ひとこと日記 ――小学生とのリアルな会話録――

12月28日 防犯パトロール

　年末になると各町会で夜警を行うのが、この辺りでは一般的です。

　ほとんどの地域が十二月二十八日から大晦日に掛けて数日間行いますが、我が町会では二十八日に子どもたちも参加しての防犯パトロールを行います。

　子どもたちの顔や名前が分かるという理由で、このパトロールも毎年お手伝いを頼まれていました。

　しかし、昨年は仕事関係の忘年会が入ってしまい、不参加に……。

　そうしたら、年明けにメイちゃんとひなから「なんでおじさん来なかったの！」とお叱りを受けたので、今年は万難を排して参加です。

　夜七時にスタートするので保護者同伴が条件となっています。

　ひなは旅行で参加できないと聞いていましたが、メイちゃん、このみちゃん、ノンちゃんなど、親子併せて総勢五十人を超える参加がありました。

　二班に分かれて四十分ほど掛けて町内を回ります。

「我が町を」

「我が町を」

「みんなで守ろう　年の暮れ」

「みんなで守ろう　年の暮れ」

　カン、カンッ！　と拍子木の音が冬の冷たい空気に響きます。

　この標語を書いたプラカードを掲げて先頭を歩き、声出しの合図をするのが私の役目。拍子木は子ども用のものも用意してあります。

「ちょっと待て」

「ちょっと待て」

「火の元確認　もう一度」

「火の元確認　もう一度」

　カン、カンッ！

　初めはバラバラだった掛け声や拍子木も、回を重ねるごとにぴったりと合ってくるのが気持ちいい。

　大きな声を出しながら歩いていると寒さも忘れ、町会会館へと戻ってきました。

　実は子どもたちにとってはここからが本番。

　パトロールの後の恒例、ビンゴ大会が始まります。

　ビンゴのボールを回して番号を発表するのも、私の役目。

　景品は用意してある中から自由に選べ、全員がビンゴするまで続くので、終了は九時頃となります。

　今年はメイちゃんが二番目にビンゴ、一番初めにリーチが掛かったノンちゃんは二十番目くらい、一番高額では？と思っていたホームベーカリーが十番目くらいまで残るなど、例年通り盛り上がった頃に地元警察署の署長さんが挨拶に来て、全体で記念写真を撮ってお開きとなりました。

　満面の笑みを浮かべて帰るメイちゃん。

「よいお年を」と言って挨拶していくノンちゃん。

　みんな元気で、また年明けに会おうね。