第11話:転生者たち

倭子は切り刻む、浅水は黒い魔力を這わして突き刺す、宮本は暗黒竜のブレスを杖から出す


「魔王じゃないか!」

アーサーの時の転生者が言う

「魔王様!」

魔王の手下が叫ぶ


「大賢者か?」

宮本の大賢者が居た世界の転生者が驚く


「勇者が魔王を従えている・・・・」

そんな声が何処からか聞こえて来た


3人の攻防は大詰めだった


パッシャーン


空から邪神の欠片の尻尾が落ちてくる


「浅水!宮本!トドメはお前らがさせ」


倭子の神気が体を舞うそれが空中に光の槍を浮かびだす


「いっけぇ!」


その矢が放たれた、邪神のお腹に大きな穴が空く、修復される気配はない


倭子がその場から消えると浅水と宮本が飛んで、邪神の欠片の頭に魔剣と杖を突き刺す


「「バースト」」


頭がはじけ飛んだ


生徒会ブースの近くに倭子が現れた

倭子はこの場で得た経験値をフールドに居る二人に送る


「「うああ!」」


二人はあまりの気持ちよさに気絶した


「これで切っても彼らは大丈夫・・・・・」


倭子も気を失った。


邪神の欠片はそのまま黒い靄になりそのままはじけて消えた



倭子が気が付くと、強固な結界が貼ってある白い部屋だった

「此処何処?」

重い体をゆっくり起こす

「ああ、第二懲罰房か・・・」


前浅水が入れられた懲罰房は第一懲罰房、そこはまるで牢屋のような場所だか

第二懲罰房は、言わば洋風な座敷牢なイメージ


腕を見ると魔力封じのブレスットが付いていた・・・

(これくらいならすぐ外せるが・・・どれくらいたったんだろう)


しばらくぼーとしていたが

「暇・・・・」


「お風呂でも入るかな?」


バス、トイレ、ミニキッチン付き


「お風呂覗かないでよ~」

と叫んでおく


あがると、冷蔵庫を開ける

ミネラルウオーターを取りだし


完了


「後で請求書持ってこないでよ~」


2日絶った

(何もしてこないな・・・・私の処遇どうするつもりかな?)


結界の外見ようと思えば見えたが、せっかく遮断しているのに覗くの悪いなと思って部屋をうろうろしていた、食事は冷蔵庫の中に何時何かしら食事が入っていてチンして食べていた。


「暇なんですけど!聴取とか取らないんですか?」


監視カメラで見られていると思ったので叫んでみたが応答は無い

(浅水達大丈夫かな?経験値かなりあげたから、魔力交換無くてもしばらくは大丈夫だと思うけど)


暇で、ベットでごろごろして居たら寝てしまっていた。


「ん?いい匂い」

枕に顔をすりつける

「ちょっとそれは・・・まずいんだが」


「ん?」

まくらが可笑しい・・・ゆっくりと目を開けると

そこに居たのは

国城(くにしろ)九曜(くよう)27歳 学園総代

ななの世界のディートリッヒ・クライス公爵の生まれ変わり


なぜかひざまくらされていた

倭子が顔を擦り付けていたのは・・・国城(くにしろ)の股間だった


がばっと起きて真っ赤になる倭子だった



「えっと何で此処に?」

「君の力を皆怖がってね、そうそ、お友達も隣に監禁されてるよ、彼らも怖がられてる、元魔王というのもあるしね」

「ああ・・・そうですね、彼らは元気ですか?」

「今の所はね、彼らも君を心配していたよ」


(何があっても、暴れたり抵抗したりしないように言っておいたけど・・・)


「彼らに会うことは出来ますか?」

「ごめんね、皆怖がっちゃって君はしばらく此処から出ないで貰いたいんだ」

「うーん、それは困ったな、情報が無いと予測できないしな・・・」


「予測?」

「多分もう直ぐ本体が来ますよ、邪神!」

「・・・・其れは予言かい?」

「確信です、この世界がなかなか滅びないので、次の世界に行けなくてイラついてるんじゃないかな?」


「滅びる・・・そういえば転生者の子が、自分の世界はあの黒いのに滅ぼされたって言ってた」

「空間だけが残ってます、生きる者全て滅んだ世界・・・そこで私は勇者してました。」


「出ないで貰いたいのは、もうひとつ問題があってね」

「転生者達が、私は前世の世界で慕っていた者だ、とでも言いましたか?」


「・・そうだ・・・でも、それがいろんな人の名を挙げているんだよ」


「転生者の名前は

<なな>

<マーガレット・シュレーア公爵令嬢>

<勇者カイン>

<ロベルト・ガイフィールド公爵>

<勇者アーサー>」


「そ、そうなんだ・・・・どういう事だ、もしかして」

「私、これで6回目の転生なんです」

「ろ・・・6回目・・・」


「<勇者アーサー>の転生者が一番多くなかったですか?」


「集計したらしい、確かに多かった」


「邪神に滅ぼされた最後の世界なんです。この世界を含め管理している神が、魂を拾って少しでも救おうとこの世界に転生させたんです」


「凄いな・・・」


「で、国城(くにしろ)さん・・・何故私はあなたの膝に座っているのでしょうか?」


「ん?何となくこうしたほうが落ち着くし、話が聞けるかと」


「・・・・」

倭子の頬を涙が伝う


「え?嫌だった?何も言わないから良いのかと」

がばっと国城(くにしろ)に抱き付く倭子

「え?あ?え?~」


「倭子ちゃん?」

「くすっ・・・倭子ちゃんって」

「ゴメン、馴れ馴れしいかな?まだ会うの2回目だもんね」

「良いですよ、」

「不思議とね、皆・・転生者たちも君の事が気になるが、それ以上に恐ろしいらしい」

「国城さんはそんな感じ受けませんね、強いから?」

「いや、君に比べたら赤子同然だろう・・・」

「でも、私の次には強いですよね」

「強いからじゃないと思う、不思議と君が愛おしく感じるんだ」

「え?」

倭子が頬を染める


ピッ


国城の耳にあるイヤホンが鳴り溜め息を吐く

なんとなく、外の人に何か言われたんだろうなと思った。


「皆聞かれてました?ちょっと恥ずかしい」

そう倭子が顔を赤らめて言うと

「あの凶悪な物体を屠った人間とは思えない・・・可愛い・・・」


「えーと、この結界も魔封自も私には効きません、これ邪魔何で取ってもいいかな?」

「いいんじゃない?これ以上の魔封自のは無いから意味ないしね」


カチリ

外して、結界も解除、真っ白い部屋が普通のマンションの部屋に変わった


「え?国城さん?」

倭子を抱きかかえたまま窓に向かう、窓を開けると爽やかな海風が部屋を通る

「君が救った世界だ」

「・・・・これからも守ります」 何故か二人は唇を重ねていた。



毎日、倭子の下に通う国城

「そのまま、君を口説けって言われたよ」

「口説いてメロメロにして言うう事を聞かせようと?」

「メロメロになってくれる?」

「くすっ・・・なっても良いですよ、でもいう事を聞くのは国城さんの方かな?」

「ははっ確かにそうだね、九曜(くよう)って呼んで」


「早速、九曜さん、浅水と宮本に会いたいんですが、そろそろ彼らの体調悪くなってません?」

あれから1週間魔力交換必要な時期である


「確かに,顔色が悪くなってるね」

「無理やり会いに行くことも出来るんですが、これから協力しなければいけないのに、波風は立てたくないので、正規な方法で会いたいんです」


「分かった言ってみるよ、ダメだったら?」

「勝手に連れて来るかな?」

「結界貼ってあるけど」

「くすっ・・・私にとっちゃあんな結界シャボン玉だわ・・・すぐ割れる」


「だろうね・・・そうそ、生徒会の皆が君との面会を申し出ているけど、そちらはどうする?」

「浅水と宮本の件が終われば会っても良いですよ」

「解ったよ」


「情報の件だけど、まだ皆警戒して居てね」

「・・・・すみません、そちらはもう勝手に収集させてもらってます、そんな悠長なこと言って られないんで、私を怖がってる場合じゃない!今、明日来るかもしれない脅威に何言ってんですか!上層部は!滅びたいんですか!見捨てて良いんですか!?この世界!」



「・・・・怒ってるよ上の連中・・・怒る意味わからないけど」


「分析の結果、私は最後の決戦は半年以内と考えています、皆さんでそれに向けての訓練をお願いしたい、皆が生き残るために、九曜さん説得してください皆をお偉いさんを!」




とりあえず浅水と宮本に会うことが出来た、九曜立会いの下だが

二人と手を繋いで魔力交換をする

1時間ほどで終了した


「魔王の下僕か・・・僕の時は勇者の従者だったよね、断ったけど従者はそれしなくていいんだね」


「!?断った?」

じとっと二人に睨まれる

「キスしたの?国城さんとも・・・」


真っ赤になる倭子

二人は複雑な顔をした

回復した二人も同席して、生徒会面々との面会が行われた。


やって来たのは生徒会だけではなく、防衛局の指揮官や、一般の生徒とはいえSクラスの面々が居た、もちろん国城も倭子を抱きかかえてそこに居る・・・・不機嫌な顔の転生者達


「九曜さん・・・何故ここでも横抱き膝上?」

「皆怖がるから・・・ね、」

(ななの時も、どんな時も抱きかかえられてた、あれはでも、私の体調が悪そうに見えてたからだと思ってたけど・・・・違うのか・・・記憶無いのに不思議と同じことしてる)

「まあ、良いですけど」


((((いいのか?))))

転生者たちは心の中で思った。


「渡辺君、半年以内に邪神が現れると言うのは本当か!?」

「いきなりそこ行きます?多分半年から一年以内には」

「・・・・邪神の欠片が現れた時倒れた者は命は国城君のおかげで助かったが、魔力が全く無くなってしまった・・・復活する気配も無い」

「・・・九曜さん凄いあの時瞬時に対応してくれたんですね」

「君のメッセージは脳天来たよ」

「あれは九曜さんしか出来ないと思ったので」


(名前呼びなんだ・・・)

変なことに気が付く転生者達


「渡辺君の指示だったのか!?」

「そうですよ、少し前にちょっと倭子ちゃんと魔力交換してたので、通信出来たん ですよ」

「魔力無くなっても生きてていれば未来は繋がります」

「それはそうだが・・・」


(((倭子ちゃんんっ?))))

また敏感に気が付く転生者

((((何かいつの間にかラブラブ?どうして?))))


「倭子は本当に勇者アーサーなのか?」

「そうだよ」

生徒会面々が聞いて来る。

アーサーを追い求めていた面々だ。

目の前の膝上会談に複雑な顔をしていた。


「私の前世は

<普通の女子高校生わこ>

<暗殺者なな>

<悪役令嬢マーガレット・シュレーア公爵令嬢>

<勇者カイン>

<ロベルト・ガイフィールド公爵>

<勇者アーサー>だよ」


「・・・・」


「現在は、この世界の勇者であり、魔王です」

敬礼の様な仕草を、国城の膝の上でする。


「!魔王?!」


「時間がありません、魔王としての私は仲間を助けるためには手段を選びませんので、

勇者としての私は皆にきゅりょくを求めます。」






部屋の外で倭子達を邪悪な目で聞き耳を立ててる人物がいた

その男の周りに煮黒いオーラが垣間見える。




(なに?邪神じゃ無いな・・・・いやな感じ)

倭子が感じた

転生者達も何となく嫌な感じがして居る様だった。

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