VSカオスなタビー 10
「トラック・アーんド・トリーtoメント!!」
そこへ間髪入れず先手を打ったのはタビーだ……が、それは攻撃を迎え撃とうと構えた三人が思わず動きを止めるには十分すぎた。
タビーが手に持つハンマーの指先から、ニュルニュルと細長いものが這い出てきたかと思えば、それは瞬時に丸みを持ち始め、目も口も耳もある____タビーの顔そのものが1、2、4……全部で10個も生えてきたのだ。
「ルパン4世?水着泥棒のMA違いさ!」
「電波なオサルさん!」
「ヒトのフレンズ型のセルリアんって……こわいね!」
「夢見るホワイトライオん太郎の料理をくらえ!」
「腹ペコつなぎ服とキリンが事件nO犯人を暴く!」
「ヘビとトリのラブスとーリーを見逃すな!」
「滅んだパークにヒトのフレンズが帰ってきたヨ!」
「Aライグマの花嫁!」
「このブドウ、すっぱい!」
「あ、皆さんの作品楽しく読ませて頂いてます」
しかも喋っている。ゲラゲラと不気味に笑うもの、怯えたように顔を引きつらせるもの、キリッとした眉毛のものなど表情も様々で、各々が好き勝手にやかましく喋っている。
「なにあれ……」
思わず呟いたシーラが表情を引きつらせ、一歩後ずさりする。しかし、次のアクションを起こす間もなくハンマーから首が離れてふわりと空中に浮かび上がり……
「くらえ!TASmAnIaボンバー!!」
タビーが叫んだ瞬間、首は顎が外れんばかりに一斉に口を開く。そして口から白い光を放つ極太の光線が三人に向かって一直線に飛んでいく。
「避けて!!」
「ぎにゃあぁあ!?」
「ひゃーー!!」
直前、いの一番に叫んだシーラを皮切りに三人は光線が放たれた瞬間とっさにその場から飛びのく。
耳をつんざくような爆音が辺りに響き渡り、それぞれ別方向に散った三人は目の前の光景に唖然とする。
もうもうと立ち込める煙が晴れた先にあったのは、焼け焦げたような嫌な臭いが漂い、クレーターのように地面がえぐられていたのだ。
「ひっ火っひ!やりますね!やりやGAる!今のを避けるたぁタイしたもんですぜ!褒美にこいつをクレテヤル!!」
煙の向こうから叫ぶタビーがハンマーに身体をすり寄せる。すると、その身体はハンマーの柄に吸い込まれるように消えていき、そこには地面に微動だにしないまま立ち尽くすハンマーだけが残った。
「ぬぐぐ……ふざけるんじゃないでち!お返ししてやるでち!!」
「ジョフ、待って!」
それを見たジョフはシーラの制止も聞かず、ハンマーに向かって一気に距離を詰め、爪を光らせた手を大きく振りかぶる。
が、次の瞬間、棒立ちのハンマーはジョフをかわし背後に回り込むように大きく傾くと、ハンマーの掌の部分でジョフの尻に強烈な一撃を叩きつけた。
「っあ゛ーーーーーー!?」
『ベチィン!!』と尻をひっぱたかれたジョフはそのまま猛スピードで吹っ飛んでいき、遠くの壁に思い切りぶつかると轟音と共に巻き上がる土煙の中へと消えてしまった。
「ジョ、ジョフさぁーーん!?」
「もう、だから待てって言ったのに……」
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