幕間と余談2

◆いまさら登場人物紹介と用語 13歳四章◆

 おさらいのターン。


 今回は長かったので色々曖昧模糊としてきたタイミングでしょう。

 一体どのキャラを紹介されたい?




 ■登場人物



 ◆スサーナ


 主人公。

 そろそろ来るんじゃないか来るんじゃないかと思われていたがとうとう来た。

 ふわふわと状況に流されていたら命の危機やら記憶の統合やら貴族やらで忙しい人。

 ところで、よく懐いていた保護者が美女とキスするところを目撃してしまった。

 近所の優しいお兄さんにも知らない生活があり、美人の恋人がいると目撃したときのちいさいこどものきもち。

 実際どうかと言うと実情はアレではあるものの、本人に問いただすような甲斐性がないのでなんかひっそりよくわからない胸の痛みを抱えるだけ。ちなみに主観として失恋(?)したことには気づいていない。ご想像がつくかと思われますがその方面の情動発達は幼稚園児レベル。今後対人関係を積むうちに年齢相応になるかどうか。

恋愛を出したいタグの関係上ちゃんと今後誰かとフラグを立てられるのか作者はやきもきしている。


 ところで記憶が統合したらどうなるのか、と言うと実のところ見た目上あまり目立った変化はない。ちょっと落ち着いてちょっと超然レベルが上がり、ちょっとこれまでは衝動的だった自己犠牲モードを冷静に行うようになるだけである。

 保護者が知ったら胃が死ぬこと請け合い。





 ◇偉い貴族の関係者の皆様



 ◆エレオノーラ


 今回の発端でもあるお嬢様。

 彼女が慣れない事情の隠匿を行わなかったらここまでこじれなかった可能性は少しだけある。

 姫騎士気質に加えてややこしく捻転した懐き方をスサーナに対して発生させていないこともなく、厄介な方面のツンデレの素養がある。


 幼少時は非常にお転婆だったため、靴を壊す、剣を持って他人のトイレのタイミングを狙うなど暴虐の限りを尽くしていたため、静かに第二王子のトラウマになっている。


 現在は上品と丁寧さを評価するお嬢様であるのでメリッサ(ミッシィ)のことは普通に苦手。ただ、数年前は嫌いというほどではなく、宝石の試着をしたいから金庫の鍵を持ってきてと言われれば素直に持っていってしまうぐらいの信用はしていた。



 ◆オルランド


 エレオノーラの兄。

 ガラント公の後継者でもあり、魔術師の管理という職務は彼のものでもある。


 無理を言って連れてきた婚約者が犯罪を犯して逃げたためにこの夏まで領地で謹慎に近い扱いだった。

 彼に与えられた魔術師の管理という職務も名ばかり役とか閑職と呼ばれ、貴族社会での立場的には穀潰し扱い。

 第二王子の幼馴染役でもあり、彼にはそれなりに目をかけられている。


 愛する恋人と再開し、彼女が自分を守ろうとしていたということが明らかになってしまったために実は現状めちゃめちゃ浮かれている人。

 念の為で呼んだ魔術師が非常に役立ったので復権の波がドバドバ来ているが、とりあえず愛する女性と静かに暮らせればいいモードなので足元をすくわれる可能性は低い。



 ◆プロスペロ


 オルランドの友人であり、彼の父の部下でもある。

 騎士階級だが、比較的下っ端のほう(年齢とともに昇進する)。

 中位貴族の次男坊であり、石頭で融通がきかず、真面目なのが基本的には取り柄だと周りからも評価されている。


 今回、ややこしい事態が発生していることになんとなく本能的には気づいていたものの、疑う相手を完全に間違えた人。

 まあ平民階級の娘は普通公の息女の屋敷には泊まらないし上位貴族でもなかなか普段遣いしない護符なんてものを身につけることは少ないので、主人公なんてものに当たってしまったのが不幸な事故だったのかも知れない。


 彼がうっかりお守りを取り上げなかったらスサーナさんはまだなんとか綱渡りをしていた可能性がある。


 怪しい平民の娘を締め上げたはずが大貴族のご令嬢だったみたいな事態になり、上司にめちゃくちゃ絞られた。たぶんちょっと減給とかされている。哀れ。



 ◆第二王子/ウィルフレド


 現王の第二王子。

 この人がレオくんが平民の娘にうつつを抜かしているらしいと知って、どんなものか見てやろうと計画した王都へご招待のせいでスサーナさんは混迷した事態にドボンすることになった。


 女好きで刹那主義ではあるが、頭の切れるタイプの王子様。

 フェリスちゃんと同母の王子であり、基本的な性格は似ていないこともない。

 今回の事態で身元の知れぬ平民が貴族王族に関わってくることに対して違和感を覚えていたためにレオくんのお気に入りとやらを確認してやろう、と言う思惑だったため、一応弟に情がない、というわけではない。

 しかし問題なかったらそれはそれで誘惑する気満々だった。特に言い訳はない。


 レオくんのお気に入りについてはまだ勘違いしている。


 いろいろとややこしく捻転した性格をしており、妃は取らない主義。自由恋愛にこだわりがある。平民の寡婦組合に多額の出資をしているなどしており、情報網として使っている。


 ところで、今回の事態で黒幕が表に出ないような事件の起こり方をした場合、疑われて断罪されるのは彼であった可能性が非常に高い。ひょんな事で命拾いした。


 エレオノーラお嬢様には幼少時色々世にも酷い目に遭わされた結果、なんとなく苦手である。



 ◆セルカ伯/ブラウリオ・クレメンテ


 がんばる下級貴族のおじさま。


 パーティーを頻繁に開催したりして非常に貴族社会の噂に詳しかったり、上位貴族にホットラインがあったり、そういえば海賊市でわざわざ鳥の民っぽい奴隷を買ったりなどよく考えると不思議な行動の下級貴族。自称下っ端官吏だが、どうも諜報部とかそういう方向にお勤めなのではないか、という気配がする。


 いい人でないにせよ悪い人でもないことは確かで、スサーナさんが安心して面倒事を持ち込むもので今回過重労働をキメた。


 結果とうとう国難を一個救ってしまった。勲章ぐらい貰ってもいいのかもしれない。



 ◆ミランド公/ギリェルモ・アランバルリ


 セルカ伯から見れば上司に当たる……のかもしれない。

 セルカ伯の遠い親戚、北の大貴族。

 外務大臣に近い役割の人であり、対外国の任務を持つ。


 レオカディオ王子の後見でもあり、彼のことはよくかわいがっている。

 若くして妻を亡くしており、再婚はしていないが、他国に愛人がいるとかそういう噂は絶えない。その愛人っていうのはこれのことかね、と焼き物を磨く愉快なおじさんではあるのだが、政争とか陰謀とか諸侯に睨みを効かせるとかも得意であり、ただの愉快な人ではない。


 今回、スサーナさんを隠し子の立場に据えたが、実のところ元々穏当に養女にとそっと準備は進めていないでもなかった人。

 単純にレオくんのためだけ、というわけでもなく、悪いロリコンを嵌めた際の手際を見ていて気に入ったなどの理由も実のところあったりする。



 ◆ガラント公


 エレオノーラお嬢様のお父様。

 武門の家を誇りに思う当主。王軍長を拝命しており、あまり魔術師は好きではない。

 息子が平民の娘を婚約者にしたのは当時苦々しく思ってはいたが、後々別に正妻を取らせるつもりで許可した。


 王の権威の元に諸侯が統制されるべき、という志向が強い、王家への忠誠高い人物。

 息子が家に入れた平民の娘が情報を外に流していたりしたせいでだいぶ酷いことに遭ったりした人なのだが、なんだか今になってどうやらそれが王家を救うことになったりしてしまったので、該当人物がいることに気づいているし息子が生き生きとしているのも横目で見ているのだが、ちょっと文句をつけづらい。

 ミランド公の事は信用はしていないが信頼はしている、というような仲。意見は比較的対立することも多いが、関係は悪くはない。


 娘のことはめちゃくちゃ可愛がっている。娘かわいい。目に入れても痛くないかもしれない。



 ◆レオカディオ王子


 とばっちり全開の第五王子様。

 ことの発端は彼がミアをご寵愛している、と言う噂が流れた……ということからだった。


 事情の中核にはあまり関わっていないのだが、第二王子が余計な楽しみ方をしているのを知って友人たちに注意を回すなどちょこちょこと気を使ってはいた。

 面倒な事情ながらおとなしく乗り切ろうと思っていた所、なんかちょっと憧憬に近い恋愛感情を持った相手が盛装していたり、果ては自分を庇って血を吐いたり、感情が乱高下する事態に。

 その上それだけなら(良くはないけれど)いいのだが、好きな子が、なんの感情も付随していないといえど別の男に唇を奪われるというショックな光景を目の当たりにしたりなどしてちょっと穏やかではない。



 ◆フェリスちゃん(フェリクス王子)


 兄の気まぐれのせいでいろいろ友人たちに気を回すなどしていた二号。

 ところで、とうとう女装がバレたような気がするがまだ確証はない。


 流石に自称親友であるところの仲のいい相手が自分の家の問題に巻き込まれて派手に死にかけたのは結構ショックが大きい。譫言で心配されたし。心配されたしなー……。




 ◇平民その他の人たち




 ◆ミアさん


 今回演奏会につられてほいほい王都までやって来た。

 第二王子が自分にちょっかいをかけようとしていた、なんて全然信じていない。


 最高の演奏を存分に聞けたのは良かったものの、最後に事件に巻き込まれて怖い目に遭ったしスサーナが吐血したのを見たのでだいぶ心配。



 ◆ジョアンさん


 今回、ミアのおもりで苦労していた人。

 貴族のいる場所に混ぜてもらったりなど今回なんだかんだとチャンスが多く、出世のいとぐちに、など野心強めに考えていたものの、

 スサーナがふと目を離していた隙に王子様のグラスを飲んで(魔獣と)血を吐いたのでなんだかめちゃくちゃ夢見が悪い。



 ◆メリッサ/ミッシィ


 元々、最下位の野心の強い貴族によって中位以上の貴族の子弟をたらしこむのを期待されて学園に送り込まれた貧民の孤児。

 本当に偶然、大貴族の息子と出会い、恋を育んでしまったところから彼女の運命は狂ったと言えるかも知れない。


 うまく中位以上の貴族の妾か、あわよくば妻に充てがってその代わりに出世を、と彼女の後援者は思っていたものの、それが大貴族ガラント公の息子とわかって事情が変わった。中位のうちでも権勢ある貴族の一人から接触を受けた後援者の意向により、ガラント公の失墜を狙って情報を引き出す役にされていた彼女は恋人に相談することも出来ず、ヤローク貴族の手先の甘言で国から逃げることを選択し、結果彼らに取り込まれることになる。


 高級娼婦として貴族達を翻弄し、家の見取り図や情報などを集める役目をしていた。

 勇気を出して行動した先に騒動引受装置のスサーナさんが居たのがラッキー。

 事件後は身柄はミランド公が預かることになり、オルランドとも話し合う機会があったため、結構幸せなことになっている。ほっておくとバカップル化するかもしれない。


 ところでミアさんが疑われたのはミッシィのコードネームが「シン」だったから、という事情もあったりする。

 つまりとばっちり。



 ◆ルチェルトラ


 全貌は明らかになっては居ないが、ヤロークの工作員の一人だった。

 ミッシィさんとの連絡役であり、もっと上のヤローク貴族と直接繋がりのある人間。



 ◆?????


 ヤローク貴族とつながりを持ち、彼らを国内で暗躍させることで事態を混乱させ、同時に式典の最中に現王とその係累の殺害を計画した。






 ◇鳥の民


 ◆レミヒオくん(ヨティス)


 隠れ蓑にするつもりの下級貴族が古狸でした。


 内実は明かさず、しかしセルカ伯には正体はほとんどバレている、というような立場。直接何か言われるというものではないが、なにかある度に折に触れて「皆で幸せになろうよ」という態度を取られる。

 うまいことウィンウィンでやっていきたい。


 スサーナさんが相談にやってきたと思ったらものすごいことを聞かされた。

 鳥の上の方に情報を少し売り、セルカ伯に恩も売れたのでまあ収支は悪くない。

 更に予見の能力をスサーナさんが持っていることまで明らかになったし、なんだかこれまで渋っていた魔法へも意欲を見せだしたので全く損はない。はず。

 でもちょっと複雑な気分の暗殺士。ネレーオのほうにスサーナさんが余計に懐いている気がする。



 ◆ネルさん(ネレーオ)


 忠犬ネル公。

 今回はもとの古巣のヤロークの界隈が関わっていたので情報アドバンテージが一番あった人。

 スサーナさんを危険から遠ざけるつもりで情報を一つ伝えなかったら、そのせいで生命の危険ど真ん中に飛び込んでいったので非常に心を痛めている。


 今後、大手を振って側仕えできるようになった。番犬が加速する可能性が高い。




 ◇魔術師


 ◆王宮魔術師/お師匠様


 王権に関わることであったために呼び出され、約定どおりに護衛を果たした。

 結構面倒くさい事態であり、裏で人一人食って育った魔獣と交戦したりした後に、中途半端に術式を使うとむしろその魔力で魔獣が孵って患者が死ぬ(ため、圧倒的大量な魔力と緻密に組んだ魔術式で一気呵成に処置しなければいけない)、というような状況の応対を複数人こなすなど、結構な働きをしている。


 ところで魔術師は体内に魔力炉があるために体液や粘膜接触で魔力の授受を行うことが多い。

 接吻に全く意味がないわけではないものの、付随する感情情報こそが重視されるのである。



 ◆第三塔さん


 とばっちりを受けるのはもはや運命なのかも知れない。

 師の随行でお仕事をしに来たらまたいつもの被保護者が死にかけていた。


 結構な手遅れギリギリのマズい事態だったので力技で対処する羽目になる。

 常民相手に魔術師が自分の肉体を傷つけることは殆ど無いのだが、王族に関連することであり、なかなか無い緊急事態だったために同行の者たちには看過された。


 上位の魔術師が随行を別の魔術師に求める場合、魔力の譲渡に備えてという側面もある。結構気軽に同族同士キスに見える行為をしがちな種族であるが、そんな事、常民は知っちゃいない。その辺の事情で性的放埒だという偏見を受けたりもする人達であるが、彼らの中では情動的にどうかでそのあたりはきっちりライン引きはされている。


 本人は全く感知しないところでなんか大変なことになってしまった。


 スサーナさんに渡したお守りは師匠に作らされたというのは嘘ではないが、後々術式を足した特別性だった。

 肉体に術式を掛けられないのなら適宜働く護符で補えばいい。それ自体は悪くない考えだったが、第三者に取り上げられるというのは少し予想の外だった。

 現状、結構嫌な予感がしている。


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