パフィンちゃん、スネる②

……と胸を張って言ったものの、どうしたもんでしょう。

あの人が帰ってしまった今、パフィンさんの機嫌を直す手段が……

アーノルドさんのお菓子作戦もことごとく失敗。困りましたね……


「ガイドさん……」

「え?」


あ、いけない。エトピリカさんがまだいたんだった……

……ん?そういえばエトピリカさん、よくパフィンさんと一緒にいたような……


…………背に腹はかえられません。エトピリカさんに聞こえないように……


「あの、エトピリカさん……」

「ふぇ?」

「あ、パフィンさんに聞こえないように……こんな事を聞くのはパークのガイドとして恥ずかしいとは思うんですけど、教えてほしい事があるんです」

「え、なになに?」

「パフィンさんが好きなもの、教えてほしいんです」


〜〜〜〜〜〜


所変わり、こちらはパーク内に存在する火山。

この火山からは、フレンズ達を誕生及び活性化させる『サンドスター』という謎の物質が不定期に起こる噴火と共に放出される。


まだヒトがパークに戻って来れなかった頃、この火山及びその周辺では、『サンドスター・ロウ』と呼ばれる黒い物質によって巨大化した黒いセルリアンと、パークを守るべく奮起したフレンズ達による激しい戦いが繰り広げられた。


それからセルリアンの数は急速に減っていき、ついにはパークにヒトが戻って来ても差し支えない状態にまで危険レベルは低下。


現在ではラッキービーストが記録した過去のデータでその姿を確認できるのみで、直接その姿を見たという報告はパタリと途絶えた。

仮に目撃情報が挙がったとしても、それはイタズラ好きなフレンズ達による仕業だったり、ネット上でよくあるデマだったりと、その存在は半ば都市伝説のようなものとして扱われつつあった。


「…………」


扱われつつあった。


はずだった。


「……____……」


夜の闇に包まれ足下すらよく見えなくなった火山の頂上。

パークから完全に姿を消したはずのは蠢くように形を歪ませながら、まるで何かに導かれるかのように麓への道を這いずっていく。

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