閑話③ ~束の間の平和~

92話 ゆずと菜々美の恋愛対決


 六月末。

 ジリジリと太陽の日差しが日本全土を刺す夏の時期に、俺はオリアム・マギ日本支部の地下二階にある食堂の一角はある音を除いて沈黙に包まれていたがその空間は非常に重い空気がのしかかっていた。


 聞こえるのは紙をめくる音とカリカリとシャーペンを走らせる音だけだ。


 そこにいる四人の人物は黙しながら目の前の勉強という壁に立ち向かっていた。

 それも無理はないだろう。

 本来、その壁は時間を掛けてゆっくりと越えていくものだ。

 四人はそれを短時間で超えようとしているため、今現在受けている苦痛は当然の報いであり、必然だった。


 それでも四人は後悔をしなかった。

 この苦痛を乗り越えられれば楽園に辿り着けると信じ、手を止めることなくシャーペンを走らせていく。


 ――ペキッ。


「「「――!!?」」」


 四人の誰かが使うシャーペンの芯が折れる音がした。

 その音を聞いた他の三人は驚愕に包まれた。


 聞こえたのは芯は芯でも、心の芯が折れた音だったからだ。


 その心の芯が折れた者が声を上げた。


「ああああああもう休憩しようよぉおおおおお!!!」

「さっきの休憩から一時間も経ってないし、一ページしか進んでねえだろ」

「すーちゃん、ファイトです!」

「分からないところがあれば私が教えますから……」

 

 何か物々しいナレーションをしてみたが、要は夏休み前の期末テストに向けて勉強をしているだけだ。 そんな俺達は長方形のテーブルを挟むようにして向かい合って座っている。


 俺とゆずが隣、鈴花と翡翠が隣といった感じだ。


 時刻は午前十一時半になったところで、午前九時の勉強開始から今までの間に鈴花が休憩を提案してきた回数はこれで五回目だ。

 たった二時間半で鈴花の集中力は極限にまで落ちていた。

 今さっきの休憩しよう宣言だってほんの二十分前に言ったばかりだからな……。


 その度に俺とゆずがフォローするが、それも限界のようだった。

 けどな、それでもなんとしてもここでテスト範囲の内容を頭に詰めておく必要がある。


「お前中間テストは何教科で赤点を取ったんだっけ?」

「!」


 俺がそう言うや否や、鈴花は肩をビクッと揺らし、下手な口笛を鳴らしながら顔を逸らして呟いた。


「……三教科」


 そう、鈴花は国語と歴史以外の三教科で赤点を取ってしまった。

 その際、期末テストでも赤点を取ったら夏休みの三分の二を補習に充てるとさっちゃん先生に宣言されたのだ。


 鈴花にとって夏休みの大半が失われるのはもちろんだが、今年からはなんとしてでも赤点を回避しなければならない。


「鈴花も一人前の魔導少女として唖喰と戦うことになったから、不測の事態に備えて補習は避けておくために勉強しておけって言ったよな?」

「……オッシャルトオリデス」

「なのにお前は一週間前から〝明日があるから〟とか〝いざとなったらゆずに教えてもらえればいいよね〟とか……修学旅行の一件で戦う意思に成長はあっても学生の本分たる勉学にまるで成長は見られないなぁ?」

「……カエスコトバモゴザイマセン」


 俺もやっぱり慣れないことをして疲れているんだろうなぁ……。

 普段ならこんなねちねちと言葉攻めなんてしないはずなのに……。


「そういえば高一の中間テストと期末テストの赤点回避を手伝ったお礼もまだだったよな?」

「司の……おかげです」


 別に鈴花が勉強を嫌がることは今に始まったことじゃない。

 中学の頃からテストの度に俺に勉強を教わったり、ノートを写したりと鈴花の勉強に対する集中力の無さは筋金入りだ。

 羽根牧高校を受験する時だって物凄く大変だった。


 俺は出来る限りのことをやっていく性分だから、成績は学年二十位越えという高水準を保っている。


 ゆずは冷静な雰囲気で忘れがちだが、十四歳なのに高校二年の授業に余裕で対応できるほど頭がいい。

 現にこの前の中間テストじゃ総合トップを獲ったし、勉強方面ではむしろ俺が教わる立場だ。


 翡翠は……勉強をしていたら乱入して来た。

 現役中学一年生の翡翠にも期末テストがあり、どうせやるなら俺達と一緒にと思ったらしい。

 それを見た鈴花が「中一の内容ならアタシにも……」と呟いていた。

 

 中一の頃から俺に勉強を教わっていたくせに何をほざいているのだろうか?

 俺が覚えている限りでも当時の鈴花より、鈴花を鼓舞しながらスラスラと自分の勉強を進めている翡翠の方が絶対成績良いぞ?


「司君、事実でも鈴花ちゃんを責めるのはダメですよ?」

「ゆず……フォローになってないよ……」

「そうは言ってもなぁ……テスト勉強は普段から予習復習をしてたらそこまで切羽詰まるもんじゃないんだぞ?」

「魔導少女として戦ってたら勉強する余裕が無くない?」

「ゆずだけじゃなくて菜々美さんや工藤さんも同じ条件で生活してるぞ」


 アニメの魔法少女達も学校と戦闘の両立に四苦八苦していたが、この場合鈴花の時間配分が悪い気がする。

 

「テスト前に付け焼刃で頭に押し込むより普段から習慣としてこなしていた方が身に付くからだろ? テスト前でこんなあり様じゃ夏休みの課題もちゃんと出来るのか?」

「あっはははは、何言ってんのさ司~。夏休みに課題なんて無いでしょ?」

 

 こら。

 まだ夏休みの三週間前なのに現実逃避すんな。


「毎年ギリギリになって誰が回答見せてたっけ?」

「う゛っ!?」


 コイツ……今年も俺に回答を見せてもらうつもりでいたな?

 

 期末テストを乗り越えても夏休みの課題があることに鈴花は大きくため息をついた。


「はぁ~、なんで夏休みになってまで勉強しなきゃいけないのよ……」

「長期休暇だからといって遊び惚けるなっていう抑止力にもなるし、学生としての生活リズムを保つためでもあるからだよ」

「あ~、だから夏休み明けの学校を怠く感じるのね~」


 怠く感じるのは課題をちゃんとやってない奴だけだ。

 感心してないで手を進めろ。


「それにしてもゆずの教え方ってかなり解りやすいね~。どっかの誰かさんはひたすら実践あるのみみたいな脳筋だから助かるよ~」

「おい。夏休みの課題を手伝ってくれって言われても手を貸さなくてもいいんだな?」

「ああああああああごめんなさい!!」

「あ、ははは……」


 俺達のやり取りを見ていたゆずがクスクスと楽しそうに笑い出した。


「微力ながらお役に立てて何よりです。こういった勉強会は始めてですので張り切っちゃいまして……」


 ゆずが照れくさそうに言うが、俺としてはゆずが日常を満喫出来ているようで何よりといった感覚だ。

 それだけゆずの中に明確な影響を与えられている証拠だからな。


「まぁ、そろそろ十二時だし、昼飯にしようか」

「やったぁ! 何にしようっかな~」


 一時昼食休憩をはさむと宣言すると、鈴花が張り切りだした。

 その元気を少しでも勉強に向けてくれよ……。


「あ、皆さん、ちょっといいですか?」


 席を立って食堂のメニューを選びに行こうとした俺達をゆずが呼び止めた。


「ん? なんだゆず?」

「実は今日、料理を作って来たんです。よろしければ召し上がってくれないでしょうか?」


 え、ゆずが作ったって、ゆずの手料理ってことか!?


「あ、味に関しては一日一食は自炊するようにしていますが、お口に合うかどうかまでは……」

「いやいや、むしろこっちからお願いしたいくらいだよ。早速見せてもらってもいいか?」

「そうそう! ゆずの女子力を見るチャンスだしね!」

「ゆっちゃんのお料理楽しみです!」

「わ、解りました! 転送術式発動!」


 全員から期待を集めたゆずは少し恥ずかしながらもゆずは転送術式でラップに包まれた皿を食堂のテーブルに転送してきた。


 なんだか物凄い術式の無駄遣いを垣間見た気がしたが、目の前に並べられた美味しそうな料理を前にしたらどうでもよかった。


 皿には大きさ毎に品が変わっていて、一番大きな皿には唐揚げがマシマシに盛り付けられていた。

 一つ一つが丁寧に揚げられていたのか、綺麗なきつね色の衣に包まれている唐揚げからは芳醇な鶏肉の香りが漂って来た。


 朝早くに作ったとはいえ冷めても美味しく食べられるように作られていると分かる。


 次の皿にはキュウリやニンジンを細かく刻んで練り込んでいるポテトサラダだ。

 唐揚げの油を中和するさっぱりとした味わいになっているという。

 

 最後に一人一人に割り振るように人数分ある長方形の真ん中に仕切りがある小さな皿には、右側に塩が、左側には八分の一のサイズに切り分けられたレモンがあった。


 なるほど。

 お好みで選べるようにしたってことか。

 何気ない気配りに思わず頬が緩むのが分かった。


 というかすげえな。

 ゆずの弁当は自分で作ってるって聞いてたけど、ここまで美味しそうなのが出てくるとは思わなかった。


「す、すげえ……」

「やばい……見てるだけで美味しいってわかる……」

「美味しそうですぅ……」

「勉強に集中するためにスタミナが付くように唐揚げを作って来ました。どうぞ召し上がって下さい!」

「「「頂きま~す!!」」」


 ゆずの合図に三人で同時に箸を伸ばすと――。




「みんな、勉強お疲れ様! 差し入れを持ってきたよ!」




 縦に長い包みを持って柏木菜々美さんが食堂の一角に居る俺達の元へ駆け寄って来た。

 

 満面の笑みを浮かべる菜々美さんを見て、俺と鈴花は時が止まったかのように硬直した。


「柏木さん? 随分と早くに来られたんですね?」

「うん、元々勉強してたらお腹が空くだろうなって思ってお弁当を作ってたんだ」


 ゆずは至って朗らかに菜々美さんと会話を始めた。

 一方の菜々美さんはニコニコと善意百パーセントで微笑んでいた。

 

「へぇ~、そうなんですか~」

「そういえばテーブルに並べられてるその料理ってもうしちゃったの?」


 自分の手料理を注文したものだと言われたゆずの眉がピクリと揺れたのが見えた。

 それでもゆずは笑みを崩さない。


「――注文? いえいえ、これは私のですよ?」

「! ふぅ~ん」


 ゆずは手作りの部分を強調して菜々美さんに告げた。

 すると菜々美さんもようやく状況を理解したのか笑みの意味が変わった。


 ははは、なんだこれ?

 さっきまで暖かな食事の雰囲気だったのに、いつの間に一触即発の冷戦に切り替わったんだ?

 

 いや、確かに菜々美さんに今日の予定を聞かれて食堂で勉強会をするとは言ったよ?

 その時将来教師志望の菜々美さんに勉強を教わる約束をして、ゆずも含め皆に了承を得たよ?


 でも時間を指定してなかっただけで、俺に好意を向ける二人による手料理披露がダブルブッキングで起きるか? 


 どっちもみんなのためにという建前で俺に手料理を食べさせようとしたってことだよね?

 なんで思考回路が似通ってるんだよ……。


 俺がどうしてこうなったかを分析している間にもゆずと菜々美さんによる冷戦は続く。


「はわわ、二人共笑顔なのにとっても怖いです!」

「だよなー……そうだよなー……」

「あの二人ってあんなに仲悪くなかったよね? いくら司をめぐる恋敵だからってあそこまで露骨なのは初めてみるんだけど……」

「あの優しい二人が互いを牽制しあうとか恋って怖えなぁ……」


 原因が何を言ってるんだって?

 そうですよ、未だに二人に対する気持ちを決めかねてるんだよ。 

 

「で、なんでなのか説明してくれる? 元凶の司?」

「仰せのままに……でもそんな大袈裟なことじゃなくて、二人から仕掛けてくるアプローチのタイミングが悉く被るだけなんだよ」

「は? どういうこと?」

「俺の射撃訓練の様子を見ようとしたら入り口でばったり遭遇したり、デートに誘おうとしてメール送ったら同時だったりな……」

「なにそのコント……」


 言ってやるな……本人達は狙ってやってるわけじゃないんだから。

 

「ここ二週間はそんなことが繰り返し起きてたから、流石に菜々美さんはゆずが好意を自覚したのを察したし、ゆずは菜々美さんが俺に好意を向けているのに気付いたんだよ……」

「ああ、そうしたら常に相手を出し抜こうとし始めたわけか……」

「しかもそれすら今みたいに被るからほぼ毎回こうなるんだよ」


 そしてこうなってくると後がどうなるのかもパターン化している。


「せっかくです。司君にどちらの料理が美味しいのか決めてもらいましょうか」

「そうだね。相手の胃袋を掴んだ方が勝ちってことにしよっか」

「そうしましょう」


 こうして俺の判断に委ねられるわけだ。

 ちなみに今までの戦績は五分五分で一進一退の状況で維持されている。

 

「え~っと、その場合アタシと翡翠はどうしたらいいの?」

「料理対決に負けた方の料理をお昼として食べることにしましょう。反対に勝った方は司君と二人で昼食です」

「分かったよ」

「お腹空いたです……」

「悪い、出来るだけ早く済ませるからもう少しだけ待っててくれ」


 成長期の中学生を差し置いて料理対決に勤しむ二人の代わりに翡翠に謝罪した。

 俺の拒否権?

 あるわけないだろ。


「それでは司君。私の唐揚げからどうぞ」


 ゆずはそう言って箸で唐揚げをつまんで俺の口元に運んできた。

 あれ、これナチュナルに〝はい、あ~ん〟をすることになってない?


「いや待ってくれ。自分で食べるから――」

「私達の料理を一口ずつ食べて司くんが食べたい方を自分で食べるっていう形で審判してほしいから却下だよ」


 おやぁ~?

 なんで逃げ道が塞がれてるんだ?

 

 妙なところで連携を発揮するなよ。ホントは仲いいんだろ?


「さぁ、司君!」

「わ、わかったよ……」


 観念してゆずが差し出してきた唐揚げを口に入れる。

 

 よく噛んで舌に味をなじませる。

 唐揚げは衣はサクッとしていて油をしっかり落としているのかくどくなくてサッパリしていた。

 中の鶏肉もジューシーな味わいで、噛めば噛む程肉汁が溢れてくる。


 これはレモンをかけても塩を振っても美味いだろう。

 

「どうでしょうか?」


 ゆずが不安げに尋ねて来た。

 俺は変に焦らさずに率直に答えた。


「美味しいよ」

「っ、良かったです……」


 ゆずは心底安心したという表情を浮かべた。

 

「じゃあ、次は私!」


 束の間も置かずに菜々美さんが包みを開けて中の料理をつまんだ。

 

 つまんだのは唐揚げだった。

 

 料理のメインまで被ってるのかよ……実は二人で一緒に作ったんじゃないかってくらいの偶然の一致だな。


「はい、あ~ん♡」


 菜々美さんは後光が差すくらい明るい微笑みを浮かべながら俺に唐揚げを勧めて来た。


 ゆずと同様抵抗することなく彼女の箸につままれていた唐揚げを口に運ぶ。


 菜々美さんの唐揚げはゆずが作ったものとは大きく異なっていた。

 まず衣……ゆずはサクッとしていたのに対して菜々美さんのはカリカリに揚げられていた。

 だから衣と肉の間に溜まっていた肉汁が口の中に弾けるように流れ込んできた。


 肉の歯ごたえも違った。

 ゆずの唐揚げはジューシーな感じだったが、菜々美さんの唐揚げは肉に余分な脂が無くて素材そのものの味が引き出されていた。


 そのおかげか衣の肉汁がしみ込んでいてとても味わい深い。


「こっちも美味しいです」

「ホント!? 良かったぁ……」


 菜々美さんも高評価に嬉しそうだった。


 さて、ここから審判に移るわけだけど……。


「司君……」

「お願い……!」


 二人してじっと俺を見つめてくるせいで思考がまとまらねえ……。

 ただでさえ揺らぎまくりの天秤がガックガクって上下してるんだから勘弁して下さい。


「つ~か~さ~。お腹減ったから早くしてよ~」

「つっちー、早く、早く、です!」

 

 急かさないでお嬢さんがた。

 おっかしいな~。

 勉強会でこんなに気負うことが起きるなんて思ってなかったのにな~。


 ここでもまた俺のどっちも悲しませたくないなんていうフェミニズムがフル稼働しているわけだが、これはどちらの料理が美味かったのかいうと、必ずどちらかが悲しむのが目に見えている。


 でも今日ばかりはどっちかを決めなきゃ翡翠と鈴花の昼飯が無くなる。

 俺は二人の唐揚げの味を思い返しながら決断した。


「どっちも美味しかったけど、強いて言うなら……」


 俺は……菜々美さんの作った唐揚げに箸を伸ばした。


「やったああああああ!!」

「うぅ……」

 

 俺の審判結果を受けて菜々美さんは歓喜して、ゆずはどんよりと落ち込んだ。


「決め手は?」

「ゆずの唐揚げが冷めてたっていうのが一番かな……あれが揚げたてだったらマジで決められなかったかもしれない」

「勉強会前に作ったのが仇だったというわけですか……」

「で、でも並木ちゃんの唐揚げも美味しかったよ?」

「う、確かに柏木さんの唐揚げは揚げたてで美味しかったです……でも次は勝ちます」


 互いの健闘を称え合う姿勢を見せる二人に鈴花はほうほうと関心を寄せていた。


「てっきりどっちも選べないっていうかと思ってた」

「いつも僅差だから悩ましいけどな。負けたから相手を恨むんじゃなくて次に活かそうとするあたり、唖喰との戦いで忍耐力を鍛えて来た二人らしいよな」

「で、また後日ダブルブッキングをして対決になるわけね」

「……よくお分かりで」


 そう、これは竜胆司を巡って並木ゆずと柏木菜々美の二人が繰り広げる恋愛対決なのだー、なんてナレーションを頭に浮かべながら今日の対決に勝った菜々美さんの料理を食べることにした。

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