第24篇家族の情景

食卓に誰もいない


お空はもう青いよ


お父ちゃんどうしたの


お母ちゃんどうしたの


とりあえずヤカン沸かして


パン焼いて


白い机に座り


なんとなく息をつく


「あーあ」の連続


電子ゲームとの戯れ


子供の無邪気さの無敵さ加減といったら……



思い出してごらん


心地良い日差し


思い出してごらん


爽やかな空気



思い出してごらんよ


君には関心のないことかもしれないけど



5つ年上のお姉ちゃん


制服着たまま昼飯作って


慌てて口に押し込んで


おめかしして


そのまま出てったよ


そういえば


「ただいま」も「行ってきます」の一言も言わなかった



何を見てた?


その大きな瞳で


何を想ってた?


その心で



兄ちゃん万年床でくたばってる


頭の中は平和なのか?


灰皿だけが乗っかってる食卓は


なぜかいつもより一層白く見える


椅子はいくつも並んでるよ


人数分なのかどうかはともかく……



何かが終わるのかな


ただ食卓はともかくとして


お空まで白く見えてきてしまうというのは


どういうことなんだろうね……


1985(S60)4/6(土)・ 2017(H29)2/12(日)



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