第6話 半分外れで半分あたり
コルト国は西方の国々と東方の国々をつなぐ玄関口のような役割を担った国である。だからこそ様々なものが東西の国々から集まり商業国家として繁栄してきた。
とは言えコルト国は国土の小さな国である。南の離島には物の数時間で着くことができた。
エリスと俺の読みは半分あたりで半分外れだった。
少女の父は研究者で、離島で自生している様々な植物の研究をしていた。研究で得た成果を使って体の自己治癒力を高める新薬の開発に携わっているそうだ。
決して稼ぎはよくないが、研究のために日の国と共同で技術開発を行っているため、少女の電動車いすもテスト品として手に入れることができたと話してくれた。少女も体の免疫機能の異常で足の神経がマヒし、歩けなくなったんだとか。
離島にこもってまで薬を開発しているのは少女の足を直してあげたいがためであった。
皮肉にも少女の足を直すために少女と暮らす日常をあきらめざるをえなかった。
しかし、こうして俺たちが少女の手紙を運んだことで少女の父は涙を流しながら喜び、また俺たちにこの国に滞在する間、少女に手紙の返事を渡してほしいと依頼してくれた。
この国に来ての初めての仕事で初めてのリピーターを得ることができた。そして、離島にいるほかの研究者たちも、俺たちに離れた家族へ手紙を渡してほしいと依頼をしてくれた。
少女からの手紙の依頼を果たし、俺たちは新たな多くの依頼を得ることができた。
少女の依頼だけでは赤字だが結果として多くの依頼を受けることができ、俺たちはこの国でしばらく滞在する理由と金銭的な基盤を作ることができた。
初めに依頼をくれた少女の名はリタ、少女の父の名はリクルットといった。
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