第二部 プロット講評会
様々なお話を聞けた第一部が終了し、ミーティングは第二部のプロット講評会へ。
私は「サイバーセキュリティ小説コンテスト」でプロットを作成し提出したので、今回はスニーカー文庫の編集さんにみてもらいました。
ちなみに、ここで追加応募でいらっしゃった方々は解散です。
ちらりと見やると10人いないくらいでしたので、もっと当選させてあげればよかったのに、なんて思いました。
ここで、急遽JNSAの本川さんが質問コーナーにて応答するという事が明らかに!
私にとってはとてもありがたかったのですが、順番が前から三番目でしたのでプロット講評を優先してとりあえず席にて待機です。
また、本川さんの隣のスペースではカクヨムのシステムを担当されている「はてな」のエンジニアさんたちが仕様の感想や改善点についての要望を聞くためのコーナーが設置されており、参加者のみなさんはプロットの順番が来るまで思い思いの過ごし方をされていました。
私はプロット講評でどんな指摘が来るのか恐々としながらも、「こんな考えなのでこうしています」という一応の言い訳を返せる準備を頭の中でしておりました。(笑)
講評会はそれぞれAブースがL-エンタメ小説、Bブースがサイバーセキュリティ小説コンテスト、Cブースが地元のイイ話コンテストで、各ブースに約10人ほどが順番に呼ばれます。
Aブースでは堤さんを含めプライム書籍編集が3人ほど、Bブースではスニーカー編集が2名、Cブースでは九島さんを始めとしたウォーカー編集の5,6人がスタンバイしていました。
私が座っていた席が偶々Cブースの近くだったのですが、地元のイイ話コンテストのプロット講評会は人数が多い事もあり和気藹々とした雰囲気で話し合っている様子が聞こえてきました。
このおかげでいくらか緊張も緩和された気がします。
第一部が終わってから準備も含めて約30分ほど経った頃。
ついに私の番がやってきました。
折角落ち着いた心も自分の持っているカードの番号が聞こえた瞬間にまた変なリズムを刻み始めます。もしかしたら変な顔をしていたかもしれません。
いざ、Bブースへ!
Bブースには物静かな感じの30代くらいの男性と、優しそうな20代くらいの女性の2人が待っていました。
主な進行は男性の方がされて、女性は何かあれば補足や意見を言っていく、という感じでしたね。
よろしくお願いします、と簡単な挨拶をして早速講評の開始です。
――まず始めに聞かれたのが『キャラクター』についてでした。
私は主人公(男)とヒロイン三人の4人分をキャラクターの項目に書いていたのですが、「ストーリーや設定に対してキャラが軽いのは何故?」といった指摘でした。
補足としてキャラの設定が悪いという訳ではなく、ストーリーと世界観がシリアスに感じた分気になったとの事です。
そこは私としてはわざとそうしていたので簡単に答える事ができましたが、心の中で恐縮していました。
私の回答を聞いた編集の方が「計算されていたのですね。それなら問題ないです」と答えてくださったためです。
計算なんて大層な事やってません何となくこうした方が良いかなあっていうフワっとしたイメージですすみませんー。
――次に指摘されたのが『技術に関するリアリティ』でした。
私は「IPアドレスをハッキングして住所を割り出す」という事をあらすじの一部に書いていたのですが、「これは現実的に可能な事なのか?」といった事を聞かれたのです。
私はネット関係は全くのド素人で、コンテストの告知があってから勉強を始めたほど。このネタもネットで軽ーく調べた程度でしたので、正直に「多分できると思いますけど、あまり自信はないので分かりません」と答えました。
ちなみに、スニーカー編集の人たちも「僕たちも専門ではないんで、よく分からないんですよ」と苦笑しておられました。
「え? それでいいのか?」とも少し思いましたが、編集は面白いかどうかの判断をするのだからそれでもいいのか、と考え直しました。
第一部で本川さんが「現実に基づいた技術でネタを広げて欲しい」といった事を仰っていましたが、この考え方はスニーカー編集部と共有しているのだな、とよく分かった指摘でした。
やはり、技術者の方をガッカリさせるような「なんちゃって技術」を扱うのは止めておいた方がよさそうです。
さて。
実はこれで編集の方からの質問は終わりでした。
個人的にはもっと「ここはこうした方が良い」といった指摘をされるとばかり思っていたので拍子抜けしてしまい、「え、これでお終い?」と逆に少し焦ったほどです。
折角プロット講評会に来たのだからこのまま終わるのは勿体ないと思い、こちらから「こんな感じで考えているんですがどう思いますか?」といった提出プロットに書ききれなかった事を質問してみました。
実際にした質問は以下の通りです。
Q.―—AI vs 人といった構図は多くの作品に見られるが、主催・協賛はJNSAなどの技術者である点も踏まえて、技術から生まれたものを単純に悪とするのは私はあまり良くないと考えている。これに関してスニーカー編集はどのように考えているか?
A.――技術を悪用している人が悪いのであって、技術そのものを悪として描かない方が技術者としては嬉しいと思う。また、技術で起こした事件の背景には人間がいるという方が自然。
Q.―—プログラミングやハッキングなどのサイバー攻撃を他のものに置き換えて表現する事についてはどう思うか?
(*ネタバレになるので凄いボカしていますが、実際はもうちょっと具体的に質問しています。分かりにくくてすみません(汗))
A.―—良い思う。サイバーセキュリティの啓発がコンテストの目的であり、セキュリティに興味を持っていなかった読者に対して取っつき易くする「内容の置き換え」は有効な手段。難しい技術の説明をそのままするよりは分かりやすいほうが良い。
これ以上、咄嗟に質問が出てこなかったので私のプロット講評はこれにて終了。
約5分程の短い時間でしたが、気になっていた事を直接編集さんに聞けたのはとても有難い経験でした。
最後に女性の編集さんの方から、「私は今回提出されたプロットの中でも、これが特に面白いと感じましたよ」という言葉まで頂いてしまいました。
流石編集さん。書き手のモチベーションを上げるのが大変お上手ですね。(笑)
例えお世辞だと分かっていても、書く気持ちがモリモリ湧いてきます!
ありがとうございました!
プロット講評も終わり、自分の席へと戻った私は今度は部屋後方で質疑応答している本川さんのもとへ!
ミーティング当日に決まったのか全く告知されていなかったものですが、質問できるのなら勿論質問します。
という訳で、次は本川さんと一対一で話した内容について記述していきます。
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