第58話 ボーノ男爵との密談。

 イウにボーノ・リー男爵と話が出来ないか確認をすると、問題ないとの事で屋敷に行く。


「急な訪問に応じて頂きありがとうございます。」


リー男爵「まずはお掛けください。」


「失礼します。」


 ナーミが調べ上げた情報によるとボーノ・リー男爵は、誠実で裏切る心配はなさそうとの事で、本題を切り出す。


「早速本題ですが、私の奴隷の中に王族派のクレメンス男爵の娘シシリーがおります。一度親に会って話がしたいとの事ですが、仲介役になって貰えないですか?」


 一瞬顔色が変わった後、口を開く。


リー男爵「無理ですね。娘が奴隷になっていると知れば、クーヤンに被害が間違いなくでます。」


 最もの意見だ。


「奴隷を解除するなら、どうですか?」


リー男爵「それなら仲介役でしたら引き受けます。」


「ありがとうございます。それとマードック男爵が何処に住まわれているかご存じですか?」


リー男爵「最近ここの街へ来てますよ。」


「ありがとうございます。誠に申し訳ないですが、この事は内密にお願いできないでしょうか?」


リー男爵「それはカナータ伯爵が関係してるからですか?」


 その言葉を聞いて青ざめる。まさか…


リー男爵「安心してください。私はカナータ伯爵いえ、王都との関係はありません。」


 その言葉に違和感を覚えつつも話題を変える。


「イウ殿の上達は本当に見事です。」


 急に話題が変わった事で少しだけ眉をひそめたが、息子を褒められたらさすがに笑顔になる。


リー男爵「ほう、そんなに上達したのか、」


「はい。一カ月あれば、Eランク冒険者並みの強さになる勢いです。」


リー男爵「それは楽しみだ。」


 少しばかり会話をしたあと、クレメンス男爵と話がついたら連絡するとの事で、屋敷をでた。

 今日の訓練が終わった後、奴隷達と会話をする。


「マードック男爵はこの街にいるみたいだ。レレイどうする?」


レレイ「ナーミの情報では知り得なかった事ですので、慎重に対応したいです。」


「ひとまず保留だな。クレメンス男爵についてはボーノ男爵が仲介役になってくれるそうだ。」


シシリー「ありがとうございます。」


 軽く会話をしたあと、食事を終える。エリーナに少し話があると言われて二人だけで、街を歩く。貧民層を抜けてスラム街の入り組んだ道を歩む。その間に小声で話をしてきた。

 先日の夜、見張られているのに気づいて、単独追ったさいに接触した。反王都の組織ツヴァイヘンダーのリーダーに会わせるとのこと。








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