第2話
時は進みドォウムム紀10,000年、世界節2,290,000年。
場は居住空間内に用意した住居内にあるキッズルーム。
ここは四柱の子供たちの為に家を増築して創造した部屋になる。
「みんな~、新しいお仕事よ~。」
つい先ほどヴルツツルプグの構築と初期設定が完了し、新たな仕事を伝えるべく蒼は四神の子供たちの下に来ていた。
「「「「おかーさまー、今度の仕事は何~?」」」」
儘と蒼がシステム構築に勤しむ中、四神達もまた適用されるシステム管理を行う為の習熟訓練に励みつつ、この世界の管理を行っていた。
蒼直轄の天使たちが、第三位階光子で時空間を構築していく中、四神達はリカバリーアンドサーキュレイションシステムと名付けられた、エネルギーの回収と循環を司るシステムを時空間へ適応させ、エネルギーが円滑に循環するようにしていた。また、今のところ問題は起こっていないが、循環が滞ったりしていないかの監視業務も行わている。
「今まで個別で稼働させていたシステムを一つにまとめるから、その監視業務よ。」
蒼はそう言いつつ四柱の子供たちに情報を送る。
「「「「今存在する悪魔の半数を使って、監視ですか。」」」」
「そうよ、その間ちょっと悪魔の手が回らくなるところがあるかもしれないから、システムの統合後は一度総点検もよろしくって、お父様も言っていたわ。」
「「「「解りましたお母様、そのように調整をします。」」」」
蒼は子供たちをハグし儘の下へと帰っていく。
「お母様は相変わらずお父様にぞっこんねー」
「そうだねー、見ていて幸せいっぱい。」
「私たちお父様とお母様の子供して生み出されてよかったね~。」
「うんうん、今度暇を貰ったら二人のところに突撃しちゃう?」
「「「しちゃおう~。」」」
四神達はそんなことをころころな声音で話しながら、新しい仕事を十全に全うする為に準備をしていく。
儘が生み出した四柱の管理神は、個別に自我は確かに存在しつつも、思考は常に並列で繋がっている。
よくこのような状態で自我を確立し続けることが出来るのかというレベルでの繋がりなのだが、そこは神の力と言ったところなのだろう。実に便利な能力だ。
数日後。
「とりあえずシステム統合は問題なしっと。」
「子供達からの報告でも特に問題ないようです。貴方。」
いつもの如く二人は寄り添いながら作業を熟していく。
「後は数年実際にシステムを稼働させて様子をみようか。」
10,000年後、稼働テストによりシステム統合の影響の確認が終わり、経過観察として設定した年月が経過した。
この確認作業と並行して、神々は次の段階へと進むための準備にも取り掛かっていた。
そして、システムの安定稼働が確認され後、作業の為に世界中に散らばっていた悪魔たちは、既に通常業務へと移行し、いつも通りエネルギーの回収と循環業務に勤しんでいる。
「さて、悪魔たちもこれで全体が普段通りの体制に戻ったな。」
「では、次の段階ですね。」
「ああ、増殖炉以外のエネルギー増産方法を確保していこう。」
今までこの世界でエネルギーの増産方法は、儘が生み出した魂力増殖炉で賄っていた。
今回でこの方法以外のエネルギー増産が用意されていく。
その方法とは、発生の特性を持つ光子を利用したものだ。
この光子の特性「発生」は、外部から何かしらのアクションを与えられることにより、エネルギーを増産する様に創造されおり。その時に光子で生まれるのが聖子と魔子だ。
そうして生み出された聖子と魔子は結びつくことによって魔素となる。聖子と魔子、さらに魔素で満たされていく世界。そして刺激を受けさらに聖子と魔子を生み出していく光子。
この連鎖反応をもってエネルギーの確保とするのが、この世界でのエネルギー増産方法の主軸となる。
今までの魂力増殖炉を用いたエネルギー増殖は、ここに至るまでの繋ぎでしかなかったのだ。ただ、この光子を使用したエネルギー増産方法が確立した以降も、魂力増殖炉はサブのエネルギー供給源として活用していく事になる。
それで、光子がエネルギーを生み出すために外部からの刺激が必要になるのは先に言った通りで、儘は今回その最初の切欠になる衝撃を用意することにしている。
「では、これより大規模疑似魂創造爆発を開始する。」
儘の宣言により各々は予め決められていた配置につき、最終確認作業に入った。
儘の所には蒼を始めとして、関係各所の責任を担う存在からの確認完了の報告が上がってくる。
儘と蒼はこれから先使い続けていく、世界を管理するために用意した管理者用の専用空間にて、情報の確認を行っていた。
「貴方、各所の確認作業終わりました。」
「うむ、では始めよう。」
「「「「は~い。」」」」
そして、光子によって拡張されたこの世界で、光子による疑似魂の創造を、世界全体へ向けて行った。
天使により光子を使用し構築した時空間に、悪魔たちにより満たされた様々なエネルギーに、瞬間的に生み出された疑似魂によって、凄まじい衝撃がストラトゥムカルパーテルミヌスの世界を駆け巡った。
これにより、この世界は正しく世界としての役割。モデル位階エネルギー増殖炉としての役割を持つに至った。
「状況は?」
「「「「悪魔達からの報告では、特に問題ありません。」」」」
「天使たちの報告では、光子で構築している時空間に若干の綻びが出来ていると報告が上がっていますが、想定内の状況の様なので、既に補修作業に入らせています。」
「ふ~、取り合えず、問題は無そうだね。みんなお疲れ様。」
そう言いつつ、四神の頭をナデナデ、蒼の髪の毛をサワサワする儘。
そしてニッコニッコの笑顔を向けてニヘラっと笑う子供神たちと、恥ずかしげもなくその身を預ける蒼。
「後は、システムを介しての介在が主な仕事になるね。みんなはこれから調整作業とか色々と煩雑な作業に追われることになるけど、それを現場で行う存在は、これからどんどん増やしていくからね。」
こうして、ストラトゥムカルパーテルミヌスに、神々とその眷属としての役割を持つ存在以外のものが生れたのであった。
そして、これらが自我の確立を終えるまでに、時間が経過するのを待つだけになる。自我が形成されれば多種多様な刺激がこの世界を巡り、エネルギー増産がさらに加速して行く事だろう。
現状自我がない上に、魂力から生まれた魂とは違い、光子を使用した疑似的な魂だが、そこにあるのは確かに魂だ。魂力から生まれた魂を真の魂と呼ぶのであれば、差し詰め光の魂と言ったところだろうか。
存在の権能持つ魂力と、発生の力持つ光子の魂は、その保有するエネルギー強度こそ違えど、非常に似通った性質を持っていた。
発生した光の魂は、この世界にある時空間に結び付けられ、この世界で育まれていく。そして将来には、生物などの有機物は勿論、無機物などの鉱物にまで自我が宿ることになっていく。
では、話を進めていく前にステータスの読み方を簡単に説明しよう。
―――――
LV.2,000,000(ステージ3)
レース
第三位階時空間(光子)LV.1,000,000
スキル
時間LV.500,000
空間LV.500,000
レース
光子増殖空間LV.800,000
スキル
光子蓄積LV.100,000
聖子蓄積LV.100,000
魔子蓄積LV.100,000
魔素蓄積LV.100,000
光子変換LV.100,000
聖子増殖LV.100,000
魔子増殖LV.100,000
魔素精製LV.100,000
タイトル
創世神の祝福受けし原初の魂LV.200,000
―――――
では、このステータスの読み方を説明していこう。
まず一番上のレベル2,000,000(ステージ3)から。
これは、二つのレースレベルとタイトルのレベル合計になる。
次に二つあるレースレベル、これはレース直下のスキルレベルの合計だ。
この世界でレベルは、下位に存在するレベルの合算がより上位のもののレベルとなっている。
レベルの表記の説明は以上で、次はそれぞれの個別の説明をしていこう。
まずは、第三位階時空間(光子)から、このレースの力は自身のレベル未満のスキルからのあらゆる影響の無効化だ。
使用されているマイティワードは、「自身」「レベル」「未満」「スキル」「影響」「無効」の五つ。
なので効果としては、LV.1,000,000以上のスキルLV.でないと、影響を与える事が出来ないという事だ。
次はそれぞれのスキルだ。
時間の能力は、システムからの干渉により時間を経過させる能力、空間の能力は、システムからの干渉を受けて空間を維持する能力だ。
使用されているマイティワードはそれぞれ、時間が「ヴルツツルプグ」「干渉」「時間」「経過」
そして空間が、「ヴルツツルプグ」「干渉」「空間」「維持」
なのでこの場合だと、ヴルツツルツプシステムからの干渉を受けて、時間を経過させる、または空間を維持する能力となる。
なので第三位階時空間(光子)LV.1,000,000としての能力を纏めると、LV.1,000,000未満のスキルでは何かしらの影響を与える事すら出来ず、空間を維持し時間を進めるという事になる。
では、次の説明と行きたいところだが、この調子だと説明だけでかなり長いこと話し込むことになってしまうので、以上を踏まえた上で光子増殖空間の説明を聞いてほしい。
光子増殖空間LV.800,000の能力は、LV.800,000未満のスキルでは影響を与える事は不可能で、100,000の・聖子・魔子と50,000の魔素、100の光子を蓄積し、1年経過時に100,000の聖子と魔子を増殖させ、聖子と魔子から50,000の魔素を精製し、聖子や魔子や魔素を100の光子へと変換する能力を有した空間という事になる。
最後のタイトル創世神の祝福受けし原初の魂は、自身の保有する魔素を利用して、LV.200,000までの魂を新たに生み出すことが出来る能力だ。
さらに、今回は書いていないが、これにプラスして各階層の特性等のレースが入っていく事になる。
まー、一言でいうなればなんかすごい空間と言ったところだろうか。
こう言ってしまっては、今までの説明が何だったのかと言う話になってしまうのだが、要約してもそこそこの長さの説明文になってしまったこれを、一言で表そうとすればこうにもなろうというものだ。
さらに、今回付け加えなければいけない事がある。
レベル合算値の横にあるステージで、レベルアップ時に必要な経験値量の増大が計算されているのだが、今回に限り必要経験値量の引き上げは行われていない。
これは創世神の祝福~のタイトルに標準に備わっている能力だ。
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