第3話

そうとう 前の話である。


新宿 南口が 開発される前

新宿南口を 甲州街道を 東に 下って

途中 左に 下る 階段が あった。


そこを 下ると 新宿東口の 今で言う マイシティの

東口の 盛り場に なるのだが

ちょうど 台北飯店という 美味い 台湾料理屋を 曲がって

新宿駅の方に 入る ディープゾーンがあった。


もう 多分 無くなってる エリアだが

新宿駅の 東の 真ん前に あたる その ゾーンは

ほとんど 人が 入らない エリアだったが


こういう なんか 湿っぽい 暗く淀んだところは

都心なのに なにかを 感じるもんだ。


大都市の 真ん中には このような 場所が

けっこうあって こういう所に 江戸時代や 明治の

匂い

人間を 感じるものだ。


たまたま 夜 11時頃だったか


新宿駅の 東口 そのエリアの 奥に ふらふらと

歩いていたら


行き止まりの その角の ドアが 開いて

真っ赤な 口紅をした 痩せこけた 女性らしき人が

脚を 出して

ちょっと 入って来なさいよ(笑)って

話しかけてきた。(笑)


今なら 入って 身ぐるみ剥がれるものも ないから

入って見たかもしれないが


長い髪の 白髪が 混じってたかな〜〜

70半ばぐらいでしょうかね〜〜

元は 美貌だったような 美輪明宏か ビーターか?(笑)


女性だったのか?

わからないですね〜〜


こういう人が そうとうの 中身が あるのは

今になると わかるわけで


中身のない 若造にはには

この世の 深みを せっかく 導いてくれた

地獄門には 入ることが 出来なかったですね〜〜(笑)


多少 人生を 重ねると そういう人が 実は

真面目な 学校の先生や 嘘ばっかりついてる 親よりも

間違いなく

人間世界を 一瞬でも 見せてくれたわけだと 思うわけで

三島由紀夫より 天才かもしれない。(笑)

多分 そうですよ。(笑)

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