ヒノキモチ

『王より飛車を可愛がり』

って言葉、知らねーのかよ?

それだけ俺は特別なわけよ。


お前は俺を疑ってんのか?

俺に下手な事すると痛い目みるぜ?


あの日?

あぁ、確かに俺は『2三』にいたよ。

それがどうした?


『玉』さん?

そういえば、『1二』にいたな。

俺が殺すわけないだろ?


だって、『1一』から

『香車』が睨んでいたんだぜ?

そんな状況で、できるわけねーよな?


『香車』は『3一』じゃないかって?

よく覚えてねーけど、『1一』にいたのは

嘘じゃねーぜ。


俺はどうしたかって?

『3三』に移動して、

『龍』に成ったよ…


あー、思い出したぜ。

『3一』からも『香車』に

睨まれてたよ。


そう考えると、なおのこと

俺に『玉』を殺す事なんて

できるわけないよな?


『角』が『3四』にいたはずだって?

さぁ、会ってないから知らないな。


『飛車は十字に使え』って言うだろ?

斜めの効きには疎いもんでね。

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