主催――角川スニーカー文庫について
以前にも開催された『俺のラノベコンテスト』とおおむね同じ要項でした。
ここで問題となるのが一般的な読者を想定しているのではなく、編集Iさんと編集Yさんという会ったことも話したこともない人が対象である、という事だと思います。
前回の「俺のラノベコン」の時はそうでしたが、正直に言うと編集が求めているものが何か分かりにくいんですよね。
しかし、今回に限って言えば編集Iさんはそもそもの応募条件がかなり厳しい。
公募で最終選考まで残った作品って、そりゃもう該当する人は脳みそ空っぽにして応募すればいいと思います。
運よく編集Iさんに刺されば儲けものです。
そのため、ここでは編集Yさんに絞った作品について考えてみましょう。
《所属》
編集Yさんの所属している編集部は「角川スニーカー文庫」です。
この角川スニーカー文庫は、同時期に「サイバーセキュリティ小説コンテスト」も開催していますね。
…なんか気合入ってる?
そういえば、今年はスニーカー文庫は30周年であるため、色々と企画が進行していましたね。
個人的には声優の花守ゆみりさんが編集者としてスニーカー作家と新作をつくる企画なんか面白そうだと思っています。
(参考:スニーカー30周年特設サイト
https://sneakerbunko.jp/special/30th-fair/?ref=banner)
では、そんな最近気合が入っている角川スニーカー文庫ってどんな本を出しているところなのかを見てみましょう。
《角川スニーカ文庫》
――以下wikiより引用。
少年向け小説として創刊され、『ガンダムシリーズ』の富野由悠季、『重戦機エルガイム』の渡邊由自、『マクロスシリーズ』の富田祐弘などの作家が執筆する。その後は水野良の『ロードス島戦記』の登場を期に、ゲーム的・ファンタジー的世界観を持った小説が一時主流となった。
現在はオリジナル作品に加え『月刊少年エース』および派生誌に連載されている漫画のノベライズ作品やニトロプラス、アリスソフト等のアダルトゲームを原作とする作品(但し、表現はマイルドな範疇に押さえられている)も多く刊行されている。かつては『魔獣戦士ルナ・ヴァルガー』や『自航惑星ガデュリン』など、ジュブナイルポルノの要素も持っている作品も刊行されていた。
――以上
(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A7%92%E5%B7%9D%E3%82%B9%E3%83%8B%E3%83%BC%E3%82%AB%E3%83%BC%E6%96%87%E5%BA%AB)
スニーカーと言えば「ロードス島戦記」と「涼宮ハルヒ」シリーズ、最近では「このすば」が有名ですが、ガンダムやマクロスなどのロボット系も刊行している、少年誌的な色が強めの印象を受けますね。
実際にインタビューでは以下の様に答えています。
――以下、カクヨムの記事(2016.11.21掲載)より抜粋。
・スニーカー文庫は今年で創刊28周年(記事掲載当時)。
・主に男性読者向けの作品を中心に刊行しており、20代・30代読者の方が最も多く、更に男女比は8.5:1.5の割合で男性が多い
・作品を届けたい人物像としては長年ライトノベルを読み続けているような男性大人読者
・第二回カクヨムコンには異世界ファンタジー、現代ファンタジー、SF、ラブコメ、ドラマ・ミステリーに最終選考委員として参加
・第二回コンテストでは、ファンタジー、SF、ミステリー、青春もの、学園ものなどを中心に、その書き手さんにしか出せない味のある文章で綴られた物語 を期待
・変に角を取って丸くするよりは、誰かに刺さるような尖った何かを意識して書いて欲しい
――以上
(https://kakuyomu.jp/info/entry/2016/11/21/180324)
ここでは古参の男性読者が多い事に触れられていますね。創刊当時は少年だった人たちがそのまま成長しても読み続けているのでしょう。なんだかジャンプ購買層の変遷と似ている気もします。
そう考えると、男性心理としては現実のストレスを発散できるような「スカッとする話」を求めているのかもしれません。「子供の頃の憧れが強い」というのも特徴かと考えられます。
では、一番最近のスニーカー大賞を受賞しデビューする作品にもその傾向は出ているのでしょうか?
――以下、第23回スニーカー大賞[春]の総評より引用(2018.4.14時点)
今回の最終選考は幅広いジャンルの作品が集まり、非常に見所の多いものとなりました。
そんななか、優秀賞を受賞した「オーウェルによろしく」は、読み心地の良い軽い文章と魅力的なSF設定が高く評価されました。
特別賞を受賞した4作品も、それぞれ設定・文章・キャラクターに他にはない特色があり、選考委員の心を掴みました。
その他の作品も完成度の高いものが多くありましたが、「その作品にしかないもの」と「いまのラノベ読者が求めるもの」の両方を備えているかどうかで結果が分かれました。
――以上
(https://sneakerbunko.jp/award/vol23-kekka_spring.html)
ここで注目したいのが、上記のインタビュー抜粋とスニーカー大賞引用にてほぼ同じ事が言及されている事です。
お気づきの方も多いはず。
そう。「作品のオリジナリティ」についてです。
インタビューでは「変に角を取って丸くするよりは、誰かに刺さるような尖った何かを意識して書いて欲しい」、スニーカー大賞では「その作品にしかないもの」とコメントを残しています。
では、この「個性の塊」とでも言うような要求を満たしている具体的な作品ってどんなものか考えてみます。
《最近のスニーカーから出ている作品》
ここはカクヨムなので、折角ですからカクヨムから書籍化した作品について見てみましょう。
個人的に、カクヨム発で一番尖っているなと感じるスニーカー作品は『イックーさん』です。あれは色々と引っかかっていないのかと不思議で仕方ないですが、まあ書籍化されてますし大丈夫なのでしょう。他に尖っていると言えば『スーパーカブ』なんかも個性的だなと感じています。
では、最新(2018.4.14時点)の刊行ラインナップはどうなっているのか。
衝撃を受けたぶっ飛び具合であると思ったのは『特殊性癖教室へようこそ』ですが、他にも『ニートの少女(17)に時給650円でレベル上げさせているオンライン』、『美少女作家と目指すミリオンセラアアアアアアアアッ!!』とかも結構な内容でした。
スニーカー文庫の言う尖っている作品とはどんな感じなのか。
それを把握するためにも既刊本を呼んでみるのは有効だと思いますよ。
しかし、スニーカーにはこれらのような作品とは別ベクトルとも言える作群が存在しています。
原作がラノベとは別にある、いわゆるノベライズ本です。
《ノベライズ本》
先述したようにスニーカー文庫は少年色の強いファンタジー小説を多く刊行していますが、他にもファミリー向け劇場アニメのノベライズを多く出版しています。
最近だと『君の名は。』が有名ですね。そして、このノベライズ「君の名は。」。爆売れしました。(笑)
ラノベ読者だけでなく映画のファンである一般層をも取り込めたのが大きいのだと思いますが、他にも「サマーウォーズ」や「バケモノの子」なんかもスニーカーです。
また、先ほど挙げた「スーパーカブ」や映画化もした「サクラダリセット」(今は角川文庫へ移籍してますが、スニーカーからもまだ出していたはずです)は一般文芸色の強い印象を受けますし、そういった意味では近年のスニーカーは読者層の拡大に乗り出しているとも考えられますね。
さて。長々とスニーカー文庫について語ってしまいましたが、そろそろ元の話である『俺のラノベコン』に戻りましょう。
上記のような特徴を持ったスニーカー文庫に所属している編集Yさん。
果たして、彼の好みと所属編集部に因果関係はあるのでしょうか。
正直全く関係ないかと思いますが、一般公募を目指している人も活用できそうですし折角調べたので投稿しておきます。(笑)
参考にするかどうかは画面の前の貴方次第!
次話では編集Yさんがどんな人なのか探るための唯一と言っていい情報。『編集Yさんの好みの作品』について言及してみます。
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