◆リクエスト/舞台の国の貴族制度って?

 ↑ 偉い


 ・王…… 当然一番偉い。国基を維持し、国民の生気をもって環境の制御などを行いもする。神々の承認のもとの奇跡の発露。王が居ない国は存在できない。王こそが国家である。


 ・公…… 王の擁立者としての側面も持つ。大領地を持つ大貴族。五公家と呼ばれる最も古い貴族の家柄の当主達は緊急時の代王の選王権を持つ。各々が宮廷で役割を持つ。多くが国の運営に関わる役職についている。


 ・侯…… ある程度の広さの領地を持ち、その運営を行う貴族。いわゆる中位貴族。偉さは実は様々。基本的に議会に参加する権利はある。官職を持って国政に直接関わっているかどうかは様々。もっともバリエーションが広い貴族階級。


 ・伯…… 上の貴族の領土の分割統治を行ったり、小領地を直接統治したりする階級。国政への関わりは立場次第。貴族としては最下位だが、いわゆる商業貴族として金銭的には富裕な生活をするものも存在する。


 ◯ここまでの貴族は社会制度上だけでなく、神殿に認められて貴族の家門と認められたもの。彼らは王の杭であり、彼らが領土とする土地は王の土地である。

 つまり、戦時など、入植などの領土の増減に関わる。

 諸民の契約の移し替えを行う権限も彼ら貴族のちからの一つである。

 貴族の家族で独立していないものは家門の主体となる者に付随する貴族であると扱われるため、無爵貴族が存在する。現実とはちょっと違う概念の単語。


 ◆非貴族◆


 ・郷紳…… 貴族の委託を受けてなど、ある程度の土地の支配権を持つ階級。平民だと貴族とごっちゃにしていることもある。彼らには「王の杭」としての権限は存在しない。つまるところ、地主。

 徴税権、小作人招集権はあっても裁判権は持たない。


 ・騎士…… 多く貴族の後継者以外がなる。国家、もしくは貴族が組織する騎士団などに所属し、治安の維持などを請け負う。この項では貴族以外として扱うが、年月とともに醸成された慣習的扱いなどもあり、貴族身分であるものの役職上騎士として扱われる者もいるため少しややこしい。一般的な扱いは「貴族の家族」もしくは「準貴族」。王立騎士団の騎士達は王の剣であり、貴族とはまた別種の特権(大三項の軽減)がある。地位は貴族達より下であるが、王立騎士団の騎士達を軽々に扱うことは許されない。騎士領を持つものも存在するが、彼らは「新しい土地と臣民」を増やすことは出来ないため、貴族とは区別される。多くが一代限り。



 ◆別枠◆


 ・魔術師…… 舞台の国家では侯以上の貴族と同等と扱われる。貴族階級の人間たちの意識はともかくだが。宮廷に入る権利、王と対等に口をきく権利があることを基底に扱いを決めたらそうなった……と思われている。

 徴税権、裁判権、領主権を持つことを法の上で認められている。

 王に従うものではないため貴族そのものではない、とされている。あくまでも舞台の国での扱いであることに注意。


 ――――――――――――――――――


 貴族特権には免税特権、領地内でのギルドの承認権などもある。


 貴族は多くが一定人数まででの分割相続を行う。長子相続を行う貴族も一般的で、王家と神殿の承認があれば、ある程度の柔軟な相続制度で運用される。


 新貴族の創出、貴族位の獲得は王家の命じるもとに神殿の承認があり、さらに神殿での儀式の成功があれば可能である。

 基本的には出生時に貴族身分の獲得は行われるが、可能な年齢が決まっているということはない。よって時折非嫡出子が家に入るなど、成長してからの儀式も行われる。



 貴族の貴族たる由縁は王の臣民たる自覚と認識であり、国家という枠組みの保持者であるという自負である。

 そのような理由で平民を財物と見做す貴族も存在し、平民と貴族の間の隔たりの原因になっている。



 世界の構造上王への反逆は事実上不可能であるが、中央集権的構造を求める宮廷貴族と地方分権を期待する辺境貴族の間に対立があったりもする。



 ◆代表的な貴族(本編既出のもの)


 ・ミランド公


 北部の大領地、ミランドを支配する公。姓名はギリェルモ・アランバルリ。

 アウルミアとの国境沿いの要衝地であり、彼の国との良好な関係の大半は彼の手腕にかかる。

 宮廷において外務大臣相当の役職を務めている。


 ・ウーリ公


 西部の大領地、ウーリを支配する。貿易と音楽産業の振興を試みている。

 尚書長を務めている。


 ・ガラント公


 南西部の大領地、ガラントの公。姓名はアロンソ・フォルテア。

 王軍長を務めており、家柄からは代々王の将軍を輩出する。

 魔術師の管理/監視職もまたガラント公の家柄から選ばれる役職。





 ◆貴族社会の特色的な行事は?


 女性は14歳を皮切りに社交界の参加資格を得る。舞踏会、夜会で結婚相手を探す等の行為が解禁される。婚約も多くこの年齢から。

 同い年の子供同士を婚約させよう、という場合は男性の成人年齢16に合わせる。それまでは口約束の形になり、お披露目のパーティーなどはそれから。

 慣習上14と16の年齢はそれなりに(男子も女子も)お祝いが多い。

 ところで実のある結婚は18歳からというのは貴族社会でも一般的。

 社交にはシーズンがあり、領地の屋敷と王都の「社交の家」の両方を持つのがステータス。


 宮中行事は数多く、祭祀に直結するものも多い。ヴァリウサで有力な信仰は契約を司るエラス、母神である豊穣神フォロス。


 第二子以降は公学院に入学させ、官僚としての能力を付けさせるのが一般的。また、女子相続もそこまで珍しくはないが、娘であれば長子であっても公学院に入学させる者が多く、結婚相手を探すためという側面もまた強い。


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