー!!」
「ドギノゴォ!?」
突如、空間内に響き渡る程の絶叫を放ったシーラが近くに浮いていた首に向かってスパナを勢いよく振り下ろした。
首は奇妙な悲鳴をあげながら地面に叩きつけられ、他の首やハンマーの注目は一斉にそちらへ向けられる。
「ひどいことシなさる!?」
「他人のこと言える立場じゃないでしょ!!」
しかし、その時に生まれた一瞬の内にパフィンはサンドスターの輝きを放ちながら超加速でハンマーに向かって突撃する。
「フィーーーーー!!!!」
「ヅナギィ!?」
掌の目がある部分にパフィンの頭突きをモロに食らったハンマーはこれまた奇妙な悲鳴をあげながら軽く宙を舞う。
そして地面に土煙をあげながら倒れると、悶え苦しむように地面をのたうち回った。
「A@A@AAAA@@@!!!!目がァ!!目があぁあ@@@AAAAAAーーーーーー!!!!」
「今でーす!!ぬおおおおえぇい!!」
と、次の瞬間、地面を転げ回るハンマーの柄をがっしりと掴んだパフィンは、力の限りそれを持ち上げては近くを浮遊する首に向かって躊躇なくそれを振り回し始めた。
「どあああーーーー!!ありゃーーーー!!ほょああーーーー!!」
「ホ゛わ゛ァ゛イ゛ッ!?」
「あ゛ぁ゛る゛エ゛っ!?」
「阿゛毛゛御゛目゛ぇ゛!?」
「弧゛都゛四゛露゛ぉ!?」
シーラの突拍子も無いアクションに気を取られていた首達はパフィンの攻撃に気付くのが遅れ、次々に地面へと撃墜されていき、ゲームの敵キャラクターのように小さな爆発を起こしてはサンドスターの輝きとなって消滅していく。
「パフィンちゃんのお友だちをいじめる悪い人はぁ!こうでーーす!!」
そして空高く飛び上がったパフィンはハンマーをしっかりと握りしめ、地面に向かって急降下する。
「@゛@゛AAA@!!ジェットコースタあああA@A@A@A@A@A@!!!!」
ハンマーが目から大粒の涙を流しながら悲鳴をあげるのも構わず、パフィンはそのハンマーを
「おおぅりゃあああーーーー!!!!」
「……あ、パフィン!ちょっと待っ」
“ズゴオオォオッ!!”
何かを思い出したように制止をかけようとしたシーラの声に気付かないまま、ハンマーを一気に地面へと叩きつけた。
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