サンプル






「 貴方が言っていた音声ですよ。 」


「 焦っていますねぇ・・・

  まぁ、そりゃあ、焦らずには居られませんよね。

  貴方たちが支配しているその子が目を覚ましかけているんだから。

  そして、目の前の人間は

  その子を完全に目覚めさせる『心ちから』を持っているんだから 」




「 で、でも、いじめなんて昔からあった事で! 」



「 おいおい。

  そいつぁーもう、ただの言い訳だぜ? 」







「 確かに、虐めは、過去にもあった。

  だからと言って、今も続けさせる理由にはならない。

  勿論、それを助長していい理由にも

  勿論、ならない。 」



「 良いか?、化け物。

  俺が、最初っから話題として

  問題として、あげてんのは。


  なんで、てめぇらが

  俺たちが、もう”間違ってる”と分かってしまったそれを

  頑なにまで、正当化。

  又は、覆い隠そうしているのか、という点だ。 」



「 戦争に限ってもそうだ。

  アンタたちは、今起きている大虐殺の真相。

  そして、過去にあった戦争の本当の発端までも

  頑なにまで、僕らに知られるのを拒んでいる。 」



「 自分たちがやらかしたってのに

  挙句の果てのその責任を

  俺たちにまで押し付ける始末だ。


  全部、人間のせいだ。

  人間は愚かだってね。


  その本当の意味さえも隠蔽して。 」







「 ・・・いいか?


  もう全て、とっくの内にバレたんだ。

  

  バレてたんだよ!。


  全部、全部なぁ!。 」












「 う・・・、う・・・ッ!

  うがあああああああああアアアアアアアアア!!!!!!!! 」








女性を支配していた邪悪は

奇声上げさせながら

少年へと襲い掛かる。


丸出しの邪悪。

吐き気のする邪悪。


それが、悪魔とも

私たちにとっては似ても似つかない

醜悪な姿をして

彼に襲い掛かる。




勇気。希望。夢。光。

そして、優しさ。


様々な力を込めた一撃が

頬目掛けて放たれる。





紛う事無き

正義の鉄拳である。
















「 がはァ・・・! 」





硬いものを砕く音が鳴り響く。

体は、宙を舞い。

地面に、強く叩きつけられる。






「 うぐ・・クく・・ァ・・・・・ッ!


  ちギじょオ!、なんで・・・!

  あド、もうヅごジッ!、ダっダのニ゛ィ・・・ッ!!! 」



「 あああああああああアアアアアアアアアアアア!!!!! 」





手に持ったカミソリで少年の体を突き刺そうと

その手を上げる邪悪。

横側一閃。

足が、頭部を蹴り上げる。


体は、もう一度回転、宙を舞い。


来たるべきではない邪悪は

文字通り、消滅した。









「 大丈夫か?、相棒 」



「 ありがとうございます、誠さん。 」















全てを収めたカメラを片手に

青年は、少年に笑い掛け。

少年も、青年へ笑顔を向けた。














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