第65話 宴会

メイド「連れてきました。」


ティン「こっちへ。皆様お待たせしました。私の父と同じ国から来たクーヤンです。でわクーヤン、一言挨拶したあと、乾杯の音頭もよろしくね。」


 まさかの無茶ぶり‼‼ 咄嗟に沖縄にいたとき教わった挨拶をした。


「はいさーい。いちゃりばちょーでーぬーふぃだてぃぬあが。乾杯」【いちゃりば(行き会えば)ちょーでー(兄弟)、ぬーふぃだてぃぬ(何の隔てが)あが(あるのか)】


 後々、沖縄で習った方言で挨拶を交わした事を後悔することになる。


全員「乾杯‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼‼」


 百人以上の人が一気に乾杯をする。それにしても広い部屋だ。千人以上入るんじゃないかな?


「ティン姫、今日はありがとうございます。こんな素晴らしい席を。」


ティン「気にしなくていいわよ。竜球王国の人達は何かを理由に飲みたいだけだから」


 まさに、沖縄に近い。もしかしてこの広さ、さらに人が増えるのでは?気になったので聞いてみた。


ティン「よく分かってるわね。」


 やはりな。沖縄の全国大会のときに、仲良くなった人の家に招待されたとき、親戚や近所の人達が集まって朝方までのんでたからね。きっとこのパターンだ。


島の人達「あい、飲んでるか?飲めー飲め-。」


 来た。沖縄の洗礼だ。先ほどの方言の挨拶で、一気に距離が縮まったために、村の人達が順番に注ぎに来てくれる。

 一つのグループ相手に5分ほど挨拶をかわしながら対応すること1時間近く、やっと落ち着いたかと思えば、周りがざわめき始める、本日のゲスト、エウリュアレー・セイレーン・ドワーフが来たからだ。

 ドワーフは、酒の席にドワーフありと言われるぐらい酒好きだから、ここに来るのは当たり前だが、残りの二人は珍しい、いや、ここにいる人達のなかで竜姫だけが会ったことがある。だからこそ周りがざわついている。


 中華国で、ドワーフを見かけなかったし、話しが出なかったからこの世界にいないと思っていたが、ここで会えるとは‼‼


ティン「こちらがクーヤン、父と同じ国から来た人よ。」


エウリュアレー「確かに似ているわね。エウリュアレーよ。よろしく。」


セイナ「私は歌国の女王、セイレーンのセイナ。よろしくね。」


ドラム「ドワーフの長老、ドラムだ。よろしく。」


 魔眼を使用して驚いた。エウリュアレーもセイナも千歳を超えている。ドラムは350歳と若く感じる不思議な感覚だ。

 

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