第10話:邪神の欠片(かけら)

何故か次の日下足ロッカーに手紙が大量に入っていた

「・・・・目立ち過ぎたか、スキルが発動したか・・・」

溜め息を吐く倭子,手紙に魔法を這わす、

<忘れろ、近づくな、気にするな、気の迷いだ>

「書いた者に飛んでけ!」

風を纏い飛んでいく


「さて試合は何番目かな?」

掲示板に向かって歩いて行った


掲示板は人だかり

ピロン

スマホが鳴る,見るとトーナメント表が送られてきた。

「競技場6の6回戦目か」


「ちょっと!あなた!」

ぼーとしていたら怒った女子に声が聞こえる

「美香になにしたのよ!」

「?」

「手紙が帰ってきたと思ったら、それまであんたのこときゃっきゃ言ってたのが冷めたように、忘れたようになって手紙が消えたわ!どういう事よ!」

「・・・」

ざわざわとまわりが騒ぎ出した

『あの子、昨日の舞踏会の・・・可愛いのね、昨日はかっこよかったけど』

<エリア 忘却>


<私を認識除外>


声に出さずに魔法を放つ


「何か言ったらどうなのよ」

(・・・この子に効かない?)

女子が倭子指差す、その腕を掴んで抱き寄せる

「なっ・・なにする・・・」

「黙って、佐伯 香夏子さん」

耳元で言う

「いいスキル持ってるね、あなたの正義感好きよ」

顔が赤くなる香夏子

<精神攻撃無効 超級>

(神級じゃないと無理か・・・神級だと光るんだよねどうしようか)

「お友達は、そのほか変な所あった?」

「無いけど、あなたの事言わなくなっただけで」

「黙っててもらえる?皆忘れてるから私目立ちたくないのよ」

「ごくんっ」

威圧を強めに一点集中で放つ

冷や汗を流す香奈子

「解ったわ・・・あなた何者?」


「前世で暗殺者してたの」

「・・・・言いません誰にも言いません・・・」


香夏子を腕の中から開放する


「よろしくねっ・・・にこっ」

微笑むと香夏子はもっと赤くなった


「あれ?渡辺?」

「西田!今来たの?」

「ああ、・・・そうそ生徒会長が探してたぞ」

「げっ・・・」

「今に呼び出しされるかも・・・」

「なんかひそかに面白がってるだろ・・・」

「ははっ!目立ちたくないって目立ってるしな・・・青くなったり眉間にしわ寄ったり、面白い!」

「ほら!彼女さん見てるよ」

「ああ、時間2時半な、控え室」

「リア充め!爆ぜろ!」

「やっかむなよ、お前だってもてようと思えば直ぐに彼氏出来そうなのに、兄弟ごっこなんてしてないでさ」


「あ!見つけた倭子~」

「うわっ係わりたくない人間ベスト2位」

「生徒会長もいい男だと思うけどな・・・」

ぼそっと去り際に言っていく西田


遠巻きに観察していた指差し女、佐伯 香夏子が

(渡辺 倭子?)

しっかりリサーチしていた。



頼朝(よりとも)智紀(とものり)生徒会長、2年Sクラス と

真田(さなだ)幸夫(ゆきお)副会長、2年Sクラス がが近づいてきた。


「なんですか?今日はお昼はクラスの模擬店で食べるのでサロン行きませんよ」

「え~!じゃあ僕も倭子のクラスで」

「会長、お昼は仕事だ!倭子にかまってる暇ないぞ」

「じゃ、午前中の観戦は倭子も生徒会用のブースで見よ

うよ、特等席だよ~」

「それ、良いですね、仕事はしてくれよ」

「え~やだー目立ちたくない~」

ちょっとふくれっつらしてみた

「「・・・・・可愛い・・・・」」

「フード!そうだよパーカーのフード深く被れば解らないよきっと」

「そうそう!行こうよさっさっ!」


・・・しかし、さすが生徒会ブース眺めが良い

第一闘技場、6つある闘技場の中では一番大きい、決勝戦も行われる会場である。

ギリシャの闘技場コロッセオを思わせる会場は5重の障壁が張られており、満席の観覧者に被害が出ないようになっている。


「私は第6闘技場なんだけどな・・・ここから歩くと30分はかかるのに・・・」

ちょっとふてくされ気味に言ってみた

ま、こっそり移転するけど・・


「始まったよ倭子!見るのはじめただろう?1年19クラス対2年18クラスか・・・経験値で行けば2年だけど」


(あっ・・あの子達一緒にダンスレッスンしてた子達だ)

「おっすごいね連携とってるよ、上手いね遠距離と近距離の組み合わせ、誰かに教わってのかな?先生があんな連携教えないよね、魔力の温存のためかな?」

(うわっさすがSクラス経験値の違いか鋭いわ)

「2年がたじたじだよ」

「よし!そうそれで良い・・・」

声に出しちゃった

「1年勝ったね・・・倭子?あの子達知ってる子?クラス違うよね?」

「ちょっと、ダンスレッスンの時に話しただけ」

「ふうん・・・」


倭子が指導した生徒は順調に1回戦を突破していた。

お昼にクラスで食事をとり、模擬店をぶらっとした後、西田と待ち合わせの控室に向かう


(そう言えば浅水と宮本はどうだったんだろう?)

スマホを開いて結果を検索する

(浅水は勝ってるな、宮本はまだか、ちゃんと手加減してればいいけど)


控室を開けると西田はもう来ていた

「渡辺、なんか疲れてないか?」

「疲れもするわ!生徒会長らのアピールをかわすのに精神が・・・」

「どうしてそんなに嫌うのか逆に分からないけど」

「・・・」

(そうなのだ、自己中で脅迫してくるやつら、

だけどスペックはすこぶる高い連中だ、顔良い、成績良い、生徒会長と言う肩書にSクラスという将来保障された地位、普通なら・・・でも・・・・)

「どうして?と聞かれると・・・・生理的に嫌としか言えない、顔見たら逃げたくなる」

「分からないけど、まぁ・・・生理的にダメと言うのはどうしようも無いな」

遠い目をする西田

(さすが、前世女性・・・たぶん経験あるんだろうな)


《1年22クラスと2年15クラスは会場に入ってください》

控室にアナウンスが流れる

「さて時間だ、気合入れて行こう」

そう西田が言ったので

「おう!」 と答えた倭子


第6競技場、

相手にならない戦いだった、一瞬で終わった

西田が2発魔法を放って、その隙に倭子が瞬時に近づき、みぞおちに一発づつ

二人を気絶させて終わり

ものの1分ほどだった


最高記録は30秒なので記録更新はならなかった

アッと言うう間に

「ブロック優勝してしまった・・・」

「1年でブロック優勝したのS~Dクラス以外では30年ぶりらしいよ」

「私って戦い好きだったんだ・・・」

「何をいまさら、最初の時から目ぎらついてたぞ・・・」

「え?うそっ・・・」

「決勝は個人になるから、これからは敵だな」

「そうね、手加減はしてあげるわ負けてあげないけど、4位目指してるのよね」

「4位?また、中途半端な優勝目指せるくせして」

「22クラスから動きたくない」

「いや、4位になったら2年生からは確実にSクラスだろ」

「あ・・・そうだった・・・賞金~・・・お金~・・・」

「金目当てかい!」


個人戦の組み分けが発表された

殆どがS~Dクラス、2・3年の1から5クラスがちらほらで、1~3年でも二桁クラスは倭子と西田のみ

倭子指導の子達はブロック準優勝が最高ランクだった。


(浅水、宮本、風見、雅も居る・・・1回戦負けしといたほうがいいよなぁ・・・対戦相手・・・)


宮崎(みやざき) 誉(ほまれ) 男 3年Aクラス

身長150 体重48㎏ 得意魔法<重力>


(小さい・・・・どんな人だろう・・私の体重非表示にしといてよかった、しかし個人情報ただもれだな)

写真を 見た倭子

(・・・・うそ!前世の顔そっくりじゃない、角が無いのと髪・目の色が違うけど・・・魔王の小姓じゃん、アーサーにやたらと噛みついて来た奴、うわぁ絶対ばれない様にしなきゃ)


明日に決勝戦を控えた倭子の部屋

「魔力交換さっさとして皆帰ってほしいんだ、ちょっとやることあって」

そう言う倭子

「順番決めて、はずかしいから他の人はキッチンで待ってて」

そう言ううとジャンケンを始める4人

雅→風見→宮本→浅水で決まり、今リビングに雅が居る

「倭子ちゃんとのキス!」

「雅さん風見居るのに嫌じゃない?」

「うーん・・・二人は兄妹って感じがしっかりとするから気にしないよ、それより・・・」

がしっと肩を掴まれてベットに倒される

「えーと倒れる必要無い・・・うっ」

雅の唇と倭子の唇が重なる

(強引・・・雅さんも上手いよなぁ・・・脳天来る・・・)


コンコン

リビングとキッチンの扉が叩かれる

「魔力が変わったぞ!」

風見が言う、感知能力も高い風見


「残念・・・」

見下ろす雅の下、ベットの上で呆けてる倭子

部屋から出て行く雅、入れ替わりに風見が入って来た


「雅・・・ちょっとやり過ぎ」

倭子の様子を見て風見が言う

ゆっくりと起き上る倭子

ベットに座るように体制を変えると横に風見が座る

肩を抱き、倭子の顎を掴んで、唇を寄せる

風見のキスは優しくいたわるような心地いいものだった

(性格でるなぁ・・・雅さんあん な風に風見に迫っているんだろうか・・・)

いらぬ想像をしてしまう倭子だった


「凄いな、力が湧いてくる」

「私は疲れる・・・雅さんと風見はそんなに魔力持っていかれないけど、後の二人は・・・」

「大丈夫か?明日の決勝戦」

「うん、そのためのこの後の用事だから」


風見が出て行くと宮本が現れる

「倭子・・・」

横に座ると愛しそうに頬をなぞる

ぞくっと貞操の危機を感じる倭子・・・皆が居るのでしないだろうが、魔力交換の時でないと近づくことも触れることも出来ない宮本は、欲情しているのが見れた

「宮本・・・怖いから!その気配やめっ・・・・うんっ」

宮本のキスは激しいものだった、貪るような、飢えた獣の様な

気が付くとベットに組み敷かれていた

(やばいやばい!今までにない気持ち良さ!落ちそう気絶しそう)


ドンドンドン

「おい!宮本」

ドアを叩く風見

「ちっ」

離れて舌を打つ宮本

「ちょっと!普通のキスでいいの!やめてよねこんなの」

「こんなのって?気持ち良かった?動けないみたいだけど」

にやっと笑う宮本



「どうしたのよ?可笑しいよ宮本」

「倭子に会えない触れない、欲求不満なんだよ!」

「・・・分かったじゃあ、学校では普通に話し掛けていいから、今度からこんなキス止めて」

そう言ううと宮本は子供らしい笑顔を浮かべる、

(ぐっ整った顔の笑顔!可愛いとか思ってしまった・・・ゼットなのに・・・)


入れ替わりに入って来た浅水

「宮本に学校での交流を認めたらしいな」

「まあね、触れることは禁止してるけど、話はね友達として普通の行動までは」

「私は許可もらえないのか?」

「あんたは難しい、懲罰房事件は皆が知ってるし」

「学校以外で」

「そうだね・・・また考えとくよ」

ずっと髪を触られ、撫でられている倭子

「あんたの小姓が居たよ、私の対戦相手」

「ああ、そうか?興味ない」

「…冷たいね」

「前世の話だ、今は違う人間だ愛しい倭子、君だけでいい」

「答えてあげられないから、ね分かってる?」

「分かっている、2番目でも10番目でも良い」

「いや、だから・・・うんっ」

口をふさがれた

ねっとりと官能を呼び覚ますキス

「うんっ、あん」

(やめて~どいつもこいつも・・・)

気を失った


風見に起こされて目を覚ます倭子

「どうしたの?浅水その頬」

紅くなっている頬口の端も切れて居る様だった

雅が鏡を此方に向ける

「げ!なんじゃこりゃ」

胸元にキスマークが多数


「浅水!何やってんだ!」

宮本が殴ったらしい

「私の跡をつけた」

睨み付ける倭子

「・・・・ヒール」

跡形もなくキスマークが消える

「「「・・・・・・・・」」」

「今度やったら、下僕解除する」


「・・・精神障害を起こさせる気か?」

「もう起きないよ、記憶が無くなるだけ」

「?」

「何で経験値をあんたらにあげていたと思うの、私が神格化しない為もあるけど、レベルを上げて精神障害が起きないレベルまで上げるため、私の事忘れるだけなら解除しても問題ないからね」

「「・・・・」」

「俺らを切るのか?」

「そうしなければいけない状況になったらね」

「それは?」

「魔力交換が出来なくなる可能性」

「それはそういう事?」

「たとえば私が異次元の狭間にはまって動けなくなる、この世界に居られなくなる、私が死ねばいいけどそれも出来ないと、」

「魔力交換出来ないと俺らは死ぬ」

「そういう事、下僕解除は私から一方的に出来るから」

「倭子・・・・」


「そんなことが無く ても、変な事したら切るから」

黙る4人

従者は関係ないが、倭子が居なくなるそんなん言考えたことが無い二人も黙った


「敵!相手が相手だからね、何が起こるか分からないから」

あらためて自分たちの敵を認識する4人だった

4人を帰して一息つく倭子

「二人(浅水と宮本)は重いなぁ・・・早めに解除しておいたほうが後々良いかも、でも下僕じゃないと経験値分けれないのは痛いな・・・」


部屋に移転してくるものが居た


3人の倭子がそこに居た

『分身』

大量の魔力を分けておかないと直ぐに他の能力者に感知されるので分けている


寂しい倭子

孤独な倭子

恨みの倭子


一人で孤独に戦えるのは、この感情を分けているからである

恨みを同調させていたら、多分即座に宮本を殺していただろう倭子だった。

実際、暗殺集団の頭領の転生者を見つけた時、恨みの倭子と同調していた為即効で殺していた・・・


やくざの幹部だった、テレビで見て即座に移転して殺しに行っていた。

心臓をつぶし、内臓をぐちゃぐちゃにして、外から見るとなんともなっていない様だが解剖した医師はその惨状に目をそむけた、能力者の仕業だと思われたが犯人は見つからないままだった。


倭子は自分の魔王部分を痛感していた。

不の感情を分けたのは良いが、同調は怖くて出来なくなった。

でも、宮本への感情が変わっていることと、決勝戦に嫌な予感がするのとで同調して魔力を拡張することにした。


合体はしない同調のみ,まだ 全部の力を出す時では無い

3人から魔力が倭子本体へ流れる


負の感情が一緒に流れてくる

涙が頬を伝う

「寂しい・・・」

魔力を移し終るといつも分身たちは泣く倭子の頭を撫でて

移転して行った


分身たちは冬眠するように人の来ない鍾乳洞や切り立った山の岩の隙間に防御して寝ている

飲み食い排泄もしない、人形のようなもののはずだが、頭を撫でられると少し落ち着くのが不思議だった、魔法使っているわけでもないのに


魔力が漏れないように防御してその日は寝た

次の日、負の感情はまだ残っていたが、気持ちを振るい立たせて学校に向かった

第一競技場

第一試合

風見(1年Aクラス)対1年Sクラス

風見勝利

第二試合

浅水(1年Sクラス)対3年Aクラス

浅水勝利

第三試合

宮本(1年Aクラス)対3年Bクラス

宮本勝利


下僕、従者と念話

(みんな、第一競技場か、雅さんは明日試合なのね)

(明日頑張るよ~手加減・・・)

雅がおどけて言う

(手加減難しいわ!)

そうぼやくのは風見だった

(よかったよ皆、瞬殺だったけど・・・)

(倭子は次か?しかし空気が何か変な感じがするのは気のせいか?)

浅水が言う

(空気がピリピリしてる・・・倭子の仕業じゃないよな?)

宮本が倭子を疑う

(失礼ね、私じゃないわ、・・・警戒MAXでよろしく、何か起こったらすぐ指示するから動ける様に準備しといて)

((((分った))))


(それと、その後私に何があっても、指示以外で行動しない様に、私は世界最強の勇者と魔王なんだからね!)


((((え?それは・・・どういう意味?))))



””パー~ン””

第四試合が始まった

宮崎(みやざき) 誉(ほまれ) 男 3年Aクラス

ものすごい目で睨んで炎の魔法を放ってきた


「剣が使えれば断ち切るのになぁ~」

倭子は風魔法で散らして消す

回り込むように走り出す倭子、風で刃を作り宮崎(みやざき) 誉(ほまれ) に放つ

身体強化をしているらしく体に魔法を這わせ横に跳躍して裂けた

風の刃は地面にぶつかり粉塵を上げる

宮崎は炎の魔法を放ち続ける


「重力魔法は使わないのかな~」

余裕で蹴散らす倭子

ぐるぐると競技場を回りながら魔法を放ち続けると

競技場全体に魔法陣が

「!回っていたのはこれをするためか・・・・」

「つぶれろ!」

「いや!死ぬでしょうが!」

重力魔法が発動、宮本には影響ないようだった

地面に這い蹲るように倒れこむ倭子

《ビシッ》

空間に緊張が走った


会場がざわつく

「来たか・・・」

倭子が呟くと


≪ドーン!バリバリバリ≫


コロシアム中央に稲妻が落ちる爆破音がすると

戦闘中の二人は吹き飛はされて壁に激突した

「つっ~」

倭子は痛そうにしているが、がれきを祓いながらゆっくりと立ち上がると

身体に魔力を這わせた



「なんだ!何が起こった」


会場は目の前に現れた不気味な黒い鬼に驚愕した

体長10メートルはあろうその鬼ははるか上空から尻尾の様なものを生やしていた

先端は空間に消えているように見える、はるか上空なのでよく見えなかった



『全員動くな!障壁を自分で張れない者は動くと此奴!”邪神の欠片”に魔力を奪われ死ぬぞ』

倭子が叫んだ

「浅水!宮崎を安全な所に」

「風見!生徒会長他SクラスAクラスは邪神の欠片の尻尾を異空間から切り離してくれ」










浅水は宮崎を抱えると跳躍して客席に降り立つ


「浅水?・・・・魔王様・・まさか」

宮崎誉はその存在に気が付いた


「私は魔王ではない、倭子の下僕だ」

そう言って倭子の下に戻る




会場で数人逃げ出そうとしたものが次々に倒れて行った

倒れた者の体から何かが抜け邪神の欠片に吸い込まれる


《グギャー》


邪神が吠えると空気が振動する

誰も動かなくなった


風見は飛翔できる生徒を引き連れて障壁を張りながら上空に飛び立って行った。


倭子が邪神の欠片の前に立つ、その左右に浅水と宮本が居た


「浅水・宮本これを貸してやる」

浅水には”魔剣ヴァンジェラ(雷)

「前世の武器、再現は98%出来てる」

前世魔王の魔剣だった

宮本には”闇黒竜の杖”(黒い炎)

「どうして賢者の時の前世の武器が」

「再現した・・・98%同じものだ」

「前世の武器・・・」

「神スキル、本当の神にも手伝わせたから能力は100%同じだと思う、いや神補正でupしてるんじゃないかな」


風見達には聖剣レーヴァテイン

雅には聖剣デュランダーナ


「作ったのか?皆」

「神と一緒にね」

「何時の間に」

「作ったのは転生前だよ、まだいろいろある」

「来るぞ!」


《グギャー》


叫ぶと邪神の欠片の周りに黒い塊が現れる


倭子は体に黒と白と金色の魔力を展開する髪の色が同じく黒ベースの白と金色のメッシュに変わり、目も紫と金のオッドアイに変わる


空間に両手を上げると

『勇者アーサーの聖剣エクスカリバー』

『勇者カインが倒した魔王の魔剣グラム』

が現れ、それを持って飛翔した


瞬時に黒い塊は倭子に切り捨てられ消える


浅水と宮本も魔剣と杖を使い魔法を放ちながら

邪神の欠片の足に攻撃を仕掛ける


邪神の欠片が膝をつく


3人の魔法が頭に向かって放たれると

浅水と倭子は邪神の欠片に切りかかる


無数の切り傷、しかし直ぐに塞がっていく


(風見!まだ切離せないか!?)

(すさまじい威圧と雷攻撃で近づけない)

(光と闇の魔法のコラボ魔法得意だろ?それをねって剣に込めろ!)

(わかった!やってみる)


「さて、浅水!宮本!切り刻むぞ!」

「「わかった」」


倭子が剣の持ち方を変えた









「倭子ってなんなんだ!」

そう呟くのは飛行スキルを持たないので生徒会ブースに残っている

副会長2年Sクラスの武田(たけだ)新司(しんじ)

アーサーの時のの生まれ変わり

騎士 エルンスト・バルクマン

アーサーに何度も夜這いを掛けて返り討ちに合っている


「倭子・・・・なんで剣のあの持ち方」



『アーサー、両手剣を片手で持つのも可笑しいけど、それを双剣として使いその持ち方はおかしぞ!』

『アーサースペシャル!』

『ネーミングも可笑しいぞ!』

倭子はそこそこ女性にしては長身の165㎝あるが、両手剣の長さは1メートルはある。

両手剣は重いので本来必ず両手で持ち、叩きつけたり突いたりする、切り付けるよりそっちの方が効果があるのだが、まるで木剣でも扱うように片手でくるくると回し、逆に持ち剣先を後ろに向けて持つ、1回目の転生からずっとその持ち方であった。

腕力チートと身体強化は無意識だった。


「あれは勇者カインの剣技だ!『カインスペシャル!』って変なネーミング付けてた」

勇者カインの世界の転生者らしき生徒が言う


「いや、あれはマーガレット・シュレーア公爵令嬢の剣技、何度、修正しろと言っても直さなかったんだよな・・・『マーガレットスペシャル』ってさけんでたな・・・」

マーガレット・シュレーア公爵令嬢の剣の指導をしていたらしい転生者が言う


「違うあれは我が師、ロベルト・ガイフィールド公爵の剣技にそっくりだ『ガイフィールドスペシャル』ってネーミング・・・・みんなスペシャルなんだな・・・」

たぶんロベルト・ガイフィールド公爵の部下だったのだろう転生者が言う


「・・・前世で俺を護衛として雇ってた屋敷に、訳ありで引き取られた元暗殺者の女の子があんな変な 剣技使ってたな・・・・『ななスペシャル』剣技に名前付ける変な奴と思ってた・・・」

ディートリッヒ・クライス公爵でななと一緒に護衛として雇われていた転生者が言う


「・・・・同じ・・・まさかそんなに転生するなんて聞いたことないぞ・・・」

全員が驚愕していた






ーーー転生履歴ーーー

転生0>

 ●田中(たなか) わこ

 [称号] 

<称号なし>


転生1>

 ●なな (Lv、50)

 [称号]

 <暗殺者><勇者><公爵を愛する者>


転生2>

 ●マーガレット・シュレーア公爵令嬢 (Lv、80)

 [称号] 

<暗殺者><勇者><公爵を愛する者> new<淫猥(いんわい)><魅力を振りまく者>


転生3>

 ●勇者カイン Lv、200

 [称号]

 <暗殺者><勇者><公爵を愛する者> <淫猥(いんわい)><魅力を振りまく者> new<探索者><ドラゴンスレイヤー>


転生4>

 ●ロベルト・ガイフィールド公爵Lv、1000

 [称号]

 <暗殺者><勇者><公爵を愛する者> <淫猥(いんわい)><魅力を振りまく者> <探索者><ドラゴンスレイヤー> new<愛の探究者(すけこまし)>


転生5>

 ●勇者アーサー Lv、1500 

[称号]

 <暗殺者><勇者><公爵を愛する者> <淫猥(いんわい)><魅力を振りまく者> <探索者><ドラゴンスレイヤー> <異性への愛の探究者(すけこまし)> new<愛の探究者(全ての知的生物)>


転生6>

 ●渡辺(わたなべ)倭子(わこ)現在 Lv、1998 

[称号]

 <暗殺者>< 勇者><公爵を愛する者> <淫猥(いんわい)><魅力を振りまく者> <探索者><ドラゴンスレイヤー> <異性への愛の探究者(すけこまし)> <愛の探究者(全ての知的生物)>new<魔王><神もどき>


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