サモン・マジックと妖精たちの諱

「Cyaって何?」って担当さんからメッセージが飛んできたんだ。そうなんだ。恐らくは、ここに僕が書き散らかしているのを見つかってしまったんだ。一応説明しておくと「See you again」のスラングなんです。「またね!」って事です。人によっては「CUSee you」だけで済ますこともあるよね。はあ。なんだかすごく書きにくくなってしまった。けど書くさ! 書くのさ! だって書かないとエンジンかからないシステムですから! 頼む! 見逃してくれッ!


 では、今日は召喚魔法サモン・マジックについて見てみようか。召喚魔法はその名の通り、精霊を召喚して使役する魔法だ。一見、コモン・マジックとかとは全然違うシステムで発動してるように感じるけど、そうでもないんだよ。


 召喚魔法の仕組みは、まず、召喚する対象と「契約」する事から始める。契約って言うのは、ざっくりいってしまうと、「クラスを取らせてもらって、コピーする許可をもらう」事なんだよ。召喚って言うと、まるで契約した妖精や精霊ご本人を呼び出してるみたいに思えるけど、実はそうじゃないんだよね。呼び出すのは妖精や精霊の「実体インスタンス」。本人じゃなくてあくまでもコピーなんだ。だから一人の炎の精霊イフリートと契約しただけでも、2体同時に召喚したりもできるわけさ。――マナの許す限りでね。


 召喚魔法の強みは、なんといってもコントロールのし易さだね。コモン・マジックだったら、全部自分で魔法のロジックを管理しなくちゃいけないけど、召喚するんだったら、基本的に召喚した精霊に指示する形で戦える。すごく楽ちんさ。


 それと、堅牢さもあるだろうね。召喚魔法でコントロールする実体は、基本的に指示できる命令メソッドが決まっている。これがどういうことかというと、「コントロールするための入り口がはっきりしている」という事なんだ。特に、ハック・スタイルの相手と戦う時には、マナ領域への侵入を警戒しなくちゃいけないんだけど、入口がはっきりしていれば、そこを固めるだけで侵入を阻止できるんだ。


 そして、クラス単位でエラーに対処できるのも魅力だね。僕は召喚魔法のそこが一番気に入ってるんだ。呪文の詠唱を繋いでいくとさ、どうしてもエラー出ちゃうんだよね。でも、型で枠を作っておけば、そこで発生するエラーは見えやすくなるし、その型の中で対処して外には出さない事ができる。


 コモン・マジックでは綱渡りをしなくちゃいけないような危なっかしい呪文の詠唱が必要な錬成でもね、召喚魔法だったら、小さな召喚を確実に行って、召喚した実体を組み合わせて最終的に大きな威力を出せるってわけさ。言ってみれば、合体ロボさ! ロマンがあるよね。ロボ。


 と、まあ、召喚魔法の仕組みを見た所で、問題はこのタイプの魔導士とどう戦うかなんだ。はっきりいって、手強いよ。とにかく、堅実なんだ。一見、一発狙いの大物精霊頼みの大魔法みたいに思えるけどね、実際は、小さな精霊をコツコツ召喚して、結果として精霊たちのチームワークで大魔法を組み上げるスタイルだからね。


 でも、デメリットはある。ひとつは、やっぱりマナの消費が激しいことだよね。だから、体力が無い魔導士だとすぐにバテるはずさ。そこを待つのもいいね。でも、体力が足りている場合は厄介だ。ひと通りの召喚が終わる前に、速攻で魔導士本人にアタックするのが定石だろうね。狙い通りの精霊たちが揃ってしまったら、太刀打ちするのは難しくなるからね。


 あとは、僕はあまり好きじゃないけど、やっぱりハックしてしまうのも手かな。召喚魔法は、召喚する精霊たちに個々に「仮の名前」を付けて、その名前でコントロールする。炎のトカゲサラマンダーを2体召喚するなら、「サラちゃん、火を吐いて」とか、「マン太、炎の壁を作って」とかね。つまりは、この仮の名前が、実体をコントロールするための「入口」ってわけ。


 仮の名前を使って手に入れる本命の情報は、妖精たちのいみなさ。諱、真名、アドレス、いろいろな呼び方があるけど、要は、「ほんとうの名前」だね。君にもあるでしょ? 諱さえ分れば、こっちが自由にコントロールできる。仮の名前とは強制力が桁違いだからね。


 あるいは、諱まで辿り着けなくても仮の名前と妖精の実体を結び付けている関係を切る、という手もあるかな。「サラちゃん」という名前と、あるサラマンダーと結び付けている紐を切っちゃうって事だね。そうするとどうなるか。元・サラちゃんはコントロールできなくなるだけでなく、消える事もできなくなる。いわゆるアンコントローラブルなゾンビ状態になってしまうんだ。


 ゾンビになっても、召喚した分のマナ領域は占拠したままになるから、どんどんマナが枯渇して、打てる手が減っていくんだよね。そうやって、相手の切れる手札を削って行って、最終的に押しきるなんて事もできるといえばできるんじゃないかな。


 でもまあ、難しいよね。難しい事をやるよりも、単純に、どんどんぱーんと相手魔導士本人へアタックを続けて体力を減らしていくのが、なんだかんだで一番有効なんだろうね。


 よっし、じゃあ今日はこの辺にしてお仕事の方を書くとしますか。金曜日だもんね。張り切って書いて週末は休むんだ! それじゃあ、C……、またね!

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