人類よ、大志を抱け。

下園 悠莉












電柱に背中を打ち付ける。




「 ・・・くッ! 」












起き上がった頃には、もうその姿は無かった。


本当は、追って何かを言うべきだったとは思うけど。

自分はまだまだだと思った。









「 ・・・ふぅ 」





幸い外傷も無し。

いつも善行を重ねていた功名なのかもしれない。


誰かが見ていたという事も無く。









然し、少年は

確かに在るという事実は。

見て取れて。




「 あっ、あの! 」


「 ・・・? 」


「 お、俺と、その!

  れ、連絡先を!

  こ、ここ交換して頂けませんか! 」







「 ・・・ああ、いえ 」


「 構いませんけど・・・ 」






「 あ、ありがとうございます! 」

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