第54話 デスタ街

 デスタ街付近で、立ち止まっている。もしかしたらカナータ・ウーユの手が回っている恐れがあるためだ。

 

 街を出てきた商人に声をかけて情報を聞き出す。幸にもデスタ街には情報は来てないようだ。そのまま街へ入る手続きを行う。後にこの行為を悔やむ事になる。

 

 デスタ街は、王族派が集まって会議などが行われているだけあってかなり広い街だ。まずは宿を探すのだが、貴族区、平民区、貧困区、冒険区と、四つの区分に別れている。因みに貴族区に無断に入るのは死を意味する。トラブルを避けるために、貴族区から離れた場所【平民区】にある(流浪の集い)と言う宿へ泊まる。名前の通り流れ者が集まっているため、いろんな情報が聞ける。

 

 一階には食堂があるのだが、相席NGと書かれたテーブルが三つあるだけで、他は相席OKとなっているため情報交換が頻繁に行われている。2階は男女同じ相部屋で、3階は男女別の相部屋となっていて、4階・5階は個室となっている。隣接に商業宿もある。

 

 個室二つを取り、戦闘奴隷と貴族奴隷にわけて部屋へ行って貰い。俺は、3階の男だけの相部屋を取る。部屋に入ると8人程いる。外出してる人を合わせて20人はいるそうだ。とりあえず、今日は人の話しを聞きながら寝る。


翌朝。


「おはよう」


全員「おはようございます。クーヤン様」


「ギルドへ行く」


 サンとテッサを連れてギルドカードの拠点を変更するためにギルドへ向かう。


受付嬢「おはようございます。」


 拠点移動をした後に、オオヨロイトカゲの売却を行った。その後、依頼ボードを見ると様々な依頼がある。今回は貴族側と接触を図るのが目的の為、貴族からの依頼を探す。唯一受けれるのが、ボーノ男爵からの依頼で、ランクD依頼の【10日間子供に稽古をつける】だけだった。それを受付へ持って行く。


受付嬢「すいません。ボーノ男爵に確認をしますので、夕方にもう一度来て頂けますか?」


 そもそも貴族の依頼はBランク冒険者以上のみが受けれるのが普通なのだ。それが、ランクD冒険者でもない人物が依頼を受けても良いのか確認をするようだ。夕方に来ることを伝え、街を歩く。

 

 服屋、防具屋、武器屋、道具屋を次々に回り、最後は奴隷商に来てる。オークションが行われている街だけあって奴隷商も多い。一通り見て回って相場も把握した事だし、屋台へと移動して、大量に串を購入して宿屋へと戻る。



 

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