パフィンちゃん捜索隊②

それから大泣きしていた二人の姿はさすがに周囲の目に入ったようで、近くにいたパークガイドに連れられて幾分かスペースに余裕がある場所にある椅子に座らされた。

ガイドは避難してきた人達の誘導や指示に忙しいようで、二人にジャパリまんを渡すと忙しなくどこかへ行ってしまった。


残された二人はジャパリまんを食べながら、ここにたどり着くまでの経緯を話し始める。


「パフィン……お前、一人でここに来たんでち?」

「PPPのライブをおじさんやアカリさんと見に行ってました……その時に二人とはぐれちゃって……うっ……うぅ……」

「な、泣くことないでち!そのうちきっと見つかるでち!」

「ぐす……はい……」


ぽろぽろと涙をこぼすパフィンを慌てて宥めると、ジャパリまんを一口かじりながら今度はジョフがここに来るまでの経緯を話し始める。


「……ジョフはあの警報が聞こえた後、ガイドさんにバスに乗せられてここまで来たでち」

「バスですか……?」

「バスはゆっくり走るのに、いつもより速く走ってたでち……ちょっとだけ怖かったでち」

「バスを降りてからは一人ですか?」

「バスの中で一緒にいてくれたガイドさんもどこかに行っちゃったでち……ひとりぼっちでここまで来たでち……」


そう語るジョフの声は段々とトーンが暗くなっていき、瞳に涙が浮かび始める。

すると、不意に頭に小さな温もりが置かれるのを感じ、ふと顔を上げる。

ジョフの頭の上にはパフィンの小さな手が置かれ、その頭を撫でていたのだ。


「ふわ……」

「パフィンちゃんがいるんで一人ぼっちじゃないです!だから泣くことないです!」


先程まで顔をぐしゃぐしゃにして泣きじゃくっていたとは思えないほどにニッコリと笑うパフィンに面食らい目を丸くするジョフ。

すると何とも言えない気恥ずかしさと照れ臭さがこみ上げてきたのか、顔を赤くしながらパフィンの手を慌てて振りほどく。


「ジ、ジョフはもう子供じゃないでち!そういうのはガイドさん以外にしてもらなくても……あ」

「ガイドさんならいいんですかー?」

「ぢぎぎぎぎ……お、お前だっておこさまでち!人のこと言えないでち!」

「む!パフィンちゃん子供じゃないです!」


と、やいのやいのと言い合いをしている内にすっかり元気になった二人はいつしか近くのラッキービーストが運んでいたジャパリまんを掴み取り、食べ比べを始めたのであった。


その後、近くを通りかかったガイドに二人仲良く叱られたのは言うまでもない。

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