塔の諸島の糸織り乙女 ～転生チートはないけど刺繍魔法でスローライフします！～

◆リクエスト／信仰される神様たち

　リクエストを受けたので既登場分だけ。順不同。

　民衆は神の存在をよく信じていますが、あまり近い存在だとは思っておらず、家庭での祭祀、巷間でのお祭りなどは結構適当です。もっとも切実に信仰を行うのは神殿と宮廷。

　こちらの世界に例えるならギリシャ神話―エジプト神話系の理解のされ方と信仰を受けており、国によってどの神を厚く信仰するかが違ったりします。

　麗しきフォロス：地母神。起源神話で人類を泥から生み出したとされる女性神。二人の夫と沢山の子を持ち、人類そのものも彼女の子であるとされる。魔術師種族にとっても親神。豊穣神ともされ、季節の実りはフォロスが与えてくれるものだとされる。黒と赤と緑（青）が象徴色。

　勇壮たるソーリャ：太陽神だったり勇壮の神だったりする神。人類にとっては父神であるとされる。フォロスの願いを受けて大地を温めるとされ、北に行けば行くほど信仰が加熱するが、舞台の地域周辺だと「怒らせると夏枯れを招く」系の伝承が根強い。舞台の国あたりで神話の本を読むと大体俺様系の描写をされる。勇気、活力、熱などを司り、敵を焼き滅ぼすもの。象徴色は赤と橙。

　叡智持つサーイン：月神だったり叡智神だったりする神。魔術師種族にとっての父祖神。学者たちが多く信仰する。塔の諸島では一番信仰が厚い神の一柱でもある。

　生死を司る力やものごとの周期性をフォロスに譲り渡したという伝説がある。

　植物を司るのはこの世界では太陽神の方ではなく月神のこちらであるとされるものの、ソーリャの協力がないと活力を得られず育たないみたいな起源神話もある。

　平静、水、植物などを司るとされ、象徴色は青と白。

　契約の神エラス：ソーリャとフォロスの子の一人であるとされ、人と人の契約を見守るとされる神。後述のミロスとは双子神とされる。法律や量刑を量る神とされる。法律家が後述のミロスと共に信仰する。舞台の国周辺では最も信仰される神。王権や貴族を定めるともされる。双面の神とも理解され、エラスと呼ぶ際にミロスも含まれている、というような二柱セットの扱いを通常される。

　契約の神ミロス：ソーリャとフォロスの子の一人であるとされ、神と人の契約を見守るとされる神。エラスと双子神であるとされ、双面の神がその腕のそれぞれに天秤を下げた姿で表されることもある。心優しい神であり、謹厳たるエラスの目を盗んで善行の分だけ罪の天秤を軽くしてくれるという伝承がある。また、人に「契約」を教えたのはこの神であるとされる。

　健やかさを司るジュウェン：人の健やかさと幼児の成長を司るとされる女神。人に契約を教えた神の一人とされる。力弱い神の一柱と言われるが、王権の守護者として宮中で祭祀される。乳母の守護神。

　孤児院なんかで祀られているのは大抵この神。乳房を露出し、赤ん坊を抱えた経産婦の姿で描かれることもある。

　平穏を司るレマネー：安寧、平穏を司るとされる神。人を災難から守るとされ、旅人の守護神であるとも言われる。悪霊除けのおまじないで名を呼ばれるのも多くこの神。薬師たちが信仰するのはジュウェンとレマネーが多い。

　美の女神シャレーラ：女性の美しさと恋を司るとされる女神。美しく装うことを女性に教えたという伝説がある。奔放さと情熱をも司るといい、強烈な一目惚れはこの神のいたずらであるとも。若い女性に熱烈に信仰される。

　糸織の神ヤァタ・キシュ：運命を司る神だとされる。人の運命を知り、勇士のもとに使いを遣わしてめくるめく華やかで波乱万丈な運命を招き寄せるともいう。

　かつて鳥の民が殺したと一般に伝わる神。鳥の羽を持つ人の姿や、そのまま鳥の形で描かれたりする。

　牧民の神フェーヴ：家畜を獣から守ってくれるとされる神。ジュウェンの下位神であるとされ、出産を軽くする力があるとも。獣の乳の出を良くするともされる。

　お祭りは都市部ではだいぶ変容しており、子宝祈願とかになっている。そのあたりご利益があるのかどうかはよくわからない。

商業の神ラフェンネ：契約の神エラスの下位神とされる。適正な金銭取引を守護する、ひいては商売繁盛の神とされる。商家にいくとよく小さな神像が飾られている。

農耕の神シェーフ：フォロスの子の一人。フォロスとサーインの子の一人とも。人が耕す土地と作物の守護者とされる。特に穀物を司るとも。農家からの信仰が厚いが、大体フォロス（と時にサーイン）と並列で祀られる事が多い。

　他に抜けなどありましたらコメントでどうぞ。